表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神愛転生  作者: クレーン
第二章
34/210

033話:やってきた騎士団

 世界樹の月、四日。


 マークたちフェンリル一家がやってきて、ライラたちと共にオレの眷属となって三日が過ぎた。

 太陽が少し赤みを帯びる夕方前、ライラとシルフィー、マークとサタの両コンビは出かけている。

 オレはというと、キャストとガドラの二頭……もとい、二匹と一緒に家の前でボール遊びをしていた


「それー!」


 自作の木のボールを放り投げると、勢いよく二匹の白銀の小型犬がボール目がけて走ってゆく。

 この小型犬二匹、実はキャストとガドラのスコル姉弟で、フェンリル一家のユニークスキル「偽装変化」で体の大きさを変化させた姿というわけだ。


 マークとサタは最小サイズで大型犬。

 キャストとガドラは小型犬サイズにまで小さくなれる。

 小さくなると同時に、神々しいフェンリルやスコルの姿から、徐々に犬の姿へと変化してゆく。

 ライラたちからも、この姿なら誰も神獣とは思わないと太鼓判が出たので、普段はこの姿のままにさせてある。

 とはいえ、力まで小さくなっているワケではなく、マークとサタは最小サイズの姿でもライラやシルフィーを背にのせて走る事も可能だ。


 そんなわけでライラはマーク、シルフィーはサタの背に乗って、以前オレが日課にしてた島一周の早駆けに出かけているのだ。


 で、オレはというと、残った子犬……もとい、スコル姉弟と一緒に、こうして夕食前のボール遊びに興じているわけなんだが……。




 フェンリル家族が現れ、ライラたちにオレの正体を明かして全員眷属にしてからは特に目立った問題もなく、今も御覧の通りで平和そのものである。


 全員を眷属にしてマークたちに名付けを行った後はというと、まず眷属にした一番の目的である、強制(ギアス)によるオレの秘密の口封じを設定した。


 命令内容は「ソーマの秘密を口外してはならない」というもので、言葉は無論のこと、文字などによる書き出しでも命令違反と判断される。

 神セキュリティーに死角は無い。


 その命令を破ろうとした場合、第一段階として激しい頭痛が起こる。

 第二段階は舌と口周辺が麻痺してまともに喋れなくなる。

 そして第三段階は……呼吸ができなくなり、最悪死に至る……といった内容になった。


 流石にこれは……と、オレも思ったのだが、この第三段階の内容だけは、これ以外に「心臓破裂で即死」「ひでぶ」以外の項目がなく、他の内容に変更できなかった。

 第一段階と第二段階は「突然笑いだす」「踊りだす」「歌を歌いだす」といったコミカルな内容も多いのにね……。

 …………「ひでぶ」だけは絶対使わないからな! 絶対にだ!


 次に外部からの干渉による対抗策だが、これは実に頼もしい内容だった。

 スキルや精神支配系の魔法などの力で、強引に秘密を喋らせようとする不埒な輩がいた場合、その力が行使された時は「魔法反射(マジックリフレクト)」「能力反射(スキルリフレクト)」などのカウンタースキルが発動。

 更に相手に対して「麻痺(パラライズ)」「沈黙(サイレンス)」「硬直(リジッド)」のカウンター魔法を見舞って無力化させるのだ。

 しかもこのカウンター魔法三種だが、元々はフォーランドにも存在する闇魔法なのだが、強制(ギアス)による神パワーが宿った魔法とも言うべき「極神術法(ゴルメティック)」と呼ばれる魔法となっているので、どんなスキルや魔法、魔法道具を駆使しても防御不可能というチートぶりだ。


 マークに聞いても「我らでも絶対に防げませぬ」とお墨付きなので、これでオレの秘密は完璧に守られることになったわけだ。




「主様~ ボール取ってきたよ~ 褒めて褒めて~♪」

「よ~しよし♪ えらいぞ~」


 ボールを銜えて戻ってきたガドラの頭や顎を撫でてやると、尻尾をブンブンと振り回す。


「うわ~い♪」

「ガドラ、次は負けませんよ! さあ主様! 早く次のボールを!」

「へへ~んだ、そう何度も姉上に負けてられないよ~だ」

「ハハハ……これが最後だからどっちも頑張れよ~」


 両者がオレの両隣のスタートラインに位置したので、先ほどより少し力を込めてボールを投げつける。


「それっ!」


 ボールは放物線を描きながら一〇〇メートルくらいのところまで飛んでいったが、二匹はまだスタートしないどころか、後ろの方角に向かって小さな唸り声を上げながら動こうとしなかった。


「どうした? なにかあったのか?」

「主様! 南の方角から怪しい一団の気配がします!」

「ご~、じゅう~、じゅうご~……数は二〇ほどです」

「なんだと⁈」


 二匹の報告を受けてすぐさま地図レーダーを展開し、索敵を開始する。

 南の方角……つまりアロン道から二一人の人の反応があった。

 距離はここまでおよそ六〇〇メートルの距離。

 もうすぐ道を抜けてここまでやってくる様子だ。


 しかしこの距離にも関わらず、外敵の気配や数を察知できるとは流石神獣。

 二匹とも優秀な索敵能力を持っているようだ。

 今の地図機能による警戒レーダーは五〇〇メートルに設定してたので、オレは全く気付かなかった。

 あとで二匹を思いっきりモフって褒めてあげよう。


『ライラとマーク、聞こえるか?』

『おおっ! ソーマ殿の声なのじゃ?!』

『主様、如何なさいましたか?』


 いきなりの眷属通信で驚くライラだが、マークは冷静だ。

 とりあえずお出かけ組の位置を確認し、状況を説明して大至急こちらに戻るよう命令した。

 今は島の丁度最北端にいるらしい。


 ただしフェンリルの姿では相手を驚かせる可能性が大きいので犬の姿のままで、ライラとシルフィーの二人もきちんと一緒に連れて来るよう厳命した。


『御意!!』


 地図レーダーでマークたちの動きも見てるが、まぁ凄いスピードで北の森を突っ切って南下している。

 多分ライラとシルフィーは涙流しながら悲鳴上げてるなコリャ。


 そんなことをしているうちに、例の一団がアロン道を抜けて視界に入る距離までやって来ていた。


『キャストとガドラ、お前たちも元の姿に戻るのは禁止だ。相手の前で言葉を話すのも禁止。手出しも一切無用だ。あとは逐一念話で指示する。いいな!』

『『御意!!』』


 二匹にそう厳命している間に、二一人の集団はオレの存在に気付いたようで、険しい表情でこちらに迫っていた。


 相手の正体は判っているが、一応相手の出方を窺うとしよう。

 ちなみに相手はライラを捜索に来たアルグランス騎士団の捜索隊だ。


 先頭を陣取る甲冑姿のハイドワーフ三人が恐らく隊長格だろう。

 その他のドワーフ騎士と比べてもレベルが突出しているからだ。

 その中でも真ん中に陣取ってる、大剣を背負った眼光の鋭い白髪ハイドワーフの爺さんは凄いな。

 身長は一八〇センチくらいか? 腕の筋肉もムキムキだ。


 後方にいるドワーフ族の騎士たちの平均レベルが一五から二〇に対し、先頭両サイドの若いハイドワーフ騎士がそれぞれレベル三七、三九。

 だがこの爺さんのレベルは八四だ。


 AR表示による詳細は――


>名前 :ドラン・ザイバッハ

>レベル:84

>種族 :ハイドワーフ

>年齢 :1726歳

>職業 :騎士団相談役(元騎士団総長)

>称号 :恐獣殺し・猛将

>スキル:剣術・大剣術・加速・剛力・威圧(中)・火魔法・土魔法・指揮・士気高揚・戦術


 うはっ! 一〇〇〇歳超えてる上にスキルも豊富だな。しかも元騎士団総長。

 そりゃ強いわけだ。

 称号も「恐獣殺し」ってことは、ガンガルドを倒せる実力があるってことなのかな?

 まぁその辺りの詮索はまた後ほどにしよう。


 爺さんの右隣にいる、ランスと大盾を持った茶髪の優男っぽい若い男騎士はっと……。


>名前 :ダイル・マクモーガン

>レベル:39

>種族 :ハイドワーフ

>年齢 :159歳

>職業 :騎士

>称号 :アルグランス重装騎士団百騎長

>スキル:剣術・突撃槍術・盾術・火魔法・土魔法・防御術・指揮


 あの二〇代くらいの見かけで一五九歳か……。

 でもドワーフの中ではまだ若い方なんだろうな。

 武器とスキル構成から見て、防衛タイプの騎士と見て間違いないだろう。


 最後に左隣にいる、腰に二本の剣を携えた黒髪の女騎士を見る。


>名前 :エルナイナ・デオンフォード

>レベル:37

>種族 :ハイドワーフ

>年齢 :44歳

>職業 :騎士

>称号 :武王直属近衛騎士

>スキル:剣術・双剣術・加速・火魔法・礼儀作法


 ん? デオンフォードだって?

 確かシルフィーの家名もデオンフォードだったから、もしかしたらシルフィーのお姉さんかも知れないな。

 よく顔を見ると目元がそっくりだ。


 とりあえず目の前の騎士団の戦力は把握した。

 オレ一人で十分対応可能だ。

 あとはお約束の展開にならないことを祈るばかりなんだが……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ