18.異世界クッキング
本当に美味しいものは、好みを凌駕します。
なので、お子さんにも本当に美味しいピーマンとか食べさせてみるといいかもしれません。責任は負えませんが(笑)
ビギナーズラックにて爆釣。
食べられる魚が釣れたので、今日の夕食にすることにした。
そして、ついでに【マーケット】で、食材や調味料を大量に購入する。調味料は値段が張るが、食材のほうは価格倍率が低いので、買いやすい。こちらの世界の食材も幾つか分析魔法を使いつつ買ってみたが、慣れるまでは向こうの食材が中心となるだろう。
さて、夕食の献立は、異世界アジのフライと異世界タイの鯛めしだ。
向こうの世界でも、炊事担当は修一だったので、料理の経験がある。魚をさばいたことも一度や二度ではなかった。
まずは鯛からさばく。血抜きは既に済んでいる。【スキル】炯眼のおかげで神経締めが簡単にでき、血抜きもスムーズに行えたのだ。
小ぶりなので、ドカンと一尾鯛めしにすることにする。
鱗をしっかりとはぎ、えら先を切り開いて、かま下から尻まで切り開き、内臓を取り出す。血合いに包丁を入れた後、清水で綺麗に洗い、水気をよく切っておく。これで完了だ。
次にアジをフライ用に背開きにさばく。氷締めしたアジをとりだし、鱗をはぎ、ゼイゴをとる。胸びれ、腹びれが頭側につくように包丁を入れて中骨を断って頭を切り落とし、鱗と血合い洗い、よく水気を切る。水気がとれたら、背から中骨に沿って包丁を入れ、尾まで切らないよう注意しながら、身を開き、裏返して包丁を入れ、中骨を切り離し、最後に腹骨と背びれを剝げば完了となる。
これを3枚作った。
魚の下処理が完了したので、料理に移ろう。
お米を2合磨ぎ、昆布だし・みりん・酒・醤油・生姜で作っただし汁にいれ、30分程度水を吸わせる。
その間に、鯛に塩をふり下味をつけ、出てきた水をふきとってから、BBQコンロで軽く炙っておく。
30分後、ご飯の上に焼きあがった鯛を乗せて炊いていく。沸騰するまでは強火、沸騰したら弱火にして10分間炊き上げる。仕上げに三つ葉を散らして少し蒸らせば完成である。
続いてはアジのフライだ。開いたアジに塩で下味をつけ、薄力粉をまぶし、卵に浸し、パン粉を付けて、180℃の油で揚げていく、身が浮き上がってくれば完成である。
ついでに、あら汁もちゃちゃっと作った。
*****
「いただきます。」
まずは、あら汁から。ずずっと啜る。あらが少なかったため味が出るか心配だったが、ちゃんと美味しい。
安心する味だ、修一は、ほっと一息つく。
続いて、アジのフライにかぶりつく。サクッと心地よい音がたまらない。熱とうまみが衣で包まれ、凝縮された豊かな味わいがさっぱりとした醤油によく合う。これまた旨い。
そして、鯛めしをかきこむ。うん、間違いない。鯛とお出汁の上品な味が米に染みわたって深い味わいを作り出している。生姜が利いているのだろう、生臭さは全くない。身もホクホクでふわふわだ。さっきまで海を泳いでいた魚たちだ、鮮度が違うからか向こうで食べていた魚より、肉付きがしっかりとしているというか、とても身が細かい気がする。
「―――…スター。マスターってば!」
(おっと、あまりのおいしさにトリップしてしまっていた——。)
「あぁ、ごめんイヴ。おいしくてつい。どうしたの?」
「そんなに美味しいの?ゴクリ…。わ、私にも食べさせてよ。」
「えぇ~。」
「…じゃないと、勝手に吸収するわよ。」
「仕方ないな。分けるから待ってて。」
「早くしてよね。ほら早く。」
「はいはい。」
食いついてくるのは、牛丼の一件からも想像できたし、もともと多めに作ってたんだけどね。お米3合は流石に1人じゃ食べきれない。
「はい、どうぞ。」
「ふふ。ありがとう。―――わぁ、美味しい…。なんだか優しい味ね。さっき修一が息ついていたのがわかる気がする。」
「こういうのをおふくろの味っていうんだよ。」
「ふふふ…なるほど、ぴったりな表現ね。」
相変わらず、イヴはおいしいものを食べると元気になるな。普段は、クールというか、落ち着いているイヴがはしゃぐ姿が見られるいい機会だ。
「…何よ。」
おっと、温かく見守っていたら、お気に触ったようだ。
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