第6話 ここは女子トイレだよ〜
今回は、下ネタ回なので、苦手な方は注意して下さい。
*運営より警告を受けたので、急遽、内容を変更しました。
それから、一時間目が終わった休憩時間。
授業中、クラス中が、ある二人に視線が集中していたのだが。
当の本人たちは、教師から怒鳴られた事以外は、取り立てて平然としていた。
いや、膝の上の涼も、亜美の色んな感触に心を乱されていたのであった。
**********
休憩時間になって、クラスメイトが二人の所に集まりだした。
「ちょっと、トイレに行ってくるね〜」
「(タタタタッ〜)」
しかし、その動きを察知した涼が、いち早く、廊下に飛び出して行った。
もっとも、授業中、ずっと緊張していた涼が。
我慢できなくなったのもあるのだが。
全員が、呆気に取られている内に。
涼は、いつの間にか教室から、姿が見えなくなってしまっていたのである。
・・・
「はあ〜、やっと落ち着いた・・・」
廊下の奥にある、トイレの所で涼は。
上がった息を、一旦落ち着けていた。
「涼くん」
「うわっあああっああ〜!」
ホッとしていて、気が抜けていた所に、背後から亜美の声が聞こえたので。
涼が、盛大に狼狽える。
「もお〜、そんなにビックリしないの〜」
「だって、イキナリ後ろから言われたから・・・」
「トイレだったら、慌てなくても。
言ってくれたら、連れて行ったのに〜」
「僕は、もう一人で出来るよお〜」
「まあまあ、そう言わずに。
さあ、しようねえ」
「ちょっ、ちょっと〜、そっちは女子トイレだよお〜」
この学校は、共学化に伴い、各階に男子トイレを造成したのだが。
目論見が外れ、男子が誰も入学しなかったので。
男子トイレが、存在意義を失くしていた。
当然、掃除も女子がする訳にいかないので。
数少ない男性教師や、用務員のオジサンらが行っていた。
その男子トイレがようやく、役割を得たかと思ったら。
涼が、なぜか女子トイレの方に引っ張られたのである。
*********
亜美は、涼を女子トイレの個室に連れ込んだ。
「はい、短パンとパンツを下ろすよ〜」
「僕は、もう一人で出来るから〜」
涼の抗議を無視し、涼の短パンとパンツを降ろした。
・・・
「もお〜、僕はもう一人で出来るのに・・・」
女子トイレから出てきた涼は、亜美に文句を言う。
「ごめんね〜、こんな機会じゃないと、させてくれないから」
亜美は手を合わせて謝るが、その顔は笑っており。
ちっとも悪いとは、思っていなかった。
亜美は、涼を赤ん坊の時から知ってるどころか、世話もしていたので。
もちろん、よくトイレにも連れて行っていた。
流石に最近は、小学校高学年になり、そう言う事を嫌がっていたので。
寂しく思っていた亜貴が、この機会に昔の様にしようとしたのだ。
「そういえば涼くん、お姉ちゃんが言った通り。
お風呂の時、毎回、チャンと中まで洗ってる?」
「・・・」
「あれだけ言っているでしょ、困るのは涼くんだって」
「だって・・・、沁みるから・・・」
「でも、キチンと洗わないと不潔だよ」
口ごもる涼に、亜美は諭すよう言う。
「そういえば涼くん。
最近、朝起きたとき、変わった事は無い?」
「ん?、どう言う事」
そう話をしている最中、突然、亜美は突拍子も無い事を言い出す。
「・・・例えば、体のどこがが大きくなるとか?」
「ん〜、別にそんな事は無いけど、どうして?」
「あっ、ううん、別に何も無いけど〜」
頭脳が天才とは言え、俗っぽい知識には疎かった涼は。
何の疑問も持たずに、素直に答える。
しかし、涼の答えを聞いて、亜美は。
「・・・もうそろそろだと思ったけど。
まだまだ、早いのかなあ・・・」
首を傾げている涼を見ながら。
少し残念そうな顔をして、そう呟いたのであった。