第一話 僕に手紙を渡して来たのは彼女だった
はじめまして。
ユズリアカスミと申します。
エッセイを書いたことはありますが、完全に自分で考えて書く、ということは初めてです。
稚拙なものしか書けず、皆様の期待を裏切る可能性も充分にあります。
それでも良ければ、どうぞよろしくお願いします。
まさかあなたが本当に来てくれるなんて。ありがとう、岡本理音くん!」
放課後、体育館裏。
岡本理音、僕のことだ。
本当に呼ばれたのは僕でいいのか。
僕を呼んだ相手はここ、私立桜翠学園高校のアイドル、星月柚乃さん。
運動、学業共にとても出来て、性格はどうなのか、と言ったらそれはもう最高なのだ。
誰に対しても笑顔を絶やさず、優しい対応。
しかも家は有名な会社のお嬢様なのだとか。
もう完璧すぎるでしょ。
噂によるとファンクラブもあるらしい。
そんな星月さんだからこそ、何故呼んだのか気になるのだが……
しかも体育館裏とか僕が読むラブコメでは告白のテンプレ場所なんだが。
「えっと…何故僕が呼ばれたの…ですか…お金なんて持ってませんが…」
「ふふ、落ち着いて。貴方からお金をとるなんてことしないわよ。貴方に伝えたいことがあるの。」
「は、はい…なんでしょうか…」
「君の事がーー」
事の発端は、朝、登校して来た時。
普段通りラノベ片手に靴箱を開けたら、普段は無い紙の感触があった。
なんだ?
そう思って出したら、なんと封筒。
達筆で岡本理音様、と書いてある。
放課後、体育館裏に来ていただけませんか?
はい!?何故僕に?
いや理音、ここは冷静になれ。
告白とか、絶対に無いから。
ましてや僕には絶対。
誰が好き好んでこの天下一のぼっちに告白しようなんて考えるんだ。
カツアゲかな。
今日は生憎財布の中にお金殆ど入ってないのに…
そして、今に至る……
「ちょっと、聞いてる?」
「え?あ…」
「あーもう、じゃあ次はちゃんと聞いてよ!」
「はい…」
「貴方が好きです。私と付き合っていただけませんか」
はい!?
「えっと、一体何故僕に…」
「そんなことはいいの!付き合ってくれる?くれない?」
そんな、学園のアイドル様に告白されたんですよね…
勿論良いに決まってるじゃ無いですか!
例え嘘コクだったとしても、僕は嬉しい。
「はい。僕で良ければ。」
少し春の陽気が消え、周りが葉桜に囲まれるようになった5月のある日。
そうして、星月さんと僕は恋人になった。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
もしよろしければ、評価の方して頂けると本当に嬉しいです!
これからもまた、読んでくださると嬉しいです……
ユズリアカスミ