39.スナイパーライフル
刀での戦闘は問題ないと判断した修一は、イヴの要望に応えることにした。
ダネルを取り出してセッティングを進める。そういえば、ファンタジーの定番に魔法銃なるものがあるけど、流石にこれを使って代用は…。
「可能よ。魔石さえあれば何とかなると思うわ。」
とのことなので、魔石(小)を使ってみることにした。どうやって使えばいいのかさっぱりだが、魔法弾を想いながら適当にマガジン(弾倉)に重ねてみる。すると、魔石が光りマガジンに吸われていった。
「お、成功した?」
「おそらく。そんな武器見たことないから分からないけれど。」
「うまく同調しているようですし、大丈夫だと思います。」
「とりあえず、使ってみましょう。見た感じ、近接武器には見えないから撃ちだすものなのよね?」
「そうだね。とりあえず試してみようか。」
というわけで、とりあえず撃ってみることにした。作戦は、2km先にも結界魔法で地面を作り、そこにまたオルカにサハギンを呼び込んで貰う。それを待ち伏せてズドン、だ。
船横の結界に腹ばいになりスコープ照準を合わせ、14.5mm弾をイメージして魔弾を作り装填しておく。さらに暴発した場合の対策として顔をさらに結界魔法でガードする。
「何だかおかしな恰好ね。」
イヴがクスクス笑っている。やかましいわ。
しばらくするとオルカが帰ってきたのだろう、2km先の結界に黒と白のシルエットが現れた。そして、少し遅れてもう一影が映る。肉眼では確認できないがおそらくサハギンだろう。
「サハギンが来ました。」
流石龍族、目がいいね。
「それじゃいくよ。大きな音がするから気を付けて。」
スコープを覗いて標準を合わせ、引き金に手をかける。
「――ドゥヴァアアアァァァァァン!!」
銃声が轟き、強い反動が来る。
刹那、スコープ内で補足していたサハギンが吹き飛んだ。
「「――!!??」」
「よし、命中。」
修一はボルトハンドルを押し上げ、空薬莢をはじき出す。
炯眼スキルのおかげで、銃初心者の修一でも一発でぶち抜くことが出来た。わかりやすく補助線が見えたので合わせて撃つだけの簡単なものだったのだ。
「ちょ、ちょっとマスター。今のは何なの!?」
「見ての通り、サハギンを撃ち抜いたんだけど。」
「すごい音がしましたね。びっくりしました。」
「まあね。威力も中々だよ。」
「みたいね。上半身が吹き飛んでいたわよ。細いし弱そうだと思ったのに、滅茶苦茶強いじゃない。」
「勝手に弱いと思っていたくせに俺に文句言わないでよ。大当たりだって言ったじゃん。」
「ふふっ。……あ、あの!私も撃ってみてもいいですか?」
リリシアから意外なお願いをされた。
そのあと、リリシアがダネルの試射したのだが、ドはまりした。
可愛い笑顔を咲かせながら、魔物たちの頭を次々に撃ち抜いていく。長距離から倒す快感がたまらないらしい。
曰く、龍族は伝統的に保守的と言うか脳筋的と言うか、肉弾戦を好むらしいのだが、一部の龍(特に女性たち)はそうは思っていないらしく鬱憤が溜まっていたようだ。因みに龍の固有スキルである光線魔法じゃダメなのか聞くと、それとはまったく別で、ターゲットのみを的確に倒せるのがいいらしい。魔法1発で、山の一つや二つが消し飛ぶそうだ。
実は、光線魔法見せて貰おうかと思っていたのだが、この話しを聞いて諦めた。
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