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28.リリシアの生い立ち

説明足らずで、すっとばした印象になったらすみません。


あまりにひどいようでしたら、書き直したいと思います。

 朝食の席にて、今までで一番元気なリリシアを見られた。やっぱり女の子に甘いものは効果抜群だ。


 朝食を食べた後、修一は急に切り出した。

 「それで、龍族であり貴族でもあるリリシアがどうして、家を出て、さらには矢を撃ち込まれることになったんだい?」

 「え!?何で私が貴族だって――。」

 「そんなに難しい話じゃないよ。イヴに聞いていたこの世界の文化水準を踏まえて、社会の成熟度を考察すると、リリシアの歩き方やカトラリーの使い方、その他諸々に出てる教養の高さから貴族じゃないかと思っただけ。」

 「そ、そうですか…。」

 「ふふふ。私の時といい、相変わらず気持ち悪い考察力ね、マスター。」

 「気持ち悪いってひどいな…。限度は弁えているつもりだけど。」

 「わかっているわよ。それを含めて気持ち悪いって言ってるの。」

 さもありなん。弁明の余地もない。


 実際のところ、この世界の社会の成熟度はおろか、龍族のことだって碌に知らないため、貴族ではない可能性も大いにあったがカマをかけたのだった。結果的に、修一の勘もとい観察眼は正しかったようだが。


 その後、リリシアはこれまでの経過と、自らの生い立ちについてぽつりぽつりと話し始めた。


 彼女は龍族のとある貴族の三女であるが、側室の子供であるらしく、正妻や兄姉とうまくいっていないらしい。父は大切にしてくれるが、多忙なため会うことさえままならず、母が亡くなってからは、扱いはさらにひどくなり、常に追い立てられるように暮らしていたという。


 そんな生活に耐え忍びしばらくが過ぎたころ、大きな転機が訪れた。

 世界を股にかけるとある冒険家が、たまたまファルジール領を訪れていた時に出会い、親しくなったそうだ。


 「世界のことを色々と教えていただきました。私にとっては、友であり師であり家族のような人です。」


 しかし2週間前、その人の行方が分からなくなったとの情報が入ったそうだ。

 いてもたってもいられなくなったリリシアは、家を飛び出し、その友人を探しに出た。矢を射られたのは、海を渡ろうとした途中で海賊に襲われたのだということだ。


 「なるほど。それじゃあリリシアは、これからその人を探しに行くのかい?」

 「行きたいです。とても大事な人ですから、もし危険な目に遭っているのならば私は自分を賭してでも助けたいです。…ただ、最初は勢いで飛び出してきましたけど、龍族というだけじゃ生き残れないことも痛感しましたし、情報もほとんどないので正直なところやりきれる自信がないです。それに…。」

 「…その人が危ないっていう情報が偽物の可能性が高い。」

 「――え?」

 「どういうことマスター?」

 「…あくまで可能性の話だけれど、一連の事件がリリシアをよく思わない人達の謀り事である、ということだよ。友人の音信不通、リリシアの旅立ち、海賊との遭遇。仕立てられたストーリーのように一本につながる。」

 「そ、そうかしら?」

 「それぞれに気になる点もいくつかあるしね。

 まず、その友人とは定期的に連絡を取っていたにせよ、相手は旅人だ。期間が空くことは珍しくないだろう。なのになぜ、行方不明になったことがわかったんだろうか、ということが一点。

 次にリリシアの旅立ち。いくら先を急いでいたとはいえ、一人ではいけないことは最初から分かっていたはず。おそらく、出立時は協力者がいたんじゃないかな。そして何かの折にいなくなった。

 最後に海賊だ。あの矢は相当に強力なものだ。一般の海賊が持っているとは考えにくい。仮に持っていたとしても、わざわざ龍族を討とうとするとは思えないし、百歩譲って討伐目的とするなら、リリシアの死体を剥ぎに来ているはずだ。」

 「…どうなの?リリシア。」

 「はい、修一さんのおっしゃる通りです。今考えればですが怪しいなと思うところはあります。行方不明になったからと言って、あの人たちは教えてはくれないと思いますし、確かに最初は案内役のお付きの者がいました。」

 「え、そうなの?マスター、よくわかったわね。」

 「貴族としてお付きの者を付けないのは周囲から非常識と言われかねないからね。」

 「まさしくその通りです。それに、付き人とはぐれてすぐに海賊に襲われたのは偶然じゃないかもしれません。」

 「聞けば聞くほど黒いわね。リリシア、その友人はどんな人なの?」

 「ええっと…。物知りで優しい方です。それに闘ったら相当強いともおっしゃっていました。龍族である私も相手にならないそうですよ。」

 リリシアが懐かしむように楽しげに話す。


 (身内からの謀り事なんて精神的なダメージも大きいだろうけど、元気そうで良かった。でも気丈にふるまってないか注意しないとな。)

 そんな様子を見ながら、修一は一安心していた。美女に嬉しそうに話されるそのご友人に少しの嫉妬心を覚えながら。

ご閲読ありがとうございます。


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