第八話
今回はかなり短くなってしまいました。なんとなくキリがいいと思ったんです...許してください何でもs(ry
馬車の中にいたのは、いかにも貴族らしい豪華な服を着たちょっとハンサム系の50代ぐらいの男がいた。中にいるのが一人だけということは、この人がこの辺りの領主なんだろう。
俺を中心に3人とも領主の反対側に座り、まずはこっちから挨拶する。
「改めまして、自分は傭兵部隊【八重桜】の総指揮官、『戦駆 和平』です」
「私は戦駆長官の副官、『河原 沙雪』大佐です」
「私はシルフィア!」
シルフィアの挨拶かわいいかよ。
「うむ。私はバートロイゲン地方領主でありパトロン城の主、『アルヴィン・ディル・サラミス』侯爵だ。呼び方は何でもよい。さて、単刀直入に聞こう。君達は何者だね?」
「何者か...と言われましても、ただの傭兵部隊ですよ」
「こんな強大な戦力を持った傭兵部隊など、聞いたことがないぞ?むしろこれならば、おそらく我が王国などすぐに壊滅するだろう」
「いえ、そんな事はしませんし、する気もありませんよ。それに、最近設立したのでアルヴィン侯爵様が知らないのも当然でしょう」
てか最近どころか作ったの今日だし、部隊名に至ってはさっき考えたからなぁ。
「ふむ...質問を変えよう。君達はどこから来たのかね?それと、あの兵器群はどこで入手したのだ?」
「どこから来たかは秘密という事でお願いします。兵器は...まぁ、自作というところですかね」
正確には作ったんじゃなくて召喚しただけなんだけどな...。
「あれを自作だと!?...まさか、あんな技術があったとは...」
アルヴィン侯爵は少しの間外の兵器を見つめる。何を考えているかその時点で察したので、あらかじめその事について言っておく。
「王国に売ったりするつもりはありませんよ?」
「む、そうか...すまんな、他のいくつかの街にも侵攻軍が向かっているらしくてな。つい欲しくなってしまったのだ。ところで、君達はこれからどうするのかね?目的などはあるのか?」
「どうするかは詳しく考えていません。何しろこの辺りの地理には疎いもので...。しかし、目的はあります」
「それはなんだね?」
「...今世界中で頻繁に起こっている戦争を早期集結させ、奴隷を解放することです」
「まさか、そんな事が出来るとでも?」
「少なくとも、我が戦力をもってすれば早期に戦争を終わらせる事は可能です。その際奴隷を解放する事も可能でしょう。しかし可能というだけであって、絶対というわけではありませんし、恒久的な平和なんてありません。平和は次の戦争への準備期間ですからね。だが政府やそれに類する政治機構が努力すれば、その分長期間の平和が実現できます。その為に、協力してくれる国家を探しているのです」
「奴隷は世界中どこを見ても重要な存在だ。特に労働力に関してはな。それを解放するなどということに協力する国があると思うか?」
「“奴隷がいないと国家経営が成り立たない”という考えを持ったままの国家は協力してくれないでしょうね」
「では、どうする気だね?」
「まずは一つの街から意識改革をしていきます。俺は奴隷がいなくても国家を強く出来る方法を知っています」
「その一つ目の街とは、ここの事かね?」
「そうです」
「私がいいと言っても、国王陛下がダメと言ったら全て無駄になるぞ?」
「承知の上です。ちなみに、国王陛下の性格は?」
「陛下は若くて非常に優しいお方だ。王都の中を散歩している時に、奴隷に暴力を加えている主人を罰したという噂を聞いたことがあるが...」
「それならば、国王陛下も承諾してくださるでしょう」
「しかし、私に地方自治権が与えられているとはいえ、奴隷を全て解放したら財政が混乱するぞ...」
「でしょうね。しかし、それは一時的なものです。すぐに奴隷を解放したならば、俺がその後どうすればいいのかを教えます。それでもし失敗したら、潔く首を差し出しましょう」
そう言うと、沙雪大佐とシルフィアが止めてきた。
「長官!?それはいけません!貴方が死んでしまったら、部下達はどうするのですか!?」
「カズヒラが死んじゃうのは嫌だよぉ...そんな事になったら私...うぅ...」
沙雪大佐の涙目なんて初めて見た...てかシルフィアに至っては泣き出しちゃったよ...。
「大丈夫。そんなヘマするようなら、最初からこんな事言わないよ」
と、二人の頭を撫でながら言って宥める。
「どうやら、君にはそれ相応の確信があるようだな」
「当然です」
「それに、部下の忠誠心もかなり強いようだな。そんな男が嘘をつくとは思えん.......わかった。その覚悟や良し、君の提案を受け入れよう」
「ありがとうございます!」
俺とアルヴィン侯爵は握手をした。
「しかし、その前にまず帝国軍の侵攻部隊を全て追い返さなければ、それどころではないぞ?」
「既に攻撃を受けている、又は攻撃を受けそうな街がどこにあるのかという情報と、この王国の地図を提供して頂ければ即座に迎撃に向かいますよ」
「おお、やってくれるか!よしわかった。すぐにでも用意させよう。しかし魔道具で遠距離から報告出来るとはいえ、斥候や伝令の情報を揃えるのには時間がかかる。明日まで待ってくれないか?寝泊まりは街の中でもここでもいいぞ」
「了解です。では、我々は失礼致します」
馬車を降り、アルヴィン侯爵に向かって敬礼した。その後馬車は走り去り、俺達は飛行場に戻っていき、テントの中で寝た。
個人的に、可愛いロリを奴隷にするのはNGです('ω'乂)