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84.シンカイの秘宝

 テレレテッテッテー!

 無事“シンカイの秘宝”を手に入れた。あ、これレベルアップの音だった。

 そんなことより、とにかく眠い。ということでおやすm…。


 一番に起きたのは、修一だった。

 といっても、両腕をそれぞれリリシアとサーラに抱き込まれているため身動きはとれない。

 …が、両腕に当たっているふわふわのおかげで全く苦はなかった。


 そして、その感触を楽しんでいること数分――。


 「んぅ…。おはようございます。」

 彼女たちも目を覚ました。

 「おはよう。よく眠れた?」

 「はい。そろそろ起きないとですね。」

 「そうだね。」

 「サーラもおはよう。」

 「おはようございます。ご主人様。」


 しばらくベッドで、ぬくぬくした後、キャビンに上がる。


 「あら、起きたの。おはよう。…いえ、こんにちは、かしら?」

 一晩?経ちイヴの様子もすっかり元に戻っていた。

 「その後どう?」

 「ええ、問題ないわ。」

 「よかった。…よし、じゃあ情報整理をしようか。」

 「わかったわ。…シンカイの秘宝は言わずもがな、“神界の秘宝”だったわ。そして、それに触れた瞬間、私は自分自身についての記憶とこの世界の成り立ちをそれぞれ断片的に想い出したの。私の本当の名は、エムザラ―――神族よ。」

 「「えっ…!?」」

 「……。」

 「あら、マスターはあまり驚かないのね。」

 「なんとなくそんな気はしてたからね。」

 「へぇ、そう。」

 「船が進めなかったことに神界の秘宝が関係していたならば、イヴも神界に関係している可能性は低くはないだろう。」

 「確かにその通りですね。でも、秘宝が本当に関係しているとは思いませんでした。」

 「リリシア、それは私もよ。自分自身でも驚いたわ。」

 「それで、どれくらい想い出せたんだ?」

 「自分についてはある程度。でも、神族だった頃の思い出や知識は欠落しているみたい。」

 「えっと?」

 「つまり、私が何者でどういう者かは分かったけれど、何者であったか、どういう者だったかは分からない、ということよ。」

 「ということは、なぜ幽霊船型のダンジョンのコアになったのかも…。」

 「ええ、分からないわ。」

 「そっか。この世界の成り立ちについては?」

 「えっと、確か――。」


 世界は、龍によって●●●いた。

 とある一柱の神が●●●を望んだ。しかし――。

 ――●●●――。

 それは、世界に熱をもたらした。――。

 つまり世界は●●●に飲み込まれたのだ。

 ――。冬の到来だ。――。●●●。――。

 神は世界に顕現し――世界は光に包まれた。


 「――こんな感じかしら。」

 「神話か?さっぱりだな。リリシアは何か知っているか?」

 「えっと、龍族に伝わる伝承では…その…。」

 「神族に遠慮せず教えてくれ。」

 「えっと…はい。龍族では、神の世界創造は、星の破壊によって成されたとされています。『下界のものは皆、神の枷を与えられた。』…と。」

 「そっか。まぁこっちについてはまた追々…かな。世界の成り立ちを知ったところで、出来ることもするべきこともないだろう。」

 「ええ、そうね。…それで、マスターにひとつ相談…いえ、お願いがあるのだけれど。」

 「ん、いいよわかった。」

 「え?まだ何も言ってないわよ?」

 「イヴ…エムザラの方がいいか?…の頼みなら聞くよ。返せないほどの恩があるからな。」

 「私も賛成です!」

 「ふふ…ありがと。それじゃ、お願いなんだけれど…その前に、呼び方ね。これまで通り“イヴ”でお願い。今の私はイヴよ。それ以上でもそれ以下でもないわ。」

 「わかった、イヴ。」「はい、イヴさん!」「かしこまりました。イヴさん。」

 「ふふふ。それで、お願いなんだけれど…。マスター、私に体を頂戴?」

 「っ!?…DPで…作れる、のか?」

 「ええ、そうみたい。ただ相当なコスt…――。」

 「やったぁー!!イヴさんの体を作れるんですか!?」

 リリシアがバッと立ち上がり、飛び跳ねた。

 「リリシア…なんであなたが嬉しそうなのよ…。」

 「えへへへ…だって嬉しいんです!」

 「ありがと、リリシア。」

 「もちろん、俺も賛成だ。DPはいくら使ってもいい、納得できるものを作ってくれ。」

 「ええ、ありがとう。それじゃ、作らせてもらうわね。」

 「あぁ。」「はい!」

 「あ、マスター?」

 「?なんだ?」

 「やっぱり胸は大きい方が好みかしら?」

 「…バッ!?…はぁ…ったく。いいからはよ作れ。」

 「ふふふ、はぁい♪」

 (盲点だった。考えてみれば、そもそも俺の体もDPで作ったのだから、思いついても良かったのにな…。)


 そして待つこと数分。

 「出来たわ。」

 遂に完成したようだ。

 「あぁ。」「はい。」「(こくり。)」

 それぞれがイヴの声に応える。

 すると、青い光が迸り、弾けて、集積していった。そして、みるみるうちに人の形となり、間もなく光が絞られていく。そして、そこには——、

 「えっと…お待たせ、みんな。」

 イヴがいた。

ご閲読ありがとうございます。


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