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第1話 悪魔

「今日の仕事はここらしい。気合い入れてくぞ。」


「「はい!」」


その日も俺たちの"仕事"は始まった。




********************



魔物を倒し賞金を稼ぎ、時にはダンジョンに潜って秘宝を探す。そんな冒険者達の時代。

その冒険者たちの中でも、

壮年のベテラン冒険者であるパーティリーダー、ガレス。

優れた魔術士の家系であるエリザ。王国の騎士だったがやらかしてクビになったアシュレイ。そして俺、槍使いのケラン。そんなメンツの俺たちのパーティ"黄金の短刀"は


「彼らならきっと魔王を倒してくれる!!」


なんて、人々の期待を集めるパーティだったのだが、表舞台から姿を消すこととなった。



事の始まりはリーダーのガレスさんがギルドから直接の依頼を受けたことだった。

その依頼の内容は、


"この座標のダンジョンを攻略し、最奥部まで探索せよ"


という、大したことない依頼だった。俺たちは余裕で最奥部の魔物も倒し霊薬を回収して帰路に着いた。


「大して経験値も貰えない弱い魔物しかいないダンジョンを何で俺たちに攻略させたんですかね?

もっと下の冒険者のパーティでもよかったでしょうに。」


俺がガレスさんに聞いてみると、


「何でも、このダンジョンが発見されたのが最近だから

中にどんな魔物がいるかわからなかったせいだとよ。」


なるほど、確かにその通りだ。よく分からないダンジョンに弱いパーティを送り込んで殺したとなればギルドのメンツにも関わる。真っ当なギルドとしてそれは避けたいはずだ。


「にしても、霊薬1つがダンジョンの宝なんて。ふざけてるなあ。好奇心も全く擽られないね~」



最奥部で拾った霊薬をポイと空に投げながらエリザが言う。


「エリザさん!落として割ったらどうするんです。今回拾ったの物は全部ギルドに納品しなくちゃいけないんですよ。」


アシュレイが怒ると、エリザはバックの中にダルそうに霊薬を入れた。





そして入口に戻ってきた時、そいつは現れた。


「 お疲れ様、『黄金の短刀』の諸君。」

「「「!!」」」


さっきまで雑談をしながら入口を目指していた俺たちの後ろから、男の声が聞こえた。

慌てて俺たちは振り返った。


「おいエリザ、索敵魔法は使ってたんだろうな!?」

「発動してた!そいつは魔法に引っかかってない!」


ガレスさんがエリザに声をかける。エリザは魔術師としてのレベルはかなり上の方だ。そのエリザの索敵魔法を掻い潜るなんて、ただものでは無い。

男は言った。


「アハハ、これでも僕は神だからね。これぐらいは簡単さ。」


「ほう、神様が俺たちに何の用があんだよ。」


ガレスさんが睨みながら言う。こんな得体の知れない男の言葉が信用出来るわけない、当たり前だ。


「怖いなあ、今日は交渉しに来たんだよ。」


「なんだと?悪魔みてえなこと言いやがって。」


ガレスさんが言う。確かに高慢な神は交渉なんてしないだろう。何かあるなら、無理やりやらせるように仕向けるはずだ。交渉なんて本の悪魔みたいなやり口だ。


「鋭いね!僕は確かに元悪魔だ。300年前の神との戦争で捕まっちゃってね。悪魔から低位の神になって、奴隷みたいに扱われてるのさ。

とりあえず、鋭いガレスくんとそこのケラン君に15枚金貨あげちゃう!

後の2人は気づかなかったみたいだね。もっと本は読んでおかなくちゃ。」


なんだと!?俺の心を読みやがったのか!?

驚いていると、俺とガレスさんの手元に金貨が15枚降ってきた。


「どう、これで信じてくれたかな?」


流石にこんな事をされると、信じざるを得ない。

ガレスさんが言う。

「…で、俺たちに何の用があるんだよ。」


「じゃあ早速、本題に入ろう!

僕の仕事を半年間代わりにやって欲しいんだよ。」


「神様に仕事なんてあんのか?」


「僕は低位の神だからね。1年のほとんど面倒な仕事があるんだよ。そこで、君たちに代わりに仕事をやって貰おうって思ったのさ。もちろん、タダでとは言わない。きちんと報酬は支払うよ。」


「その仕事ってのはなんだ?」


「君たち、倒した魔物の死体ってどうする?

倒した証として耳を切り取って、装備品を奪って帰るだろ?その後どうなってるか知ってる?」


言われてみれば、その後どうなるかなんて知らなかった。 次の日またダンジョンに潜ったりしたら死体は消えてるもんだってくらいの認識しかない。

自称神は続ける。


「普通に勝手に消えるもんだと思うよね。

あれ、実は僕が消して回ってるんだよ。

誰も居ないうちにダンジョン中の死体を集めて、燃やしてるのさ。特に集めるのがめんどくさい。

これを面倒だと思った偉い神様がボクに押し付けて、今度は君たちに回ってきた訳だ。」


知らなかった、死体を消す神がいたなんて。当たり前だと思っていた事が事実ではなかったと知った時の衝撃はとても大きい。

ガレスさんは、最も大事なことを次に聞いた。


「それで、半年間の死体掃除の報酬はなんなんだ?」


自称神は言った。


「よくぞ聞いてくれました!この仕事を受けてくれるなら、








何でも願い事を1つ、叶えてやろうじゃあないか!!



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