表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

第5話 授業中に

 それから、嫉妬の視線が飛び交った、ホームルームの時間も終わり。

ようやく、一時間目に入った。


 ちなみにホームルームが終る時、雅はと言うと。

後ろ髪を引かれる様に、何度も後ろを振り返りつつ、教室を出て行った。


 そして、それと入れ替わりに、一時間目の担当の教師が入ってきた。


 こうして、一時間目が始まったのである。




 *********




 「お姉ちゃん、良いの・・・?」


 「うん、その代わり、後でノートを写させてね」


 「でも、僕の字、読めるの?」


 「ふふっ、何言っているのよ〜。

だって涼くんの字って、涼くんの顔みたいに、綺麗だよ〜」


 「・・・」




 亜美の言葉に、涼が顔を赤くする。


 その赤くなった涼の顔を見て、亜美がクスクス笑う。


 結局、涼は、亜美の膝の上に乗って、授業を受ける事になった。


 涼が膝に乗っていると、亜美が机を引く事が出来ないので。

代わりに、涼が取ったノートを写す事にした。


 亜美は時々、涼の勉強を見ていたので。

涼の字が、やはり年齢以上の字の綺麗さである事を、良く知っていたのだ。


 ちなみに、勉強を見ると言っても、学年でトップクラスの亜美でさえ。

涼の頭脳の前には、やっと優位に立てるくらいであるのだが。




 「でも・・・、そんなにくっ付かなくても・・・」


 「うん? くっ付かないと、教科書が見えないよ♡」 


 「・・・」




 亜美の返事に、涼が言葉を失った。


 亜美の膝の上に、乗っている涼であるが。

そうなると、涼が教科書を持って、二人で見ると言う形にしなければならないけど。

それには、亜美が涼を後ろから抱き締めて、動かない様にしないといけない。


 しかし、そうなると当然、密着する事になり。

涼の背中に、亜美の柔らかい膨らみが当たる事になる。


 また他にも、ショートパンツから出た素足に。

亜美のミニスカから伸びた滑らかな太股も当たるし。


 お互い、夏服の薄い服装なので、薄い布地を通して。

亜美の柔らかい肌の感触、暖かい体温も感じる。


 それらは最近、性に目覚め出した涼にとっては。

とても恥ずかしい事であった。




 「もっと、教科書を上げてくれないかな〜」




 亜美がそう言いながら、涼の頭に頬をくっ付けた状態で。

涼の肩越しから、教科書を覗く。




 「あああっ〜!」


 「涼くん、動かないでよ〜」




 亜美の話す時の吐息が、涼の耳に掛かり。

そのくすぐったさに、涼が亜貴の膝の上でバランスを崩した。


 が、その瞬間。

亜美が、涼を抱く力を強め、動かない様に固定する。




 「もお、じっとして、ちょうだい」


 「お姉ちゃんの息が、耳に当たってくすぐったいんだよ・・・」


 「そうだったの、ごめんね♡」




 だが、そう言いながら、亜貴は。

涼の頭に、軽く頬ずりをするのであった。




 *********




 その様な、やり取りをしていた二人だが。


 そんな二人に、複数の視線が集中していた。


 つまりは、クラスの中で目立っていた訳である。


 本人たちは、コッソリしているつもりであろうが。

いかんせん、タダでさえ美人の亜貴が。

膝の上に可愛い美少年を乗っけていると言う。

目立つ状態であるのに、加え。


 (はた)から見ると、イチャついているとしか。

見えない事をしているからである。


 なので、クラスの中で、思いっきり浮いてしまっていたけど。

当の本人たちは、その事に気付いていなかった。



 ・・・



 そんな状況の中。

教壇で、教鞭をとっていた、数学担当の中年男性教師が。

そのイチャつきぶりを見て、思わず、持っていたチョークを握り潰してしまっていた。


 その教師は、30数年間、独身だったので。

イチャついている二人を見て、嫉妬の炎を燃やしたからである。



 ・・・




 「お前らーーー! いい加減にせんかーーー!」




 それから、数秒後。

業を煮やした教師が、とうとう二人に雷を落としたのであった。

 


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSして女性化した兄が、甘えん坊の弟を溺愛する物語
・TSお姉ちゃんは、弟が可愛くてしょうがない
TSでは有りませんが。
姉弟物の短編を取り揃えていますので、どうかご覧ください。
・星空プロフィール

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ