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神愛転生  作者: クレーン
第四章
209/210

203話:事前情報とバトンの町

 豊穣の月、二二日。

 起床して朝食を済ませたオレたち一行は、クレイトの帝都へ向けて道なりに北上を続けていた。


「しっかしエキルス姉様も無茶したもんだよね~……あ、それチー」

「愛よ。愛があればどんなことも出来るってなもんなのよ。う~ん……ツモ切り」

「でも姉様のおかげで私やレットラーさんのような短命種にも、少しだけ余裕が持てるようになりましたよ♪ リーチ♪」

「んげっ?! もうリーチ?! でもサーシャの言う通りだね♪ 旦那様が一〇年以内に結論を出してくれるって約束してくれただけでも、凄く嬉しいことですよ。それも全部、エキルス姉様のおかげですね♪ ここは……これです!」

「ハイ♪ レットラーさん、それロンです。高めですね♪ リーチ一発ピンフイッツードラ一、親ハネで一八〇〇〇です♪」

「づがぁああ~~ん⁈⁈ 飛んだ~~!!」

「おいおい、またサーシャの一人勝ちかよ~?」

「なんで安牌を切らなかったのよ? 親の一発回避は基本よ?」

「ううう……私もいい手牌だったから逃げれなかったんですよぅ……」


 アニル、エキルス、サーシャ、レットラーの四人は麻雀を満喫しているが、どうやらサーシャが三連勝目をあげたようだ。

 しかも全部、誰かを飛ばしての勝利。

 オーラスまでもつれ込まない圧倒的な強さを見せつけている。

 案外このテの確率的なゲームに強い娘なのかも知れない。

 ちなみにエキルスはずっと屋根裏から、昨日のゲーム展開を覗き見していたらしくて、麻雀のルールは完全に把握していたそうだ。

 どんだけの観察眼なんだよ?


 ちなみにベルナルドとディックの二人も、昨日に引き続いてオセロの対戦をしている。

 こちらの戦績はどっこいどっこいといった感じで、なかなか白熱しているようだ。


 時間を確認すると、もうすぐ一一時に差し掛かろうとしている。

 するとキャンピングカーの進行速度が落ち始めると同時に、キャストから念話が入った。


『主様、また前方から馬車の姿が見えますが……』

『了解した。そっちに向かうよ』


 キャストからの知らせを受けて、オレは先頭の御者台へと移動した。


「ファム、様子はどうだい?」

「あ、旦那様。やはり先ほどすれ違った馬車と同じだすね……。こちらの姿を見ても狼狽えることなく前進してくるでげす」


 御者台で見張りをしてくれていたファムの指差す先に、二頭引きの馬車二台が若干速度を落とし気味ではあるが、臆することなく前進してくる。


「そうか。やっぱりさっきの馬車の人たちが言ってたように、昨夜の内にオレたちの情報が北側に知らされているみたいだな」

「流石は先武王陛下とデオンフォード侯爵様でげすな。昨日の今日で随分とやり易くなったでげすよ♪」


 どうやらアリオス爺が伝書鳩クルッポを使い、オレたちのことをシャルク侯爵にいち早く知らせてくれてたみたいなのだ

 そして昨夜の内にその詳細が行商人などにも知らされたので、今日すれ違う馬車などは少しオレたちの姿に驚きはするが、安全なものであるという告知がなされているので、昨日のようなことにはならずに済んでいる。


 一応停車して、馬車を率いるドワーフの行商人から話を聞いてみたが、やはり向こうもオレたちの存在は知っていたみたいだ。

 もっとも、実際に目にするまでは半信半疑だったみたいではあるが……。

 とりあえずこれで、今後すれ違う馬車の対応にあまり時間を取られることもなさそうなので、オレとしては良い状況だろう。

 アリオス爺とシャルク侯爵に感謝だな!


 そんなこんなで馬車と別れたオレたちはそのまま北上を続けたが、そのあとにすれ違う人々の様子は同様だった。




 そしてその日の夕方、王都とデオンフォード侯爵領の都市の間に位置する町、バトンへ到着した。


「ようこそお越し下さいました! お話は伺っております! このまま直進して役所へとお進み下さい!」


 町の検問所のドワーフ警護兵がオレたちの姿を確認すると、馬に乗ったハイドワーフ騎士二名を先導役として付けてくれて町の役所まで案内してくれた。

 聞いた話では、オレたちのことは既に町中に知らされていたので、今も大きな騒ぎにはなっていない。

 が、はやり相当に目立つ存在なので、道行く人々は皆が皆、こちらのほうに振り向いて注目を集めていた。


 オレたち乗員は全員屋根上のテラスで町並みを眺めていたが、キャストとガドラの姿にはしゃぐ子供や拝む老人の姿、そして笑顔で手を振ってくれる人々もちらほらと見受けられ、概ね歓迎されている様子で安心を覚えた。

 やはり事前情報の威力って凄いな。



 そして役所に到着すると、見慣れた人がオレたちを出迎えてくれた。


「しばらくだな、ソーマ殿よ! バトンの町へようこそ!」

「貴方は⁈」


 それはシャルク侯爵の家臣、デオンフォード侯爵領騎士団長のグラス・ベイハート子爵だった。

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