13.トランスフォーム
現実でも自分の能力を数値で知ることが出来れば便利なのに。
数値の低さに震えるのがオチか。
「今日は、ダンジョンの改革を進めます。」
「この前もそう言っていたわよ。どっかの誰かさんが魔法で遊び始めたけど…。」
イヴが揚げ足を取ってくる。
悔しいが事実なので何も言えない。
なので、黙って行動に移ることにした。
まず、罠やモンスターの回収・DPへの還元である。メニューの【編成】で確認した感じ、残りのモンスターのレベル/ランクもなかなか高いし、大きいダンジョンなので罠もそれなりの数が期待できる。ダンジョンポイントに還元してしまうのは少しもったいない気もするが、誰も近寄らないんじゃ無用の長物でしかない。
そしてそれから30分程無心になって還元作業を行った。
指先で簡単に操作できるのはいいのだが、ひとつひとつやる必要があったから時間がかかってしまった。因みにイヴに頼もうとしたら、反応しなくなりました。
しかしながら、苦労の甲斐あって回収できたダンジョンポイントは、136万DP。寧ろ、30分で136万ってすごいな。
今回はダンジョン探索の時とは異なり、完全還元になるため価格が高くなり、ここまで集まったとのことだ。聞けば、討伐では1500DPだったカーズアーマーだが、還元では8万DPになっていたらしい。
…惜しいことをした。
今回は船種も変更するので、幽霊船自体をもポイント還元できるとのことだ。幽霊船ってことだけあって見た目こそボロボロだが、かなりの大きさだし、期待が募る。
変更に選んだ船種は、クルーザーだ。速度に秀でて、居住しやすい。まさに“逃げられる+籠れる船“の条件に一致するし、大きさや形も多様にあり、カスタムしやすいのも利点だ。ジーベック船や安宅船などもロマンがあるが、やはり現代技術には敵わないし、戦艦や潜水艦なども迷ったが、別に誰かと戦いたいわけじゃない。寧ろ、平和にのんびりと暮らしたいと思いこのチョイスになった。何よりクルーザーには男の夢が詰まってる。
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船種の変更は、イヴへの念写で行えた。
船を具体的にイメージする。といっても【スキル】の船舶知識のおかげで、多様な船のイメージが出来るため、脳内パンフレットから選ぶような感じだった。
ダンジョンポイントが足りるか心配だったが、どうやら問題ないようだ。
伝えたのは大まかな設計だけなので、細かい修正は後ほど必要になるだろうが、ダンジョンの内部変更はかなり融通が利くそうなので問題ない。現実じゃこうはいかないだろうし、ダンジョン様様だ。
また、経費が抑えられるよう、代替できそうな部分をイヴと相談しながらやったのも大きいだろう。材質にミスリル、動力源に魔法石等…見事な異世界仕様になった。もっとも、動力源の魔法石は前船のものをそのまま流用するのでその分の経費は0だ。
「アップデート完了まであと8%。」
胸の高鳴りが止まらない。
「アップデート完了。変更点を同期します。」
いつになく真面目口調のイヴがそう告げたとき、まばゆい光に照らされ、修一は思わず目を瞑った。
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