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46.カレーライス(後編)

 はじめちょろちょろ。なかパッパ。ジュウジュウ吹いたら火を引いて。ひと握りのわら燃やし。赤子泣いても蓋取るな。あ、米は炊飯器で炊いてます。流石に船内で飯盒炊きは出来ません。


 具材をカットし煮立たせてからしばらくして、蓋がカタカタと鳴り出した。


 蓋をあげ、生活魔法のクリーンを使い灰汁を抜き取ったら一混ぜしながら具合を見る。ジャガイモはホロホロだが崩れてはおらず、肉の火の通りもいい感じだ。

 火を止めて、一度冷ましてから市販のカレールーを溶かし、隠し味にコーヒーとウスターソースを入れて、最後にもう一煮立ちさせれば完成である。ルーは一般的な固形ルーではなく、ちょっとお高めの粉タイプのそれを使用した。カレー粉ではなくルーなので味付けが不要だし、粉末タイプなので溶けやすく、何より味がとても良いので、家でもよく使っていたものだった。


 ルーが溶けていくにつれ、立ち昇るカレーのいい香り。

 「ゴクリ…。なんだかすごい色ね。とても美味しそうには見えないけれど大丈夫なの?」

 「…はい。…でも見た目は不思議ですけど、すごくいい匂いですよ。」

 ここで、タイミング良くご飯が炊きあがったようなので、早速3人分盛り付け、カレーをかける。


 「よし、出来上がったよ。召し上がれ。辛さは控えめだけど必要だったら水かミルクを飲んでね。」

 「ん?辛いものなの?」

 「少しね。まぁ食べてみれば分かるよ。」

 「それもそうね。それじゃ…。」

 「「「いただきます。」」」

 「「――――。」」

 一口食べ、二人が息を止め固まった。

 と思うと次の瞬間、ガツガツと食べ始めた。

 とはいっても、リリシアは一口が小さいからパクパクって感じだし、イヴは全部吸収してから一口ずつ食べる?ので正しくはないのだが、二人の雰囲気はまさにガツガツという感じだ。

 「どう?美味しいでしょ?」

 「―――ふぁい。ほってもほいひいでふ(とっても美味しいです)!」

 頬を膨らませながらリリシアが答える。可愛い。

 「――えぇ、とっても美味しいわ。何と言ったらいいのか分からないけれど、とっても美味しいわ。」

 イヴも気に入ってくれたようだ。


 二人の様子を確認し、修一も食べ始める。

 口に入れた瞬間広がるカレーの豊かで複雑な風味。ほどよく効いたスパイスのピリッとした刺激が食欲をそそり、気が付くともう一口もう一口と口に運んでしまう。

 濃いカレーと炊き立てご飯の相性もばっちりで、ホクホクのジャガイモや、噛みしめる度に油と旨味があふれるチキン、玉ねぎの甘さなどが良いアクセントとなりまた味に深みを増している。辛味酸味甘味芳ばしさ…次々と変化するその味に、エキゾチックな一方でどこか懐かしさを感じた。

 「おかわりもあるよ。いる?」

 「「いただくわ(いただきます!)。」」

 修一の問いかけに、二人とも食い気味に答えたのだった。

ご閲読ありがとうございます。


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