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2.ダンジョンマスター

 ダンジョンマスターの就職勧誘を受けました。


 「ダンジョンマスター…ですか。」

 「そう、ダンジョンマスター。簡単に言うと、ダンジョンをより堅固に、より強力に、より壮大にするために、ダンジョンを開発・運営していく者よ。」


 要するに、ダンジョンの経営・運営をするマネージャーみたいなものらしい。ダンジョンコアを心臓部とするならダンジョンマスターは脳と言えるかもしれない。


 「ダンジョンコア…さんがやっていたのではないのですか?」

 「今までは、そうだったのだけど、このダンジョン全然来訪者がなくて…。それで、魂の融和性が高い人に知恵を貸してもらおうと思ってこうして呼びだしたの。よかったら、お願いできないかしら。無理強いはしないけれど…。」

 「…断ったとして、これからどうなりますか?」

 「別に獲って食べたりはしないから安心して。んー、そうねえ。元の世界に戻すことは出来ないし。この世界を生きてもらうことになるかしら。ただ、さっきも言った通り、ここは幽霊船。つまりは海上にいるわけだから、どっか適当な島で降りてもらうことになるわね。そこまでは送り届けるけれど、その場合代わりと言っては何だけれど、私の頼みごとをひとつ叶えてもらうわ。」

 「やはり、元の世界に戻ることは出来ないんですね。」

 「ごめんなさいね。」


 (戻れないのは残念だが、一度死んだはずなのに蘇るのはおこがましいか…。この世界のことを何ひとつ知らないし、ネット小説の転生物語のようにチート能力があるわけじゃないから生活を1から組み立てるのも厳しいか…。……よし。)


 「わかりました。ダンジョンマスターの任を受けることにします。」

 「…え、いいの?」

 「ええ。まあ不安がないわけではありませんが、あなたに拾ってもらった命ですし、俺にできることなら手伝わせていただきます。」

 「本当に?ありがとう♪」


 「これからよろしくお願いします。ダンジョンコアさん…?」

 「よろしくね、ダンジョンマスター。私には名前がないから、好きなように呼んでいいわよ。寧ろ名前を付けてくれると嬉しいわね。」

 「名前、ですか。確かにダンジョンコアじゃ可愛げがないし、ええと…そうだなぁ。ダンジョンコアさんは女性ですよね?」

 「えぇ、性差はそこまで重要ではないけれどどちらかといえば女よ。」

 「…どちらかと言えばって…。では、イヴっていうのはいかがでしょう?」

 「あら、なかなかいい響きね。気に入ったわ。」

 「では決まりで。よろしくお願いしますイヴ。」

 「それで…あなたの名前は?」

 「朽木修一です。好きなように呼んでください。」

 「了解よ、マスター。それと…タメ口でいいのよ?」


 こうして、修一はダンジョンマスターとなった。

ご閲読ありがとうございます。


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