《緑がいっぱい》兄ちゃんとして……
次はすごいことが起こる予感が~~。
(うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!)
僕は、決死の覚悟で孔明くんと言う、可愛ゆきお姫様であり、可愛ゆき王子様でもある存在を守るため、ポルターガイストを振るう。
(o゜▽゜)o「ハッゥ、ハッ」
後ろでは、ポルターガイストによって、様々に、軌道を変えるゴキ…ブ……リン……を隙あらば、捕まえようと目で追う孔明くんがいる。
絶対に隙を作るわけにはいかない。
(まだ〖それ〗と〖そいつ〗の存在が怖くて、〖そいつ〗らの名前を考えると、恐怖が走っちまう)
さすがは、人類の黒き精神敵である〖それ〗に似ているだけある。〖それ〗の本名をゴブリンと合わせただけでは、呼ぶことすらも困難とは、やはり、恐るべき存在共だ。
(〖それ〗の姿に似ているだけあって、脅威的だよな〖そいつ〗ら共は……)
〖そいつ〗や〖それ〗は、姿を見れば目が穢れる。
〖そいつ〗や〖それ〗は、動く音を聞けば、耳が穢れる。
〖そいつ〗や〖それ〗は、触れるだけで、触れたところから、腐っていく。
(ぬおおりゃ!!!)
そんな恐怖を抱きながら、ほとんど、力がでないポルターガイストで、懸命に〖そいつ〗らを押し返す。今、僕の中にあるのは、孔明くんへの愛だけである。
恋愛とか、そんな愛ではない。
兄として、弟を助けようとする家族愛、兄弟愛といったものだ。
ブアアアッ
ブアアアッ
ブアアアッ
(何百来ようが同じだああああ!!!)
僕は、向かってきた三匹を迎え撃つ。
(ふんぬッ…)
まず、先に向かってきた〖そいつ〗を弾き、右斜め後方からくる〖そいつ〗にぶつけた。〖そいつ〗ら二匹は、もつれ合って落ちていった。
(もう一匹!)
横をすり抜けて、孔明くんのところに行こうとしていた〖そいつ〗を弾く。しかし、〖そいつ〗の体は、そよ風に吹かれたように揺れると、また、後ろの孔明くんを目指し始めた。
(弾けなくなって……うっぷ……)
突然、酷い頭痛がした。頭はないが、頭痛に近い感覚だ。
そして、そのまま、ユラユラと地面に向かって、ゆっくり自分の体が落ちていくのが、感覚で分かる。
(;・д・)『………!!!』
(こ………うっめいィ)
ブアアアッ…
先ほどの〖そいつ〗が孔明くんに迫る。
すると、孔明くんは、上を向き……
(●`ω´●)《フシュッ》
そんな短い鼻の音と共に、桃色の煙が孔明くんの鼻の穴から噴きだした。今度の煙は、孔明の後ろのものより小さい。孔明くんの頭くらいの大きさだ。
《トゥニャプー》《トゥニャプー》《トゥニャプー》《トゥニャプー》《トゥニャプー》《トゥニャプー》《トゥニャプー》
そんな、この悲劇的な場面で、場違いな音を立てる桃色の綿あめの中に、向かってきた〖そいつ〗が入っていった。そして、まだ残っていた〖そいつ〗らも、その煙に集まり始めた。
どうやら、孔明は〖そいつ〗らの進路を変え、一カ所に集めたようだ。頭がいい。
(ゲ………ン、か………ぃ)
孔明くんをポルターガイストで抱え上げるのが、無理になった。
だが、このまま、ポルターガイストを解除すれば、孔明くんが落ちて、怪我をしてしまう。孔明くんは僕みたいにゆっくり地面に落ちてくるわけではないのだ。草がクッションになるが、それでも、安心できない。
(ゲァ……マ………ン)
《我慢》と思いながら、ゆっくり孔明くんを降ろす。後20cmという高さで、ポルターガイストが切れてしまった。
孔明くんは多々良を踏んだが、何とか、着地には成功した。草よありがとう。
(;゜д゜)『!!!』
(う…ねんへ)
《ごめんね》と思考したが微睡み、意識を保つことができなくなっている。
そんな中で、草と天使の足が擦れる音がする。その音はだんだん大きくなってくる。
((((;゜Д゜))))《カフッ》
孔明くんは、慌てて、僕を咥え上げると、寝床に向かい、疾走する。
僕は僕のことを心配してくれる天使の姿を見られて、人生の幸福とはこのことかと実感した。
しかし、それはすぐに崩される。
(アァ!!孔明くんの御御足が!!!)
その時は、さすがに意識がはっきりした。孔明くんの足が、這っている〖そいつ〗を踏んだのだ。
(マ……た……)
孔明くんは、また這っていたそいつを踏んだ。
寝床にたどり着くまで、5匹は踏んでいた。
(・_・;)『ペロンペロ』
(にゅふ………ふ)
寝床にたどり着くと、孔明は僕を敷き詰めた草の上に置いて、ペロンペロをしてくれた。
少し元気になった気がする。孔明くんのペロンペロには、きっと、誰かを癒す魔法のような力があるのかもしれない。
ヽ(;▽;)ノ「ハッス、フ!!!」
そんな変な鳴き声を上げて、僕をペロンペロしてくる。きっと、僕の体調が良くなったのを感じたのだろう。可愛ゆき奴だよ。
(よっこらせっ)
僕は、自分の霊魂に喝を入れて、孔明くんの横っ腹のもふもぉふに自分の霊魂を沈めた。
そして、もう一つのスキルである白海潜航が起動する。
このスキルは、孔明くんのもふもぉふに自分の霊魂を接触させることで、発動するスキルである。この白海潜航の発動は、孔明くんのもふもぉふに接触することで、自動で行われるスキルで、ポルターガイストのように精神力や、集中力が必要ではないことが良いところだ。
(よしっ)
頭痛が治まってきた。しかし、飛行がまだ安定していない。
(*´ω`*)《ペロンペロ、ペロンペロ》
孔明くんは、僕が白海潜航を利用している間、横になって、こっちをずっと心配して見ていたのだ。どうやら、僕が更に元気になって、安心して、ペロンペロをしてきたようだ。
(今は、安静にしてるか……)
それにすごく眠い。疲れが溜まりすぎたようだ。僕は、孔明くんが少しでも、不安にならないように、孔明くんの耳と耳の間にヨロヨロと着地した。顔に近い方が孔明くんが僕がいることを感じられると思い、その場所を選んだのだ。
(こいつめ~!)
そう思考し、僕は霊魂を使って、孔明くんの耳をコチョコチョする。
孔明くんが不安にならないように耳と耳の間を選んだのではなく、単にくすぐりたかったから選んだのだ。
(>o<)《ブワフッブワフッ》
そんな音を出して、孔明くんが体を震わせる。
通称、ブルブルといわれるものだ
(孔明のせいで、えらいめにあったんだからね!)
(-- )「……」
孔明が〖そいつ〗を捕まえようとしたり、恐ろしいことにも食べようとしたりしたから今回の事件は起こったのだ。
(あっ……)
だが、僕は大きなことを忘れていた。今現在、僕たちは、食べ物を持っていないのだ。僕は何か食べなくても大丈夫かもしれないが、孔明くんは、違う。
(もしかして、孔明くんはお腹がすいてたのかな?)
だとしたら、〖そいつ〗を食べようとしたことは2割は理解できる。8割はできない。食べようとしたのが、〖それ〗に似た〖そいつ〗だからだ。
(孔明、気づいてあげられなくてごめんね…)
僕は、そう反省して、孔明くんの耳を全霊を持って、ムニムニする。
( ̄∇ ̄)『フネ~』
そんな気持ち良さそうな顔をする妖精を見ると僕は悶えだしてしまった。
(むひひひゅひひへふゅひひ)
( ̄△ ̄)「ハァ……」
(あれ、何でため息なんて吐くの?)
僕は、その後30分ほど、孔明くんのもふもぉふの中に潜り込み、頭痛とおさらばした。
(あの火山、どうしよう)
あの《緑がいっぱい》の火山をどうにかしなくてはならない。僕が安全と安心のために、引っ越しを考えていると……
(・ω・)「ゥワッフ」
そう孔明くんが鳴いたとき、《緑がいっぱい》の火山から軽快で陽気でハイテンションな音の鳴るおもちゃのような音の奏でる曲が聞こえてきた。
する………おそらくね♪