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神愛転生  作者: クレーン
第一章
8/210

008話:武術の加護でスパルタン

この世には「神の祝福」と「神の加護」と呼ばれるものが存在する。

が、その前に神の種類について説明せねばならない。


俺に新しい体と数々の能力を与えてくれた五大神様たちは、神の中でも最上位につく「主神」と呼ばれる存在である。

そしてその下には森羅万象を司る、俺の目の前で宴会してる無数の神々たち「上神」がいる。


そして実は更にその下に、各世界に存在する知的生命体の信仰によって生み出される「偶像神」と呼ばれる神が存在しており、下界と天上界の間にある世界「天界」にその居を構えている。

ちなみに天界は下界と同じ世界に存在しているので、各世界にそれぞれの天界が存在することになる。


偶像神はその名の通り、人々の信仰のイメージが具現化、偶像化した神であり、個別名称が付いているのが特徴である。


俺のいた地球で信仰されていた色んな神々たちも、実は地球上にはちゃんと存在しているらしい。


で、その偶像神だけど、神と言えば神なんだけど、実は神としては半人前らしく、人々の信仰によって神力を維持できる存在なんだそうだ。

つまり信仰者が一人でもいなくなれば消滅するという、結構シビアな環境下に置かれている神でもある。

しかし多くの信仰を集め、その行いを上神に認められれば神格を上げて、認めた上神の「後継神」へと昇格できるのである。

主神もまた然り。


ちなみに後継神に次代を明け渡した神は、この天上界の更に上にある「神天界」と呼ばれる世界に行くそうだ。

そこに行った神がどうなるのかは、天上界のどの神も知らないらしく、時空神様でさえ神天界には行けないそうだ。

神の天国……実に興味ある。


とまぁ、ざっくりと神の説明をしたところで「神の祝福」と「神の加護」に話を戻そう。


「神の祝福」とは、神の信仰を偶像神に認められ、その偶像神の眷属として認められること。

簡単にいうと「偶像神公認の称号」のようなものだ。

まれに上神が祝福を与えるケースもあるらしく、それは偶像神の祝福よりもレアなケースである事を付け加えておく。


それに対し「神の加護」とは、上神にまつわる力の一部をその身に宿し、その力を行使できることを指す。

つまり神の加護を得るという事は、神の眷属としても所謂「祝福持ち」よりも上位の位置にあり、神に愛された存在となるのである。


ちなみに上神の加護を得た人間は、その神格としては偶像神と同等の扱いとなるそうだ。


で、目の前の大勢の神々たちがギラついた眼で俺を見つめているワケであります。




「という事で蒼馬くん、好きな神の加護を得るといいよ」


いやいや世界神様? そう簡単に仰いますけどね?

一部とはいえ、神の力を得るってのは大変な事なんじゃありませんか?

正直、この肉体改造による強化と数々の能力だけでゲップが出そうなくらいなんですけどね。


「ホッホッホ、まあそう言わずにの」

「そうそう遠慮は無用だよ」

「でもあちしら五大神の加護だけは与えられんだわさ」

「オレらの力は人間の身には余る力だからな! ガハハハハ!」


いやいや、そんな世界を創って、生命を生み出し、その生命を死なせて、時空を操って、全てをぶっ壊す力なんて絶対要りませんから!


「しかし……これだけの数の神様たちから選べと言われても、どういう基準で選べばいいのか……?」

「ふむ、確かに与える加護を無制限というのも少々過剰ではあるね」


世界神様がサラっと怖い事を言う。


「そういや蒼馬は四十歳で死んだんだっただわさね?」

「え? あ、ハイ。そうですね」

「ではこうしよう!」


死神様の言葉に肯定した俺の言葉を聞いた時空神様から一つの提案が出た。


俺は四十歳で死に、五大神様たちによる肉体改造によって十五歳の体を得た。

そこで、その年齢差、二十五をポイントとして換算し、まずこの肉体改造&基本能力パックで五ポイントを消費。

残り二十ポイントを使用して、上神から加護を得るというものだ。


「基本は一加護で一ポイントを消費だが、加護の種類によっては二ポイント消費もあるので注意してくれたまえ」


世界神様から消費ポイントの注意点を述べられたわけだが、さてどうしたものか?

とりあえず、まずは基本の戦闘系からいってみるか?


「では戦闘に関する加護を得たいので、まずは格闘技の神様とかっていらっしゃいますか?」

「ガハハハハ! それなら俺の弟が適任だな! おい! 武神!」


え? 破壊神様の弟?

武神と呼ばれた、白い道着を黒帯で締めた、破壊神様に負けず劣らずのマッチョな体の大男が目の前に現れる。


「……私の加護を得たいというか? 理由を聞こう……」


外見に似合わず優しい声をしてるな。

しかし理由か~ さてどう答えたものか?


……ええい! どうせ思考が読まれるから思った事を素直に言おう!


「まず五大神様たちから授かったこの体は多分俺の身には有り余る力があると思います。だからそれを上手く制御できる技術が欲しいからです! あとは純粋に武術への憧れです!」


やはりこの身体能力は普通に考えてかなり危険だ。

それこそきちんとした技術が無いと無益な殺生をしてしまう可能性が非常に高い。

それとやっぱ俺も男子なんだ。

子供の頃に観たカンフー映画の主人公に凄く憧れたんだよね。


「なるほど…… 力を上手く扱える技術と武に対する憧れか……」


武神様は少し考え込むと、そっと右手を俺の頭の上に置く。

すると次の瞬間、俺の体に一度だけ凄まじい鼓動が鳴り響いて体がビクっと震えた。

そして頭の中に得体の知れない何かが流れ込んでくる感触を覚える。


「我が武神の加護、確かに授けた。だが決して慢心せず、体と心の鍛錬に励めよ……」


頭から手を放した武神様はそういうと、破壊神様にも軽く会釈して宴席に戻った。


「ガハハハ! 相変わらず生真面目な野郎だ!」


破壊神様の話では、破壊神様と武神様は、とある世界でそれぞれ「戦神オーラス」「闘神バズロウ」という名の偶像神としてほぼ同時に生まれ、その世界で絶大な信仰を集めたらしい。

で、その功績が認められて先代の破壊神様と武神様の後継神を経て今の地位についたそうだ。

なるほど、だから弟なのか。


「んじゃ早速、加護の力ってのを体感してみようか?」


破壊神様はそう言いながら、先程と同じように俺に向けてその大きな手の平を差し出した。


「今のお前ならさっきの力任せの拳と違って、どう打ち込めば俺をぶっ飛ばせるか解るはずだ! 遠慮しねえで思いっきりやれ!」


俺は破壊神様に言われた通り、先程と同じような構えを取る。

だがさっきみたいな見様見真似のファイティングポーズとは違う。

武神様から授けられた膨大な武術に関する知識が自然と頭の中を巡り、その知識が体中を駆け抜けて体を動かしているのが理解できる。


ゆっくりと……。

静かに……。

俺は静かに軽く握りしめた右拳を破壊神様の手の平に近づける……。


十センチ……。

五センチ……。

三センチ……。

一センチ……。


そして破壊神様の手の平が触れる寸前のところまで近づけて一気に力を叩き込む!!


ドゴッォオオオオオオオオオオ!!


「ぬおおおおおお!!」


先程のパンチとは明らかに違う轟音を鳴り響かせ、破壊神様が五メートルほど後方へ吹き飛んだ。

だが俺は拳を当てたその位置のままだ……。


力任せのパンチとは明確に違う「武」の拳……。

これが武神様の加護の力……。


「ガハハハハ!! いいねいいねぇ~!!」


破壊神様はこのパンチに満足したのか、先程よりも御満悦の様子だ。


しかしこれが加護の力か……。

自然と体が動くだけでなく、頭でも一連の行動の意味が理解できている……。


お? 気付けば視界のAR表示中央下に「!」マークが出てるな。

所謂ポップアップってやつらしい。

どれどれ?

俺が意識するとログウインドウが開く。


>「武神の加護」を得た

>スキル「基本戦闘術」を得た

>スキル「総合格闘術」を得た

>スキル「発勁」を得た


うん、今のが発勁だわ。わかる。


「とりあえずこれで神の加護の力は概ね理解してもらえたようだね?」

「正直、想像を絶する凄まじさです……」


世界神様の言葉に若干戸惑いながらも、俺はそう答える。

慢心する気はないが、正直今は地球の人間相手なら誰にも負けない自信あるわ……。

それだけにかなり危険な力であるのは間違いない。

武神様に言われた通り、心身も鍛えて間違った使い方だけはしないように気をつけよう……。


「では武神の力は上神の中でもかなり大きいので二ポイント消費ということでいいかな?」

「ハイ、問題ありません」


残り十八ポイントだけど、さてどうしようか?

とりあえず無手の格闘術だけではファンタジー世界では若干の不安が残るので、一通りの武具も扱えた方が良いだろうね。


ということで基本的な武具、剣と弓と槍、そして盾のスキルを得たいと思う。

うん、武器だけじゃなく防具も大事。


「おお~♪ 我が剣の舞~♪ その身に宿すというのか~~♪」


うお! 裁縫神様に負けず劣らずのド派手な衣装を着こなし、一本の剣を振り回しながら歌い踊る、いかにもヅカ系の顔をしたお姉さんが現れる。

うん、胸に若干の膨らみがあるから、多分女神様だと思う。


「ホレホレ、剣神よ。剣を振り回すと危ないのじゃ」


うおおおお!

サラサラの金髪に、耳先が尖ったあの姿はエルフです!

しかも幼女のロリエルフです!

その上、語尾が「のじゃ」です!

「金髪のじゃロリエルフ」とかどんだけ盛り込んでるんですか!

ありがとうございます! 心から感謝を!!


「弓神の言う通りでヤンスよ~。剣神、少し落ち着くでヤンスー」

「少し飲み過ぎではないのか?」


あ、ウン、槍神様と盾神様はアナタ達でしたねー。


「ボクたちの扱いが酷いでヤンスー」


あ! やべ! 思考読まれた!?


「まあまあ槍神よ、こやつは人間じゃ。ワシらと違って容姿というのも気になるもんなんじゃよ。その辺りは許してやれい」


おお! 盾神様の寛大なナイスフォローありがとうございます!


「ふん、褒めても与える加護の力は変わらんぞい!」




「では剣神、弓神、槍神、盾神。彼に加護を。あ、ちなみに彼らの加護はそれぞれ一ポイント消費ね」


世界神様の号令と共に、先程の武神様と同じように四柱の神々の力が体と頭に流れ込む。


>「剣神の加護」を得た

>スキル「剣術」を得た

>「弓神の加護」を得た

>スキル「弓術」を得た

>「槍神の加護」を得た

>スキル「槍術」を得た

>「盾神の加護」を得た

>スキル「盾術」を得た

>スキル「盾武術」を得た


あれ? 盾神様から頂いたスキルだけ一つ多いな?

俺が盾神様の方に視線を向けると、盾神様は照れ臭そうに視線を反らす。


「フン! 簡単に死なれては困るから少しオマケしておいてやったわい!」


ウン、ツンデレドワーフでした。


ちなみに各神々からスキルの説明という名の模擬戦を行ったけど一度も勝てなかった。

特に剣神様の本気の剣筋は、この強化された動体視力をもってしても全く見えなかった。

肉体改造と加護で人間離れの力を得てはいるけど、それは俺の人間としての感覚での範疇の話。

神の領域は凄まじく遠いと実感させられた。


「神速の剣は精進あるのみなのさ! 頑張りたまえ! ラララ~~♪」


剣神は芝居かかった台詞を言うと、また剣を持って踊りだした。

ハイ……肝に命じておきますです……。

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