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ミリオタ高校生の異世界無双物語  作者: フォッケウルフ
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第七話

語彙力...語彙力を下さい...()

「長官!攻撃隊の指揮官機から入電、まもなく我々の上空を通過するとのことです。」


「おっと、もうそんな時間か。ちょっと見物しよう。シルフィアも航空隊が飛んでるとこ見てみるか?」


「ここに来るの?見てみたい!」


「よし、じゃあキューポラから出ようか」


俺はキューポラを開け、シルフィアと2人で上半身を外に出す。流石にちょっと狭い。


数分後、レシプロ機特有のエンジン音が聞こえてきた。


「おっ、来たか」


「うわぁ...コウクウキがいっぱい...」


「数は少ないけど、壮観だな...編隊飛行も見事なもんだ...」


「えっ、これで少ないの?」


「ああ、比較的少ない方だよ。今は基地の広さ的にこれが限界だけど、そのうちどんどん増やしてく事になるからね」


「...カズヒラって...何者?」


「うーん、何者って聞かれても...ただの冒険者って言うしかないんだよなぁ...」


シルフィアが少し怪訝そうな顔でこっちを見てたから取り敢えず頭を撫でて誤魔化した。ついでに耳もさわさわナデナデした。ほどよくモフモフした毛並みだ。すると、突然ピクっとなった。


「っ...」


この反応...痛いのか?いや、もしそうならこんなにモジモジしない。となるとこれは...感じている!?これは...いい発見をしたな(意味深)。

けどこれ以上やると色々とやばい事になるかもしれないからもうやめとこう...。


耳を触るのをやめると、シルフィアが物足りなさそうな表情でこっちを見てきた。頬の辺りが少し赤くなっている。はっきり言ってエロい。


そうしているうちに、戦爆連合編隊は戦車部隊の進路と同じ方向に飛び去って行った。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【攻撃隊視点】


「さっき下に戦車部隊がいたってことは、もうそろそろかな...」


制空隊隊長『坂井(さかい) 美鬼(みき)』大尉は、風防越しに周辺を警戒しながらそう呟いていた。

現在の高度は3000m。雲が高い位置にあって、雲量もそこまででもないのも相まって視界はかなり良好だ。


「...見えた!」


坂井が敵部隊を発見するのとほぼ同時に、陸攻隊の指揮官機から攻撃開始のモールス信号が発信された。

陸攻隊は進路を微調整して爆弾槽を開き、爆撃を開始した。


「敵の航空戦力は...確か、竜だったかな?.......やっと上がってきたか」


陸攻隊が投下した25番が次々と着弾し始めたところで、やっと敵の竜が飛び始めた。


「よし、いっちょ派手にやってやりますか!」


坂井は自機の主翼を数回振って味方に突撃するよう指示し、敵に向かって緩降下した。列機もそれに続く。


坂井は冷静に敵の竜を照準に捉え、7.7mmを少し撃って軸線を合わせてから、すぐさま20mmを叩き込んだ。数発の20mm徹甲焼夷弾が翼と胴体に直撃した竜は背中に乗っていた兵士共々墜落していった。


直後、撃墜した竜の後ろにいた別の竜が坂井の機体に火球を飛ばしてきた。しかし、坂井の零戦はローリングでそれを軽々と躱した。

坂井は竜と自機がすれ違うと同時に機体を引き起こし、緩降下で得た速度を利用してインメルマンターンを実行した。坂井機は目を見張るほどの見事な機動で反転し、先程火球を放ってきた竜の翼を撃ち抜き、背中の騎士を絶命させた。


「さて、他はどうかな...?」


2体の竜を撃墜した後に高度を取り、戦闘空域の少し上から戦況を監視し始めた坂井は、自分が部下を助ける必要など無いと確信した。味方があまりにも優勢過ぎるからだ。

小回りは竜の方が上だが、速度差がありすぎて殆ど勝負になっていない。

中には必死に火球を当てようとしている竜もいたが、当たるはずもなかった。真っ直ぐ飛んでいれば当たるコースの火球もあったが、銃弾よりは圧倒的に遅いので軽々と躱されていた。


空戦は予想より早く終わった。戦闘時間は10分も経っていなかった。


ふと地上を見ると、敵の侵攻部隊は見るも無残な状況だった。敵部隊は陸攻隊が投下した25番と制空隊が撃墜した竜の死骸によって、吹き飛んだり潰されたりしていた。数は半数かそれ以下にまで減っていて、攻撃というより殺戮に近かった。


「さて、後は陸上部隊に任せて帰還しよう」


戦果確認を終えた坂井は、集合地点にて列機と合流して損害が無いことを確認すると、陸攻隊の後を追うように基地へと帰還していった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【和平視点】


「長官、航空隊が帰投を開始したのでまもなく会敵すると思われます。そろそろ中に入って下さい」


「わかった。歩兵部隊にもそう伝えてくれ」


「了解しました」


そして俺とシルフィアは、Tiger Ⅰの車内に戻る。


「それにしても、航空戦は圧倒的だったな...」


地上部隊の会敵直前に航空攻撃をする作戦だったから、爆撃も制空戦闘も全て見ていた。


「あのちっちゃい方のコウクウキ、ものすごく速かったね...大きい方も速かったけど...」


「小さい方は零戦って言ってな、今俺が召喚してる中で地上攻撃以外は最強なんだ。大きい方は一式陸攻っていう、零戦と違って地上攻撃に関してはかなり強い機体なんだよ」


「うーん...よくわかんないけど、コウクウキにも得意不得意があるってこと?」


「まぁ、簡単に言えばそんなとこかな」


「長官!敵が見えました!距離は約1500m!」


そんな話をしているうちに、丘を越えてすぐ敵の侵攻部隊が見えてきた。

航空攻撃でもうボロボロになっているが、ここで殲滅しないと撤退後に再編成してまたやってくる可能性が高い。


「ついにだな...よし、総員戦闘用意!歩兵部隊はただちに展開せよ!」


そう命令を出した数秒後に歩兵部隊が展開し始めた。それからあっという間に全員が配置につき、トラックは少し後方に下がって待機状態に入った。


「よし、配置完了したみたいだな。これより攻撃を開始する。Panzer vor!」


攻撃開始の号令と共に戦車のエンジン音が辺り一帯に轟き、前進を開始した。


敵部隊の総指揮官らしき人物がこっちを指差しながら兵士達に向かって何かを命令している。おそらく迎撃するよう命令しているんだろう。


「敵がどんな手段で反撃してくるかまだわからない。各車注意せよ」


《jawohl!》


全車長がほぼ同時に応答した。


「全車停止、射撃用意!目標、敵歩兵部隊!弾種榴弾!」


距離1000mまで近付くと、一旦部隊を停止させた。たとえ速度が遅いとしても、行進間射撃では照準が安定しないからだ。10式戦車とかレオパルト2とかなら余裕で出来るが、第二次大戦当時の戦車にはとてもじゃないが無理がある。


すぐに全車照準が定まったようだ。


「Feuer!」


その瞬間、様々な砲撃音が鳴り響いた。時間差で次々と砲弾が着弾していき、その度に敵の兵士が吹き飛んでいく。直撃を喰らって肉片となる者、手足を吹き飛ばされる者、真上に吹っ飛んで落下する者、破片が刺さってその場に倒れ込む者等、色々いた。


「以後各車両は各個の判断で攻撃を続行せよ。敵意ある者は全て蹴散らせ!」


この命令を待ってましたとばかりに各々が行動を開始した。

ある小隊は適当に撃ちまくりながら突撃し、ある小隊はその場からこれでもかと大量の榴弾を撃ちまくり、ある小隊は停止射撃と前進を繰り返している。

ちなみにぜートイフェル小隊は停止射撃しながら進んでいたが、敵との距離が500mをきったところで行進間射撃し始めた。砲手曰く、「この距離なら頑張れば当たる」らしい。


歩兵部隊のStG44の射撃音も聞こえてくる。もうそれぐらいの距離まで接近したということだろう。


と、その時、敵の最後尾辺りで魔法陣が現れたと思ったらその中心にいた魔術師の頭上に5つの白い光の玉が現れ、高速でぜートイフェル1に向かってきた。


「...!敵弾、来るぞ!」


その直後、爆発音とともに光の玉が命中した。が、意外と衝撃はそうでもなかった。油断してたら頭をぶつけたかもしれない程度だった。

しかし、攻撃であるからには油断は禁物だ。


「シルフィア、怪我はないか?」


「う、うん...大丈夫」


シルフィアの体が少し震えている。声も少し弱々しい。戦ったことが無いから怖いのだろう。

どんな言葉をかければいいのかわからない俺は、言葉の代わりに少し強く抱きしめることにした。


〜40分後〜


敵の数が多かった事もあって、敵部隊の制圧には少々時間を要した。


「中隊全車、損害を報告せよ」


《フルスプフェルト小隊、全車損害無し》


《エルペル小隊、損害無し》


《シュッツェ小隊、損害ありません》


《ステイル小隊全車、損害ありません》


「よし、次の命令を出すまで全車待機せよ」


《《jawohl!》》


「歩兵中隊へ。貴隊の損害を報告せよ」


《こちら第一歩兵中隊本部。数名の負傷者が出ましたが、いずれも軽傷です。それ以外に損害はありません。それと、もう一つ報告する事があります》


「何だ?」


《投降者が11名いたので捕虜として拘束しました》


「了解した。トラックに乗せられるか?」


《大丈夫です》


「よし、なるべく少人数に分けてトラックに乗せてくれ。まとめて乗せてもし暴れられたら面倒だ」


《わかりました》


それから10分弱で帰還準備が完了した。


「これより帰還する。全車、ぜートイフェル1に続け」


そしてまた、行きと同じ道を街に向かって進んでいく。


帰路の半分程まで来た頃、街の方角から零戦が三機飛んできた。多分、沙雪大佐が出迎え兼直掩機としていち早く整備が終わった機体をよこしてくれたんだろう。


その後は飛行場に帰還する"までは"何事も無かった。


飛行場に無事帰還して全部隊が所定の位置に戻った事を確認してから戦車を降りると、沙雪大佐が敬礼をしながら俺とシルフィアが降りるのを待ってくれていた。


「長官、ご無事で何よりです!」


「ああ、ありがとう。留守の間、何か問題は無かったか?」


「戦闘になるような事はありませんでしたが...一つ厄介な事が」


「厄介な事?」


「はい。長官が出撃なされた20分後に、この周辺一帯の領主だという人物が護衛と共にここに来ました」


そりゃまぁ、あんだけ派手に航空隊飛ばしたりしてれば何事かと思って駆けつけるわな。

けど、領主自ら来るのはなんか違和感がある。この世界のルールがどんなものかは知らないけど、まずは手下を向かわせて状況確認させるはずだ。それをせずに初っ端から領主が来るとは...。


「そうか...今その領主はどこにいる?」


「あの馬車の中で待機しています」


指さされた方向を見ると、確かに馬車が止まっていた。領主ということもあって、随分と豪華だ。


「すぐに礼服に着替える。着替えを渡すから、沙雪大佐も礼服に着替えてくれ」


俺はそう言いながらタブレットの部分だけを取り出し、画面をタップしてそれぞれの礼服を召喚した。


...よくよく考えれば、ずっとタブレットだけの状態にした方がやりやすいかも。


「了解しました」


早速俺用のテントに向かい、入口で足を止める。


「シルフィア、これから着替えるからちょっとここで待っててね」


「嫌!カズヒラと一緒がいい!」


ちょっとムスッとしてる。この顔もまた...良き...。


「うーん、そう言われてもなぁ...シルフィアは俺が下着になるのを見ても大丈夫?」


服を着替えるだけだからパンツまでは流石に着替えない。


「大丈夫だよ!...下着を脱いだっていいのに...」


大丈夫だよ!の後になんか小声で呟いてた気がするけど、気にしない方がいいだろう。


「はぁ...まぁいいか。わかったよ」


テントの中は寝袋と最低限の生活用品だけしかなかった。まぁ、テントだからそりゃそうか。


着替えてる間、かなり視線を感じた。全身にだ。

犯人は明らかに一人しかいないが...気にしないでおこう...いや気になる。しかし気にしてはいけない気がする。


そんなこんなで着替え終わったので、シルフィアと一緒にテントを出る。すると、沙雪大佐が既に待機していた。


「...着替えるの早すぎね?」


「副官ですから」


「...そういうもんなの?」


「そういうものです」


なんかめっちゃ誇らしげにドヤ顔してる。なんかかわいい。まるで妹に「凄いでしょ〜?」と自慢するお姉ちゃんみたいだ。

自然と沙雪大佐の軍帽を取って頭を撫でてしまった。


「えへ...へへへ....」


嫌がるかと思ったら以外にも蕩けた。おっといけない、これ以上は領主を待たせてしまう。

軍帽を沙雪大佐の頭に戻し、馬車へ向かう。その間、馬車に到着するまでまだ蕩けていた。


そうだ、部隊名はどうしようか.......【八重桜(やえざくら)】にしよう。確か、この桜の花言葉は「豊かな教養」とか「善良な教育」とかそんな感じだったはずだ。豊かな教育環境があるのも平和の証拠だから、これから平和を求めて戦う部隊の名前にはぴったりじゃないだろうか。


そう考えているうちに到着した。


「さて...と。自分は傭兵部隊【八重桜】の総指揮官、『戦駆 和平』です!お待たせして申し訳ありません!」


俺が自己紹介すると同時に、御者が扉を開けに来た。いよいよ領主と対面だ。どんな人物なんだろうか...

沙雪大佐は大日本帝国陸軍大佐の礼服、和平はナチス・ドイツ陸軍大将の礼服を着ています。シルフィアはワンピースしかないのでワンピースです(語彙力)。


もっとシルフィアのセリフを増やしたいけど友達少なくてそんなに会話する訳でもないから思い浮かばない...0(:3 )〜 _(:3」∠)_

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