27.サンドイッチとコーヒー
朝、目を覚まし、美人とあいさつを交わす。微笑む。うん、元気が出る。
朝食も和食派の修一だが、今日は負傷中の左手が使えないため、パンにすることにした。また、頭をすっきりさせるためにコーヒーが飲みたい気分でもあったのだった。
【スキル】のアイテムストレージから材料を取り出し、BLTサンドイッチを作り、インスタントコーヒーを入れる。レタスやトマトは、水魔法のウォーターカッターを使って切った。はじめのころはまな板まで切らないよう加減するのに練習を要したが、今では完璧だ。
コーヒーについては、本来ならインスタントのものではなく、ドリップコーヒーにしたいが、コーヒーミルどころか、コーヒーメーカーもないので、今は我慢となった。
「ふぁぁ…とってもいい香りですね。」
「コーヒーという飲み物だよ。少し癖の強い飲み物だけど、慣れると美味しいよ。」
「ふふふ、楽しみです。」
「ほらマスター早く。それは新しい飲み物ね?それも頂戴。」
「はいはい。それじゃ、イヴはお先にどうぞ」
騒がしいイヴ用に、一足早くサンドイッチとコーヒーを用意する。
「ふふ、いただくわ。」
イヴはそう言うと、サンドイッチとコーヒーを同時に吸収した。そして、
「――にっがぁぁい。」
自爆したw
「あはははっ!」
「ちょ、ちょっとマスター!これ何!?すっごい苦いんだけど!」
「コーヒーだってば。その苦みが美味しいんだよ。」
「なにそれ!信じられない!」
「あははは。食い意地張るからだよ。」
「もう!」
「さ、リリシア、どうぞ」
準備ができたので、二人食べ始める。
「ふふふ。ありがとうございます。」
リリシアが小さい口でサンドイッチにかぶりつく。口元を手で抑えながらもぐもぐする姿は小動物的でかわいらしい。
「わぁ…おいしいぃ。こんなに柔らかいパンは食べたことないです。それにこのおソースも、まろやかだけど酸味があって奥深いですね。とっても美味しいです!」
「気に入ってくれて良かった。よかったらコーヒーもどうぞ。」
「は、はい…。」
緊張した面持ちで、リリシアがコーヒーを啜る。少しだけ顔を顰めた。
「……お、美味しいです。」
「無理しなくていいから。本当は?」
「…すみません。苦いです。」
「はい、よく言えました。」
笑いながら修一は、アイテムストレージから二つの小瓶を取り出した。
「マスター、それは何?」
「ヒミツ。」
そう言いながら修一は、リリシアのカップに小瓶の中身をたっぷり入れる。
「はい完成。もう一回だけ飲んでみてくれる?」
「は、はい。」
ちらちらとこちらを伺いながらも、リリシアが再びコップを傾ける。
「――美味しい。美味しいです!」
「ええ!?ホントに!?何で!」
「本当です!甘くなりましたっ。でも苦くて…でも甘くて、とっても美味しいです!」
「あははは。砂糖とミルクだよ。苦みを抑えられるしコーヒーによく合うんだ。」
「すごいです、修一さん!」
こうしてのんびりと朝食を楽しんだ。もちろん、イヴには砂糖・ミルクたっぷりのコーヒーをせがまれている。
手を抜いた朝食ではあったが、リリシアも喜んでくれたし良かった。
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