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74.考察

 深海の秘宝について知った。サーラが音痴なのも知っ(ry…。


 「これが、歌詞か…。」

 部屋に戻った修一は、ベッドに仰向けになり、吟遊詩人の詩を書いたメモを眺める。


 「この海域から出られないことと関係あるのでしょうか。」

 「うーん。引っかかっていることはあるんだけど…。何とも言えないかな。」

 「歌詞から何か分かるでしょうか。」

 「順々に考察してみるしかないかな。リリシアも何か思いつたら教えて。」

 「はい、わかりました。」


 その後、二人で歌詞の考察を行いメモに書き込んでいった。


 ~~~~~

 世界が眠る(とき)      …=夜?

 白き海         …何か特別な海域(白い海が実在する)?白波?

 潜りて昇らん

 いざ深海への扉が開く  …深海へ潜るために潜る。では昇るとは?


 立ち込めて問い     …問いとは、問うのか、問われるのか

 愚者は絶え

 賢者は惑い

 勇者は堕ちる      …3つの例。誰も到達しえないことの示唆か


 世界が再び廻るとき   …=夜明け・朝?

 宮廷への道開かれん   …秘宝の在処は宮廷(古代王朝が関係?)


 秘宝を手にする者

 死者を越えて(めい)を得られん …不老不死またはそれに近しいものになれる?

 ~~~~~


 「こんなものかな。えーっと…要するに『夜中に白い海を潜って昇ると、問いを投げられ答えられれば、夜明けに秘宝の在処である宮廷へ行ける。そして、秘宝の効果は不老不死またはそれに近いものになれる。』…といった感じかな。」

 「んー…色々と不明確ですね。」

 「そうだね。気になる点をまとめていこうか。まず、秘宝の在処に行くには条件があること、『世界が沈む』だったり『再び廻る…』のところだね。これは、昼夜のことを指していると思う。」

 「そうですね。」

 「『白き海』は全くわからん。そういった特別な海域があるのか、波か何かの比喩なのか…。」

 「ヒントがないですからね。白い海…というのは私も聞いたことがありません。」

 「そっか。この『潜りて昇る』とはどういうことなんだろう。」

 「波にあおられてから、乗り上げる…ということでしょうか。」

 「白き海が波を表しているならそうなるか。」

 「そして、深海へと潜れるようになる…ということでしょうか。」

 「ただ潜るだけじゃダメなのか。そんなことあり得るのかな。」

 「魔法による制約ならば可能です。一定条件下でしか進めないようになっているのでしょう。」

 「なるほど。『問い』と3つの例は何だと思う?」

 「えーっと……。」


 「…踏破の難しさを語っているのでしょうが、吟遊詩人の装飾だと思います。」

 「うわっ、びっくりした…。サーラか。やっぱりか?」

 サーラがいきなり会話に参加してきた。会議をしているとイヴから聞き、お茶を運んでくれたらしい。

 …うん、美味しい。


 「…ええ。どの職業も人間族ではよく耳にするものですが、多種族では一般的ではないでしょうから。」

 「確かにその通りですね。」

 「そうか…『立ち込めて』の表現は気になるけど、とりあえずここはとばして…秘宝は、不老不死を得られるということか。」

 「…ええ、あの方(クラウン様)はこれに釣られたようです。」

 「あいつ(バカ貴族)らしいな。不老不死か…このダンジョンまたはイヴと関係があると思うか?

 「「分かりません。」」

 「私自身もわからないわ。」

 「まぁ、深海に関係するってことは海底に何かヒントがあるだろう。魔力の残滓だったり人工的な建造物だったり。」

 「そうね。適当にぶらつきながら海底を探ってみるわ。この前、マスターの指示通り、測深器やソナーでも魔力探知できるようにDPを使って改造したから何かあればすぐにわかると思うわ。」

 「よろしく。」


 しばらくの足止めを食らいそうだ。

 (それにしても“宮廷”…“アーティファクト”…かぁ。)

ご閲読ありがとうございます。


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