52.夜鳴きそば
ゴージャスでリッチでエレガントな船にしたい(語彙力)。
ブリを泣く泣く諦めた夜のこと、リリシアとエキサイトした後に二人でおしゃべりしていると、
「くぅ~。」
リリシアのお腹が鳴った。
「…すみません//」
「はは、大丈夫。今晩は軽めだったし、確かにお腹空いたね。何か食べよっか。」
「こんな時間ですが、良いのでしょうか。」
「大丈夫、ぴったりのものがあるから。」
と言うことで、夜食に夜鳴きそばを食べることにした。
ささっと湯を沸かし、既製麺を入れる。修一の好みは十割そばだが、リリシアが初めてなので、のど越しが良く食べやすい二八そばにした。
4分弱茹でた後、麺を氷水で締めてぬめりをとり、熱湯で湯がいてから熱いつゆの中に入れる。つゆは、水に塩・砂糖・みりん・醤油を入れて煮立てたものを準備した。最後に刻みネギ・天かす・かまぼこをトッピングして完成だ。ざる蕎麦も美味しいが、温かいものが食べたい気分なのでこちらにした。
「おまたせ。蕎麦だよ。熱いからやけどしないようにね。」
「…これまた、変わった食べ物ね。…長細い…なにこれ?」
当たり前のようにイヴが会話に加わる。
「麺というものだよ。」
「とってもいい香りですね。」
「「「いただきます。」」」
(あはは、そういえば、気が付いたらみんないただきますって言うようになってたな。)
「――うん、美味しいわ。」
「温かくて美味しいです。心も温かくなる料理ですね。」
「気にいってくれて良かった。じゃあ、俺も。」
「――ずずずっ。」
「「!?!?」」
「…あ、ごめんごめん。音を立てるのはマナー違反か。でもこの料理はね…、今みたいに音を立てて食べるとさらに美味しくなるんだよ。」
「えー、冗談やめなさいよ。」
「それが本当なんだよ。この世界じゃ下品な食べ方なんだろうけどね。…というか、向こうの世界でも許されているのは俺の国だけだったわ。」
「何なのよ全く。マスターの国は相当危険なんじゃないの?あの戦闘力や武器もそれなら納得できるわ。」
「いやいや、全く。世界で一番安心安全の国だったよ。町で財布を落としても7割近くの可能性で戻ってくるくらいにはね。単にこだわりの強い国民性で、料理も洗練されていく中で、“礼儀<味”ってなっただけだよ。」
「確かに、マスターの料理は美味しいものばかりだけれど…。」
「落とした路銀が戻るなんて素晴らしい国ですね。」
「一概には言えないけどね。まあ、抵抗があるなら無理しなくていいよ。俺も音立てずに食べることは出来るし。」
「い、いえ…。折角なので挑戦してみます。―――ずっ。あっ…確かに味変わる気がします。…香りがよくなったのでしょうか?」
「そう、空気を一緒に含むことで、風味が豊かになるんだよ。」
「ずず…ずずず。本当、美味しくなりますね。」
「でしょ?」
「はい♪」
「――ねーねー。私は出来ないんだけど。」
「イヴは実際に食べてるわけじゃないしね。俺にもどうすればいいのか分からないわー。」
「えー!?納得いかないわ!」
知らんがな。あー、お蕎麦美味しい♪
同じ料理でも、夜食というだけで不思議と美味しく感じるのだった。
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