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神愛転生  作者: クレーン
第一章
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005話:五大神様方と御対面

それから飛び続けること数分、体感的には二十分ほどだろうか?

目的地に到着したらしく、死神とその一行は徐々に高度を下げて宴会場の一角に着地した。


「ホイ、到着しただわさ」


死神は掴んでた後ろ襟を手放すと、四人が腰かけている……うん、炬燵だね。

どうみても一メートル×三メートルほどの長方形の炬燵。

そこの空いている席に腰掛けた。


「おお、死神よ、ご苦労であったな」

「ホッホー、こやつが新しい特異点かえ?」

「いやはや、まさかとは思ったけど本当にいるとはねぇ~」

「おう死神、お疲れさん! まあ飲め飲め! ガッハハハッ!」


炬燵の中央、いわゆるお誕生日席に腰掛けているのは細マッチョな中年。

顔はギリシャ神話に出てきそうな掘りの深い顔立ちをしていて、頭には月桂樹の葉で作られた髪飾りをつけている、いかにも神様って感じの人。

テル○エロ○エの主人公みたいと思ったのは内緒だ。


続いて右側に並んで座っているのが煙管を吹かしているお爺さんと、金髪ロンゲでイケメンなお兄さん。

お爺さんの体つきは小柄だが、とても朗らかな表情をしていて好感がもてそうな感じがする。

金髪イケメンはスリムな体つきで、座高の高さから身長も百八十センチ以上はありそうだ。

間違いなく女子にモテそうだな。

爆発しろ!


そして左側にいるのが、恐らく身長三メートルはありそうな超マッチョな大男のオヤジ。

黒髪はボサボサで無精髭、顔や腕のいたるところに無数の傷跡が見える。

多分全身傷跡だらけなんじゃないかな? いかにも歴戦の戦士って感じだ。

怖いからできるだけ目を合わせないでおこう……。


そしてその横でマッチョオヤジにお酒を注がれてるのが、俺をここに連れてきたゴスロリ少女の死神さん。


この五人……一体何者なんだ?

俺がそんなことを考えていると、細マッチョ中年が口を開く。


「まずは皆の者、顔を上げて気楽にするがよい。今日は無礼講である」


俺の後ろにいた、ついてきてた神様たちが全員片膝をついて頭を垂れていたが、細マッチョさんの声を聞いて一斉に顔を上げる。

え? なに? 俺もそうした方が良かったの?

普通にへたり込んで腰を下ろしていた俺はササっと正座する。


「ホッホッホ、お前さんも楽にしなされ」

「そうそう、君は言ってみればボクたちのお客さんみたいなものだよ」

「そういうこった! まぁここ座れ! ガハハハハ!!」

「遠慮は無用だわさ♪」


俺は言われるがまま、細マッチョさんの対面になる、反対側のお誕生日席に座る。

あ、掘り炬燵だコレ。

すると料理神と酒神が新しい料理と酒をテキパキと卓上に並べてくれる。


「あ、どうもすいません」

「いいえザマス♪」

「さささ、主神様方も特上の神酒をどうぞっしゅ」


全員の杯に酒が満たされると、細マッチョさんが杯を持ちながら立ち上がって周りに声をかける。


「皆の者! 日々の神事、まことに大義である。さて今日は祝福の日であるが、なんとここにその因果律を抜けて我らが天上界にやってきた下界の者! 特異点となる男が現れた! 過去に例の少ない珍事ゆえに我らも動揺しておるが、まずはこの素晴らしい出来事に乾杯しようではないか!」


細マッチョさんの声で宴会場からものすごい歓声が沸き上がる。


「祝福の日と特異点の者に! 乾杯!!」


「「「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」」」


ハハハ…… 俺、こんな凄い乾杯の音頭聞いた事ねぇや……。

そして乾杯の音頭が終わると、どこからか賑やかな音楽が流れ出し、周りはまた賑やかな宴会場へと化していった。


「さて、瀧蒼馬くんだったかな?」


細マッチョさんがおもむろに声をかける。

え? そういや俺、まだここにきてから一度も名乗ってないはずなんだけど、なんで名前知ってるんだ?


「なぜ自分の名前を知っているんだ? と言いたそうな顔だね。他にも色々と聞きたいことが山積みだろうが、まずは我々の自己紹介をさせてもらいたいのだが宜しいかね?」

「え? あ? はい!」


うわ~、考えてること見透かされて思いっきりマヌケな返事しちゃったよ!

でもようやく落ち着いて今の状況を把握できそうなので、これ以上余計なことは言わないでおこう。


「ではまずこの私から……」


細マッチョはコホンと咳払いをする。妙に人間臭い神様だな。


「私の名は世界神という。世界を作る神……と言えば解り易いかな?」

「ワシの名は創生神。生き物を創造する神じゃよ」

「ボクの名は時空神。時間と空間を編み解く神さ」

「俺の名は破壊神! 森羅万象を破壊する神だ! ガハハハハ!」

「そしてあちしが死神。生き物に死を導く神だわさ」


人間臭いなんて言って申し訳ございませんでした!!

いや言ってないけど!!


え? なに?

世界神?

創生神?

時空神?

破壊神?

そこに死神?


俺が今まで見たファンタジー系のアニメや漫画なら間違いなく超トップクラス!

極上中の極上な神様じゃないの!? 

イカン! 妙な冷や汗がダラダラと流れてきた!

というか、この自己紹介に対して俺はどう言葉を返せばいいんだ!?

回れ! 考えろ! 俺の脳!

そうだ! まずは落ち着くことが大事!

こういう時は……そう! 素数! 素数を数えて――




――二十九で飽きた。


そして俺の思考は真っ白に燃え尽きた……。




「ありゃりゃ、コイツ固まってるだわさ」

「ホッホッホ♪ 少し驚かせ過ぎたかの?」

「まさか自己紹介だけで思考停止するなんて……」

「ガハハハハ! おい魔法神! コイツに気付けの魔法かけてやってくれや!」

「お任せなんよ! ホイサッサ!」


そんな会話が聞こえたような聞こえなかったような……?

ともかく俺の思考はなぜか回復した。


「いや、いきなり驚かせてしまって申し訳ないね。大丈夫かい?」


世界神様が心配そうに俺の顔色を窺う。


「あ、いえ、大丈夫です。少し驚いてしまって……」


本当は少しどころじゃなかったけどね。

とりあえず失礼のないよう、これから神様達のことは様付けしておこうと心に誓う。


「じゃあ自己紹介を続けさせてもらうよ。私達五柱はこの世の理の基本となる全ての物を作り壊すことから、他の神々たちからは五大神、もしくは主神と呼ばれている存在だ」


世界神様の話ではこういう事だ。

まず今いる神々の世界が天上界で、俺たち人間が暮らす世界が下界。

この二つの世界は空間が繋がってないので基本的にお互いに干渉は出来ないが、時空神様が力を使う事で干渉が可能になる。

下界には「世界」が全部で五百近くあり、その全てに俺たち人間と同じ知的生命体が存在するらしい。


で、その「世界」なんだが、まず世界神様が土台となる「星」を作る。

そこに時空神様が時間と空間の概念を生みつけて、これでいわゆる「世界」の誕生だ。


次に創生神様の手によって生き物が生み出され、目星をつけた星に植えつける。

生き物の初期状態はその時の気分で様々で、地球のように原始的な生物や細胞の状態からスタートする世界もあれば、最初から知的生物を植えつけることもあるらしい。


そこに死神様が生き物全てに死を植えつけて「寿命」を作る。


そしてその世界の全ての生き物が死滅したら、その世界は不要な世界として認定され、それを壊して新しい「世界」の土台となる空間を作るのが破壊神様の役目。


他の神々はその「世界」に生まれた森羅万象を司る神で、全世界に存在する森羅万象の数だけ、その神がこの天上界に存在するらしい。

普通に考えてもトンでもない数だな。


ちなみにインターネット神様とゲーム神様の二柱は、俺の住んでた世界「地球」で最初に生まれた神様だそうだ。

あとゲーム神様は、正確にはビデオゲームの神様なのを付け加えておこう。


余りにも壮大な話でいまいち現実感がない。

とりあえずこの五大神の手にかかれば、俺なんて指先ひとつでダウンなのは確定的に明らかである。


「とまぁ、これが世界の全容だ。理解してもらえたかな?」

「はあ……漠然とし過ぎていて全てを想像できてないですが、概ね了解しました」

「今はそれで充分だよ」


世界神様はニコリと微笑むと、次の瞬間、少し真剣な表情となった。


「さて、次に因果律と特異点の話をしよう」


おお、遂に俺が一番知りたかった特異点というワードの全貌が!

俺は姿勢を正して世界神様の話に集中する。


一つの世界が作られる時、生物には「因果」、簡単に言えば生から死に至るまでの「運命」のようなものが創生神様と死神様によって設定付けられるのは先に話した通りだけど、生物の数は世界の規模にもよるが、相当な数に及ぶ。

生まれては死に、進化や世代交代を重ねる生物すべてにそれを初期設定として準備していたら、流石の神でも難しいというか、時間が足りないらしい。

そこで五大神全員の神の力「神力」を世界全体に注いで、ある程度その因果をオートメーション化させる。

そして、世界の継続に重大な問題点が発生しそうな状態になったら逐一五大神全員で莫大な因果の束を修正していく。

この因果の束こそが「因果律」だ。


しかしいくら修正を施しても、圧倒的な数の力には流石の神でも手に余り、大抵の世界の因果律は最終的には収縮して死滅する。


そして神も心ある存在。

毎日目まぐるしく変化する森羅万象全てを管理していたら、流石に心が荒んでくるらしい。

神様がそんな人間臭いことでいいのかいなと思ったが、最初に出会ったあの神様たちを見ていたら何となく理解できる。


そこで今存在する世界で、一番古い世界を作った七代前の世界神様からの提案で、今後創造する全ての世界の因果律に細工を施し、必ず千年に一度の日だけ、森羅万象すべての因果が消えない日。

簡単に言えば生物が死なず、万物も絶滅しない日を設定して「一日だけ神々全員で仕事をお休みして宴会しましょう」という日を作ったのだ。

それが「祝福の日」である。


だが、そのように因果律に強制的な細工を施しても、相手は全世界の膨大な数の因果の束。

特に「意思」という特殊な感情をもつ知的生物の因果だけは、神々の力をもってしても、完全には制御しきれないらしい。

そんな因果律の小さな穴を抜け、祝福の日に死に至る生物がまれに出てくるそうだ。

それが「特異点」……。


「つまりキミのことだよ、瀧蒼馬くん」

「俺が……ですか?」


俺は世界神様の言葉に対して訝し気な顔をしながら自分の顔を指差す。

突然そんなことを言われても、俺は只の交通事故で死んだという実感しかないんですが。


「ホッホッホ、ワシら神々の力すらも及ばぬ存在とは実に興味深いわい」

「キミの世界の言葉で言えば、特異点になるというのは天文学的数字以上の確率なんだよ」

「ガッハハハッ! まさか俺の代で特異点をお目にかかれることができるなんて、俺ぁ運がいいぜ!」

「あちしも先代様から話だけは聞いていたけど、本当に特異点が存在するなんて思ってもみなかったんだわさ」


しかし五大神様たちの反応は俺に興味津々といった具合で、どうやら俺は本当にそのとてつもない確率で死んでしまった存在らしいな。

そっか……本当に俺、死んだんだ……。

あ、まてよ? そうなると今までの話で俺が今ここにいること自体で矛盾ができるぞ?

俺は浮かんだ疑問を世界神様に問う。


「さっきの話ではこの天上界と下界は時空神様の力を使わないと、基本的に干渉できないはずですよね? だとしたら何で下界にいた俺の魂は今、この天上界にいるんですか? 今までの話から察すると時空神様でも俺の死は予測できない様子ですし?」

「うむ、実にいい質問だ。それなんだが……」


世界神様が腕を組みながら一瞬難しい顔をしたと思ったら――。


「わからん!」


うわーバッサリだよー。


「いやね、実のところ、ボクたち神々も特異点のことはよく解っていないんだ」

「なんせお主以前の特異点の出現は、ワシらの代の遥か前の神の時代の話じゃからのう」

「言ってみれば俺らも御伽話程度にしか思ってなかったってことだ! ガッハッハッハッ!!」


神様も解らない存在の俺って……。

どうすんだよこの先?

というか、神様も代替わりとかあるのね。


「でもこれでハッキリしたことがあるだわさ」


死神様が近づくと俺の頭をポンポンと優しく叩く。


「特異点は死ぬと時空を超越して下界から天上界にやってくること。そしてその時に人の身でありながら、あちしら神と同じ力「神力」を備えること。そしてアンタは今の自分の状態を魂と言っているけど、それ、半分は人の肉体を維持しているだわさ。そして――」


え? そうなの? じゃあ残りの半分は……

俺はそう考えた瞬間、背筋がゾクリとした。

残りの半分……俺の予想が外れている事を願う!


「続きを聞くのが怖いんですけど、残りの半分は?」

「もう半分は聖神体。つまりあちしら神と同じ体を持ってる状態ってことだわさ」


グッバイ マイ ヒューマンライフ……。

俺の頭が白く染まる……。




「あ~あ、また固まっちゃったよ」

「ガッハッハ! ワリィ魔法神! もいっちょ頼むわ!」

「はいなんよ! ホイサッサッラサ~♪」


俺の意識がなぜか戻る。


「すまないね蒼馬くん。私も含めてここにいる全員にとって特異点の出現は初めての事態で、正直我々五大神もどうするべきか悩んでいるのが実状なんだ……」

「はぁ……」


そりゃ神様でも制御できないイレギュラーな存在なんだから手を焼くわなぁ……。


俺がそんなことを思っていると、世界神様が意を決したような表情で俺に語りかける。


「そこで、ものは相談なんだが蒼馬くん。出来る限りの要望には応えるつもりなので、別の世界で生活してみる気はないかい?」


ナンデスト?

別の世界……俺のいた地球とは異なる世界……。

こっ! これはまさか最近俺がハマってたネット小説などでよく見る「異世界転生」の展開なのか!?

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