37.オルカの実力
紫雲、頼んだよ。彼はオスです。名前は水上偵察機からとりました。
紫雲の姿を見送り、軽めの昼食をとった後、実戦訓練に移った。
やることとしては、修一、リリシア、オルカの戦闘能力を確認し、実戦経験を積んでレベルアップを図ることだ。重ねて、連携強化やダネルの使用具合を調べられたら尚良しだ。
ということをリリシアに説明し、それでは順番に確認を。とオルカに目を向けると――鮪サイズの魚を咥えていた。5分足らずでこの大物…オルカ、恐ろしい子。
「ふふふ。説明しだしてすぐ、飽きたって遊びにいってきたみたいよ?」
「さいですか。オルカ、すごいね。」
「キュキュキュー!」
褒めて欲しいのか頭を突き出してくる。
オルカの頭を撫でてみる。ひんやりした頭はすごく滑らかで気持ちがいい。
「キュ~♪」
オルカも気持ちよさそうだ。
オルカには危ないと思ったら退くように伝え自由にやらせることにした。とはいっても、1匹ずつ捕まえては船に持ってくるのでそう遠くへは行かないだろう。
さて、修一とリリシアの番だ。
修一は、メニューから結界魔法のスクロールを取り出し使用する。話し合いの結果修一が使うことにしたのだ。理由は簡単、龍族の彼女に比べ耐力が低いためだ。
スクロールを解いて魔力を流す。すると、描かれていた模様が光りはじめ、魔法が構成されていった。魔力操作で流した魔力を追っていた修一は、結界魔法の構成を感覚的に理解することが出来た。やがて魔法式が完成し、目の前に50cm×150cmの半透明な壁が現れる。
(これが、結界魔法か。なんとなく構造は理解できたし練習すれば自力で発動できるようになるかな。)
その後30分程度練習を経て、修一は何とか結界魔法を自分のものにした。
結界魔法を習得した修一は、早速海上に10m四方の足場を作りリリシアと二人飛び移った。
「おお、意外に安定しているな。」
「広いですね。修一さん、魔力は大丈夫ですか?」
「全然問題ないよ。」
「そこで戦うの?」
船の近くだから、ギリギリイヴの声も届く。
「そう。さっきオルカに弱そうな魔物を引き連れてくるよう言ったからそろそろ――。」
「キュイー!」
おっと、ちょうど帰ってきたようだ。戻った勢いそのままに結界の上に乗り上げる。オルカアタックだ。こんなところで見られるとは思わなかった。すごい迫力だな。
『『ギャギャギャギャ!!』』
そして間もなく耳障りな声が聞こえ、緑色の魚顔モンスターが2匹乗り込んできた。
「サハギンですね。亜人族ですが、野蛮で獰猛なので撃退が推奨されています。知能が低く、レベルとランクもD~Eと低い傾向があります。」
「説明ありがと。それなら、それぞれ1匹ずつでいいかな。」
「わかりました。」
こちらもレベルこそ低いが、ランク的に負けることはないだろう。
修一は、アイテムストレージから刀を取り出す――太刀『舞鶴』。実戦こそなかったが、毎日必ず素振りしていた。また、先日のダンジョン訓練は確かに活きているようで体に力が漲っている。やっと何かを斬れると思うと血が滾るのであった。
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