17.釣りに挑戦
今更ですが、DP計算は概算です。
今後、余裕ができれば残額計算もしなくなると思います。
牛丼はす〇家派です。チーズ牛丼とおろし牛丼が好きです。
船を改変した翌日、修一はクルージングライフの定番、釣りに挑戦することにした。
というのも、釣った魚は食料になるし、ダンジョンに吸収させれば多少なりダンジョンポイントが稼げる。絞めたときの殺傷ボーナスも得られるだろう。
それにこの炎天下でのんびりとする釣りは気持ちよさそうだ。このように釣りは色々な意味で美味しいのだ。
【スキル】船舶知識を使ってみると、釣りの知識を得ることができた。直接に船に関係することではないが、やはり切っても切れない関係にあるのだろう。スキル熟練度が②になったおかげなのかもしれない。ダメ元で試してみて良かった。
船種変更の時も散々お世話になったし、今のところ一番重宝しているスキルである。
その後、【マーケット】で釣り竿やリール、疑似餌などを買う。初心者用タックルというものがあったのでそれにした。タックルボックスも準備されていたり、リールが既に巻かれていたりなど親切設定になっており、竿もそれなりの大きさの魚でも釣れるというので選んでみた。計5万DP――意外と値段が張ってしまったが、元を取れるように頑張ろう。
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まずは、一投目。フォアデッキに立ち、刀を振る要領で竿を振ってみた。
シャァアアア。心地よい音を奏でながらルアーは跳んでいく。
(お、意外にきれいに飛んだ。)
そして着水。
海底に着いたのを感じた後、何度かしゃくってリールを巻いていく。
するとすぐさま、竿に軽いテンションがかかった。あたりだ。
「おぉぉ!?」
ぐっとロッドを立てると、大きく竿がしなり手に重みが乗った。
「のったぁぁぁあっ。」
急いで左手でリールを巻いていく。初めてのリール巻きなので少々覚束ないが、何とか巻き上げていく。焦らずに、しかし常にテンションがかかるように注意を払う。手に伝わる重みはさほど大きなものではないが、初めての釣果に期待が募る。
そして巻き続けて数秒後、何とか吊り上げることに成功した。食いついた魚がそれほど大きくないのが功を奏したようだ。
釣れたのはアジのような魚だ。分析魔法によると、パートシパトという名前らしい。食用に適しており、一般的に食される魚とのことだ。うん、ほぼアジだ。
アニサキス等の寄生虫も気になるし、異世界の魚を約1分間、全身をにらみつけるように観察していると――『状態良好。一般的ではないが生でも食せる。』という情報が加えられた。どうやら分析魔法の熟練度がレベルアップしたらしい。
修一はその後もしばらく釣りを続け、先ほどと同じ異世界鯵の他にも鯛のような魚やカサゴのような魚などを釣り上げ、上々と言えるほどの成果を上げた。
これがビギナーズラックというやつか、はたまた異世界の疑似餌が利いたのだろうか。初めての釣りは大成功、大変楽しく行うことができたのだった。
食用分に安全な魚を数匹残し、ダンジョンに吸収させると、4000DP増えていた。額的にこそ大したものではないが、初めて自分で稼いだダンジョンポイントである。感慨深いものがあった。
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