はじめてのフレンド申請前哨戦
今回、いつもの倍近くの量があり、長いです。
ツェルトは人見知りする方だ。
親しくなった相手には、うっそだー、と笑われる。が、嘘ではない。
特に用がなければ、自室にこもってしまう程度には、ゲーム内でも引きこもりだ。アイテムをチェックしたり、クエストのリストを眺めたり。
あとは、フレンドリストを眺めたり、とか。
C:ツ「人見知りって、どうやったら直せるのかな……」
C:レ「なんですか、いきなりガチマジっぽい」
C:ツ「レイマンさんにはわかんないよ……」
C:レ「相談しておいて、全否定する!?」
今日もレイマンは離席中表示だ。たぶん、謎の愛ちゃんの襲撃を受けているのだろう。
謎の愛ちゃんとは、レイマン好き好き光線を発しながら追いかけてくる、猛烈なストーカーである。レイマンがきついことをいえない性格なので、いつまでもつきまとわれる。
つきまとう人って、相手を見てるよなー、とツェルトは思う。
まぁ当然か。
C:ツ「今日、内藤さんいないね。珍しい」
C:レ「あー……さっきまでいたけど、落ちたんですよ。また戻ってくるっていってました。ていうか、今頃ですけど、こんばんは」
C:ツ「こんばんは」
なぜ挨拶が今頃かというと、ナイトハルトがオフライン、レイマンが離席中だったので、ツェルトはログインしたときに挨拶をしなかったからだ。
クラン〈沈黙騎士団〉の団則は「ヴォイスチャット禁止」のみで、挨拶は任意である。
なお、ヴォルフもオフラインだ。
……という状況で、クランチャットにつぶやきを漏らしたので、返事を期待してのことではなかった。それでも、レイマンはきっちり拾って来たわけだが。
C:ツ「たまにさぁ、寂しくなることってない?」
C:レ「え、これ混ぜっ返していいやつ? それともガチマジ?」
C:ツ「ふざけたら、レイマンさんが欲しがってた染め粉をバザーに流す。レイマンさんに教えないで、格安で」
C:レ「なにそのわかりづらい復讐! アタシにバザーに貼り付けっていうの!?」
C:ツ「貼り付かなくていいです。そっと流します」
C:レ「いやいやいやいや! 染め粉って何色?」
C:ツ「金色。欲しがってたよね?」
染め粉とは、装備品を任意の色に変更できる消費アイテムだ。
原則、イベントの報酬でしか獲得できないので、つねに品不足気味である。バザーに出せば、飛ぶように売れる。
金色はレアなので、バザーで設定できる価格の上限でふっかけても、すぐ売れる。
なお、そんなにレアでもないのに常時高値なのは黒だ。厨二病患者はもっとオリジナリティを持つべきだ、とナイトハルトがよくぼやいている。ナイトハルトも黒い染め粉を常用しているため、例によって、全員から「おまいう」攻撃を受けた。
C:レ「えっ、余ってるの? マジで?」
C:ツ「わたし染めないから、余ってますよ。このあいだ、タイムアタックの大会で100位以内にぎりぎりすべりこんだじゃないですか」
あれの賞品にあって、とツェルトはアイテム箱を眺めながら答えた。
金色の染め粉は、13個持っている。どこがレアだという感じだが、それなりに廃プレイをした上で、まったく使ったことがないにもかかわらず、13個しか持っていない……というべきだろう。
桃色なんか、3桁も在庫している。これも売ればそれなりの価格になるだろう。ツェルトはまったく使わないが。
C:レ「ああー……そうだったそうだった。フレンドの人とやったんだっけ?」
C:ツ「すっごいうまい人がいたんですよー、フレンドのフレンドに。なんかもう、中の人がチートって、こういうのをいうんだなって」
C:レ「ははは……ガチだったんだ?」
C:ツ「ご本人は、ガチじゃないっていってました」
100位以内に入りたいなぁ、というつぶやきを見たフレンドが、じゃあこの人と組めばいいよと紹介してくれたのが、自称ガチじゃない人だった。
C:レ「100位以内はガチでしょ……。僕から見たら、ツェルトもガチだ。うわ、うちの団にガチの人がいた! 凄い! これでうちもガチ団への階段を一歩……」
C:ツ「あんまり登りたくないなぁ。タイムアタックは、マジで教わったことをやってただけなんで……わたし支援で」
C:レ「ああ、奏楽士で入ったんだっけ」
C:ツ「『奏楽士を活用して良いタイムを出す方法を模索してる』っていってました」
C:レ「ガチじゃないガチのフレフレが?」
C:ツ「そそ。近接の動きがわかってて、奏楽士もレベリングが済んでるメンバーを探してるって流れで紹介されました」
C:レ「いいねー。そういう環境って、こう、自分が高められるっていうかさ」
C:ツ「わたしはバッジが欲しかったんです」
C:レ「うん、ツェルトはブレないな!」
ツェルトは「埋める」のが好きだ。
タイムアタックも、一回クリアしただけでもらえる特別な報酬をとってしまえば、あとはどうでもいいと思っていたが、順位次第でバッジが手に入ると気がついたらもう、ほしくてたまらなくなったのだ。
ただ、バッジの取得条件は100位以内という厳しいもので、とても無理だった……はずなのだが。
C:ツ「あのひとたちと組めば、また同じようなイベントがあっても、バッジに手が届くかもしれないですねぇ……」
C:レ「また組めば?」
C:ツ「うーん、でも紹介してくれたフレが最近、ほかのゲームに浮気してて、あんまりいないんですよね」
C:レ「浮気とかw ウケるw」
C:ツ「ウケないですよ」
今でこそログインが激減したフレンドだが、当時は常時インしているのではないかと思われるほど「いつでもいる」勢だったのだ。
そう……今夜もその名前はリストでグレーアウト表示。オフラインだ。
引退するときはパーッと宴会やるからさ、と話していたが、このままフェードアウトするのでは……いやそもそも宴会に呼んでもらえるほど親しいと思われていなかったのでは……と、ツェルトの思考は暗くなっていく。
C:レ「あ、うん、はい。そうかそうか。……でもさ、そのフレさんは諦めるしかないかもだけどさ、またやればいいじゃん。ガチじゃないガチの人とさ、メンバー探して」
C:ツ「中身チートの人とは、フレンドになってないんで、連絡とれないです」
C:レ「え。だって100位以内だよね……相当回数やったんじゃないの?」
C:ツ「やりましたよ。ほかのこと、なんもできませんでした」
C:レ「だよなー。たしか、ずーっと取り込み中マークつけてて、挨拶くらいしかしなかったよな。そんなに一緒にやったのに、フレンド申請しなかったの?」
C:ツ「紹介してくれたフレを起点に合流してたから、必要なくて」
C:レ「気が合わなかった?」
一回だけ、あなたたちフレンドになってないの? と訊かれたことがあった。あのときに、なってませんね、で話を終わらせていなければ、今……フレンドリストはもう少し長くなって、光っている名前ももっとあったのではないだろうか。
C:ツ「よくわかんないです……わたし、人見知りなんですよ」
C:レ「wwwwwww」
C:ツ「金の染め粉」
C:レ「わかった! ツェルトは人見知り! 最高のクラメン!」
C:ツ「染め粉で買える人間関係なんて……」
C:レ「どうすりゃいいんだよ!」
C:ツ「レイマンさんって、天然タラシですよね?」
C:レ「おぅ! お……おぅ? えっ?」
C:ツ「どうやったら、人に好かれますか? フレンド申請してもらえますか?」
C:レ「そこー!?」
C:ツ「そこです」
C:レ「いや、申請してもらう必要ないじゃん。自分で申請すれば」
C:ツ「それができたら苦労しないんですよ!」
ツェルトは机を叩いていた。
そう、できたら苦労しないのだ。世の中の人は、どうやってフレンド申請などというハードルが高い行為をクリアするのか。
C:レ「えーっと……ごめん、ツェルトが人見知りとは知らなかった」
C:ツ「知ってください」
C:レ「OK、理解理解。えーそうか、じゃあ、ヴォルフとツェルトは、どっちが申請したの?」
C:ツ「どっちもしてないです」
C:レ「えっ。まさか、ヴォルフとも実はフレンドじゃないとかいわないよね!?」
C:ツ「いやフレンドですよ。ヴォルフとの出会いがですねぇ、シーズン1のストーリーの最終クエストあったじゃないですか」
C:レ「あー、はいはいはいはい。あれね。ツヴァイマンが分裂したやつ?」
ツヴァイマンとは、シーズン1のシナリオで「味方と見せかけて実はラスボス」担当だったNPCだ。全然予想していなかったからびっくりしたが、説得力はなかったので、あれはシナリオ書いてる方も行き当たりばったりに決まっている、とナイトハルトがいっていた。全力で同意したい。
レイマン、とツヴァイマンのあいだに、進化の過程であるアインマンがいたら面白いとか意味不明のこともいっていたが、それには同意できない。ていうか、ドイツ語の「0」は「レイ」ではないと思う。
一応つっこんでみたところ、「異言語を混ぜるのは厨二の基本なので」という、さらに意味不明の返事をされたことまで思いだした。こんなのは忘れていい。
C:ツ「それそれ。分裂後の弱点変化にあわせるのとか、大変で、最初は全然クリアできなかったんですよ」
C:レ「わかるなー。あれガチでキツかったよなー」
C:ツ「それで、相談して何周かして。クリアしたときに、記念にフレンド登録しよー、みんなで! っていわれたんですよね。メンバー全員、そのときが初対面のひとたちだったんですけど、まぁ、なんか盛り上がって」
C:レ「それもわかる! 俺もしたわ、フレンド登録。もうさ、最後は全員物理で殴ればいいだろって脳筋戦術になって、なぜかそれで倒せたんだよね」
C:ツ「マジかwww 頭悪そう」
C:レ「確実に、知能下がってた。クリア後は皆で防具脱いで、ウホウホいいながらダンスして、フレンドになろうぜーってフレンド登録」
C:ツ「頭悪いにもほどがある」
なにげにうちのクランって強いよなぁ、とツェルトは思う。
ナイトハルトとレイマンは、「オールマイティと書いて器用貧乏と読む」とまでいわれる人間族だが、その器用っぷりを生かして全ジョブ育てており、なにが来ても対応できる柔軟さがある。
ツェルトは獣人族で、系統は違うがヴォルフもそうだ。どちらも物理攻撃力が高く、前衛でも後衛でも強い。
獣人族は、支援職が弱いとされていたが、先日追加された奏楽士が、獣人族にも向いている支援職だったので、死角が減った。
C:レ「ツェルトは知能下げなくてもクリアできたのか」
C:ツ「むしろ考え尽くしましたよ……わたしは獣人だから物理担当だったけど、弱点の変化にあわせて武器変えたりしたし」
C:レ「ちゃんと……頭を使って勝った……だと……!?」
C:ツ「むちゃくちゃ話し合ったんですよ。それで『みんなで』って流れで、全員でフレンド登録したから、ヴォルフとはそこからフレンド。どっちもいいだしてないけど」
C:レ「なるほど。フレンドにって提案したのは、別のひとだったわけね」
C:ツ「そう……そうなんですよ」
ツェルトはフレンド申請をしたことがない。
ほんとうに、一回も、自分からしたことがないのだ。
C:レ「僕ちんどうだったかしら?」
C:ツ「フレンド申請は、レイマンさんからしてくれました」
C:レ「そっかー。内藤は?」
C:ツ「内藤さんからしてくれました。レイマンさんより先です」
ナイトハルトもレイマンも、フレンド申請は自分からする方だ……と思う。
一緒に遊んでいるときに、何回か、フレンド申請する場面を見た。申請された相手が受諾すると、八割がたは巻き込みで「じゃあツェルトさんも」と申請してくるから、ちびちびとフレンドは増えていく。
増えてはいくが……自分の力では増やせないのだ。
C:レ「内藤は、ああ見えて凄く社交的だからなぁ」
C:ナ「どう見えるんですか。闇の破壊神ですか?」
C:レ「うっわ、内藤降臨! お帰り!」
C:ツ「こんばんはー。あれ、内藤さんオフラインじゃん……」
C:ナ「こんばんは。オンラインにすると、謎の愛ちゃんが勘繰るんですよ。レイマンは、わたしのところにいるのではないか……と。つまり、レイマンがオフラインになると、わたしを探しに来ちゃうんですね」
C:ツ「なんなんそれ。愛ちゃんもう末期じゃない?」
C:レ「末期とは……」
C:ツ「だいたい、オフラインにするなら内藤さんじゃなくてレイマンさんがすればいいのに」
C:レ「え、だってオフラインだと挨拶してもらえないじゃん。そんなの寂しいじゃん……それで思いだした! 寂しいからオフラインにしてないのに、ツェルトたん挨拶してくれないの、寂しい!」
なんのてらいもなく寂しい寂しいと連呼され、ツェルトはなんだか馬鹿らしくなってきた。
自分は寂しいと打鍵することすらハードルを感じていたのに、なんなのだ。
C:ツ「愛ちゃんに挨拶してもらえ」
C:レ「ひどい」
C:ツ「金の染め粉」
C:レ「ツェルト最高! バザーに貼りつくべきときは、教えてね!」
C:ツ「ぜったい教えない」
C:レ「内藤ぅ〜! ツェルトがいじめる〜! 自分でフレンド申請できないって悩んでるから相談に乗ってあげてるのに〜!」
C:ツ「裸でウホウホいうような人に相談した自分の愚かさを呪うべきか」
C:ナ「『愚か』とか『呪う』とか、いいフレーズですね」
C:ツ「いや、そこだけ拾われても」
C:ナ「ざっくりいうと、フレンド申請なんてできなくても問題ないですよ」
それは、フレンド申請ができる人だからこその台詞ではないのか?
C:ツ「内藤さんにもわからないよ……」
C:ナ「わかりませんよ。わたしはフレンド申請ができなくて困ったことがないですからね。でも、逆の悩みもあることはご存知ですか?」
C:ツ「逆?」
C:ナ「……まただ。またフレンド申請してしまった……という苦悩」
たしかに、わからない。
フレンド申請したことがないのに、わかるはずがない。
C:レ「あっ、それなんかわかる! 俺もよくあるわ」
C:ナ「そうでしょうとも。だいたい、謎の愛ちゃんが『レイマンが一緒にいるかも』と、わたしを探しに来るのだって、うっかりフレンド申請してしまったからですよ。どう思います、これ?」
C:ツ「取り返しがつかないな、気の毒に、って感じ」
C:レ「ワロス」
おまえは笑うな。
C:ナ「だから、フレンド申請できないなら、無理にしなくていいんですよ。わたしのような苦悩を覚えずに済むのですから」
C:ツ「たしかに……それはそれで、大変……なのかな」
C:ナ「この右手が……勝手に、フレンド申請を……。くっ。鎮まれ、わたしの右手!」
C:ツ「うん、わからん。一ミリもわからん」
C:レ「内藤、そういうのもう古くない?」
C:ナ「大丈夫です。わたしは中年ですから、古いのがデフォです。むしろ、新しい厨二など不要」
C:ツ「いや、厨二をやめようよ」
C:ナ「厨二を捨てたらアイデンティティが崩壊してしまいます。それはそれとして、レイマンはそろそろオフライン表示にするといいですよ。放置時間が経過して自動落ち、ってことで」
C:レ「あっ、ハイ」
C:ナ「久しぶりにクラメンでなにかクエストでもやりませんか。そろそろヴォルフも来るでしょうし」
C:ツ「いいけど……なにやるの?」
C:ナ「なんでもいいですよ。このメンバーだったら、わたしの右手が勝手にフレンド申請したりもしませんし、安心ですからね」
ツェルトがフレンド申請できなくて悩んだりもしないし。
まぁ、それもいいかな、とツェルトは思った。
フレンド申請というハードルは……そのうち乗り越えてみたいと思うが、今夜でなくてもいいだろう。
C:レ「オフラインにしたー」
C:ナ「レイマンとわたしは出歩けないんで、ツェルトさん、どこかパーティーメンバー以外が表示されない拠点でクエスト受注お願いできます?」
ゲーム全体のメイン拠点ともいえる都市グウィンダリアでは、パーティー外のメンバーも表示される。
サーバが違えば表示されないが、レイマンがオフラインになれば、愛ちゃんもサーバを移動するだろうし、うっかり遭遇するのはめんどくさい。
謎の愛ちゃんともフレンドになっていないツェルトは、愛ちゃんに追われることもない代わりに、愛ちゃんの動向を把握することもできないのだ。
C:ツ「わっかりましたー。念のために、愛ちゃんが来なさそうなサーバにするわ……あの子、1番には来ないよね?」
C:レ「わからない……いつ見ても俺と同じサーバにいるから……」
C:ツ「使えねぇな!」
C:ナ「1番はシャウトうるさいけど、面白いですよね。あ、愛ちゃんは9番から6番に移動したようです」
C:ツ「じゃあ1番に行くね。それから僻地でパーティー要請するわ」
** World 1 へ移動しました **
S:グ「誰かゴブリンシャドウをバザーに流してくださーい!」
C:ナ「お願いします。そろそろヴォルフも来るでしょうし」
S:ド「自分で取りに行け」
S:G「煉獄クエ周回、残1、支援ライトカンスト理解者、途中抜け自由」
S:ジ「おまわりさーん!」
C:レ「今日は『ジャンフロ』更新ない日?」
** Shout を非表示にしました **
C:ナ「いえ、ありましたが、あまり面白くなかったし、短かったので」
C:レ「読んでるのかよ!」
C:ツ「読んでるのかよ!」
C:ヴ「読んでるのかよ! って何を? こんばんはー!」
C:レ「タイミングが神!」
C:ナ「さすがヴォルフさんです」
C:ヴ「よくわかんないけど、うちのクラン、オフラインなのに喋る人が多くてウケるwwwwwww」
C:ツ「パーティー要請飛ばすぞオラ!」
** レイマンにパーティー要請を送りました **
** ナイトハルトにパーティー要請を送りました **
** ヴォルフにパーティー要請を送りました **
C:ヴ「えっ、何やるの? ジョブどうするの?」
C:ツ「なんとびっくり、懐かしのシーズン1のラスボスを倒しに行きます! だからジョブとかどうでもいいよ」
C:レ「登山かー」
C:ナ「登山ですね」
C:ツ「まだクエスト受けてないから、ほかのでもいいけど」
C:ヴ「登山っていえばさ、あの山頂の砦の入口に、鳥いるじゃん?」
** ナイトハルトがパーティーに参加しました **
** レイマンがパーティーに参加しました **
C:レ「いるねー。いるだけの鳥ねー」
C:ヴ「鳥のくせに落下死するって知ってる?」
C:ナ「ああ、噂には聞いたことがありますが、試してみたことないですね」
C:レ「なにそれ楽しそう。やろうぜ!」
** ヴォルフがパーティーに参加しました **
P:ナ「よろしくお願いします」
P:ツ「よろしくお願いします」
P:レ「レイマン、推して参る!」
C:ヴ「レイマンさんの参加の挨拶ウケる。なんでそんななの?」
P:レ「ヴォルフひとりだけクランチャットで喋ってて寂しくない? プププ」
P:ツ「じゃあ登山クエ受けるよー」
P:ナ「よろしくお願いします」
P:ヴ「クラチャわざとだから! わざとだからな!」
今夜も、チャット画面のスクロールは止まることがない。
鳥は落下死しましたが、誘導して落として体力を削りきるだけで30分かかった上に、ヴォルフが足を滑らせて鳥より早く落下死し、助けに行ったレイマンも巻き添えを食うという悲痛な二次災害が発生したようです。
(ずいぶん前に終わったストーリーの敵なので、レベルも低く、今の〈沈黙騎士団〉が本気になれば、それこそ物理で殴るだけですぐ倒せます)
ツェルトはゲラゲラ笑いながら、哀れなレイマンのために金色の染め粉を最高値でバザーに流してやったのですが、タッチの差で知らない人に購入されてしまったとかなんとか。