表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/92

26.優雅な朝

 黒バンから出てきたのは、ヤの人ではなく、麗しきお嬢様でした。

 因みにこの世界の名前は、『称号=名=氏=爵位=出身国』となっているそうだ(後ろ2つは貴族が爵位を誇示するときに使う)。


 一度の覚醒を経て迎えた次の朝、目を覚ました修一が自室の扉を開けると、

 「おはようございます、修一さん。もう立ち上がって大丈夫ですか?」

 美女がソファに座っていた。


 「おはよう。もう大丈夫。リリシアはよく眠れてる?」

 「はい、とっても。いいソファですね。」

 修一は、その人とあいさつを交わす。

 どうやらこの3日間、彼女はロワーデッキの中央スペースにあるソファで寝ていたらしい。


 彼女は上記のように(よく眠れたと)言っているが、そんなことはないだろう。後で、来客用のベッドを購入しよう。いや、俺の寝具を買うべきか。

 余っている部屋は、船後部の物置しかないため、小さなベッドしか置けない。客人をあの狭い部屋に押し込めておいて、自分一人で広い部屋を占領は出来ない。


 ところで、リリシアと呼び捨てで呼んでいるのは、そうしてほしいと彼女から打診があったためだ。いきなり女性を呼び捨てできるほど、修一は軟派ではない(コミュ力が高くない)


 「左手はいかがですか?」

 「大分良くなってるよ。痛みももうほとんどない。」

 「そうですか…本当に良かったです。」

 この回復力は魔人族ならではだろうし、人間を卒業してよかった。

 修一はほっと胸を撫でおろす彼女を見て笑みをこぼした。


 「マスター、朝ごはんにしましょ。ここ3日何も食べてないからお腹がペコペコだわ。」

 船内にイヴの声が響く。

 君はもう少し心配してくれてもいいのに。


 それに、

 「お前、食事必要ないだろ…。」

 「…ここのところ毎日食べていたから、習慣になっちゃって。」

 イヴの言う通り、彼女は毎日3食デザート付きで食べていた。ダンジョンポイント節約のために、この世界の材料でも自炊を始めた修一だが、そのこともあって努力が報われているのかは疑問だ。まぁ、基本的に肉か魚を焼いて、スープと合わせる手抜きの男料理なのだが。


 「…まぁいいや、朝食にしようか。」

 これ以上言っても意味がないことを知っている修一は、朝食の準備に取り掛かることにした。

 「お手伝いします!…何もできませんけど…。」

 リリシアはそう言ってくれたが、どうも家事が苦手らしい。まぁ、これで家事も完璧だったら、すぐに求婚してしまいそうなのだが。


 一応彼女の名誉のために捕捉をすると、彼女が家事が苦手な理由の一つは龍族であることが関係している。龍族は一般的に龍の姿でいることが常態のため、炊事洗濯などが不要らしい。この3日間ひいては家を出てからの2週間も、龍の姿となって魚などを捕食していたとのことだ。

 一方でここに、龍族が人化の魔法を有している理由も帰結する。つまりは、料理をはじめ、家事をするためだということだ。

 確かに龍の姿では細かい作業はできないため、料理はろくに作れないだろう。


 閑話休題(それはともかく)、修一は朝食の準備を進めるためギャレー(キッチン)に向かうのだった。

ご閲読ありがとうございます。


誤字・脱字および誤用等ございましたらご指摘ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ