31.ショッピング
リリシアが仲間になってくれた。
寝具は既に用意したが、言い換えれば他に何も用意できていないということである。
この船にいる間、リリシアには人化してもらうことになるので、服やシャンプーなどといった日用品から、化粧水等色々必要なものがあるだろう。服は魔法を用いていくつか持っていたそうだが、全然足りていない。
ということで、ショッピングをすることになった。といっても【マーケット】で購入するだけなのだが。
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そしてリリシアは今、メニューに張り付いていた。
最初は遠慮していた彼女だったが、
「わぁこのワンピース可愛いです。あ、このブラウス?も素敵!」
異界の服や靴に魅了されていた。
この世界の裁縫技術は、魔物の硬皮を縫うことなど生存に特化したものが多く、一方で貴族はドレスがほとんどなので、着心地と装飾を両立した服が珍しいそうだ。
流れに乗せて、ナース服やチャイナドレスも勧めてみy――いや何でもない。
「どんどん買っていいからね。」
「は、はい。」
リリシアはすぐ遠慮するので何度も同じことを言い続けている。イヴであったらこんなことは絶対言えないが(笑)
その後、リリシアは一日たっぷりと買い物を楽しんだ。
「…ありがとうございます。修一さん。」
買い込んだ服を嬉しそうに抱えて彼女は笑う。早速買った服――彼女の髪と同じ色のフレアスカートに、白地のトップスを合わせた彼女は、大人びた雰囲気を出しつつも可愛らしいコーデに着替えていた。
「いえいえ、喜んでもらえて良かった。その服も、とても似合っているよ。」
「ええ、可愛いわよ、リリシア。」
「えへへ、ありがとうございます♪」
「あとは…リリシア、はいこれ。プレゼント。」
そう言いながら、修一はアイテムストレージから用意していたあるものを取り出した。
「えっ、プレゼント…ですか?」
「そう。順番に、ボディーソープ、シャンプー、コンディショナー、化粧水だよ。使い方は後で説明するけど、俺の出身地で女性がよりきれいになるために使っているものかな。リリシアはもう十分すぎるくらいにきれいだし、必要ないかもしれないけど試してみるのも面白いかと思って。」
「あ、ありがとうございます…//でも…服も買っていただいたのに…私なんかにもったいないです…。」
「そんなことないよ、リリシアに喜んでもらいたくて買ったんだ。もしかして嫌だった?」
「いや、とんでもないです。…あの、その…とっても嬉しいです。」
リリシアは、はにかみながらも嬉しそうに手に取った。ちょっとズルい渡し方になってしまっただろうか。
生活魔法クリーンがあるためシャワーは基本的に必要ないし、乾燥は魔法で水分を抜けるのでボディーソープやシャンプーの出番はないかもしれない。しかし、なんだかんだと修一は毎日のようにシャワーを浴びているし、ボディーソープやシャンプーのいい香りはそれだけでリラックス効果がある気がする。リリシアが気に入ってくれるか分からないが、妹が絶賛し、愛用していたものを買い揃えたし悪いものではないはずだ。
「ねえ、マスター、私には何かないの?」
「…また今度な。」
イヴには…ケーキでも買ってあげるか。記念日とかにバーンッと出すのがいいかと思っていたのだが。
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