78.互いの気持ち
罰ゲーム『愛の告白』。
「あぁ~緊張したぁ。」
リリシアへの罰ゲームが終わり脱力する。
「お疲れ様です。お茶でも淹れましょうか?」
「っ!?…まったく…こういう時はびっくりさせないでよ。」
「いえ、今回はそのようなつもりはなかったのですが…。」
「『今回は』って…。まぁいいや、次はサーラの番だね。」
「…はい、お願いします。」
「えっと…とりあえず、座ったら?」
「あ、は、はい…。」
どうやら彼女も緊張しているようだ。
「…サーラ。」
「はい。」
「家事からはじまって、俺の身の世話まで、いつもありがとう。」
「…メイドですので。」
「うん、でもうまく言えないんだけど、ただそれだけじゃないってことを伝えたくて。サーラが船に残ることを選んでくれて本当にうれしかったよ。君みたいな綺麗な子に奉仕されるのが嬉しいのは当たり前なんだけど、それは誰でもいいわけではなくて…サーラだったから嬉しかったんだ。って、本当は手を出す前に伝えるべきだったのにごめんね。」
「…マスターのお気持ちはわかっております。私も口数も少ない上に、無表情ですので伝わりづらいかとは思いますが…嫌々やっているわけではなく、寧ろわたくしはご主人様のことをお慕いしております。ただの命の恩人という意味ではなく、体だけでなく心を捧げられる相手として尊敬しております。」
「ありがとう。…案外似た者同士だったんだね。お互いに気持ちを言い合うべきだった。」
「…はい。」
「最初こそなあなあで始まっちゃったけど、俺はサーラが好きだよ。」
「はい、私もご主人様が…好き…です。」
「ありがとう。これからはお互いのことをもっと知るために、二人の時間も大事にしていくと約束するよ。」
「…メイドの分際で生意気でしょうが…その…嬉しいです。」
「ううん、そんなことはないさ。俺にとって大切な人だ。当たり前のことだよ。寧ろ今までごめんな。もっと早く話し合うべきだった。」
「…いえ、私にも非がございます故。…ですが、ご主人様のお気持ちはありがたく頂戴します。なので、お詫びはここにお願いします。それで終いです。」
そう言って、サーラは自身の唇を指さした。本人もやっていて恥ずかしいのだろう。少し赤らんだ彼女はとても可愛らしい。
「…その出来れば早くお願いします//」
「あ、あぁ…ごめんごめん。」
そうして、二人は唇を合わせた。
気持ちを交わすのに会話はもう要らない、互いの体温のみで十分だった。
*****
サーラも部屋に戻り、また一人になる。
「ふふ、お疲れ様、マスター。」
「おう、疲れた。ってことでもういいか?」
「えー私にはないのぉ?やっぱり体を許してない女なんてどうでもいいのね…。」
「許すも何も体が無いだろ!…まぁ冗談はここまでにして…今日はありがとな。」
「ふふ。どういたしまして。」
「いや、今回だけじゃなくて、今日までずっと。拾われたのがイヴで良かったよ。」
「べた褒めね♪」
「いや、それくらい感謝してるってことだよ。何もお返しできなくてごめんな。」
「全然気にしないで。もう十分もらっているから。それに今後どうなるかは分からないわよ?時が来たらたっぷりとお返しを貰うわ。」
「…本当にいい女だよ、お前は。…これからもよろしくな、イヴ。」
「ええ、“末永く”ね♪」
他二人とは違い、軽口が多くなってしまったが、それが心地よく、他にはない快さがそこにはあった。
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