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プロローグ

久しぶりの連載です。


内容は、相変わらず下手ですが。

よければ、読んでください。


 都心から、電車で1時間半ほど離れた所に。

とある住宅街があった。


 そこは、都心に通勤する人間に向けた。

比較的、裕福な階層向けの住宅街として発展した所である。


 そして、その住宅街の一角に。

広大な土地を有する施設が存在していた。


 その施設は、住宅街に住む人間に向けた。

小学校から、大学までの学校が集合した天津(あまつ)学園である。



 ・・・



 そこは、裕福な階層が多い住人に向けた学園であるから。

当然、べらぼうに高い授業料が必要な、私立学園でもある。


 しかし、授業料が高いだけあって、偏差値も高くて。

卒業生を各省庁、あるいは一流大企業に、多数送り込んでいたのである。


 だが、この学園は、最初に出来た女子高から発展したと言う歴史的な経緯(けいい)から。

なぜか、高校だけは女子校なのだ。


 したがって、中学まで進学した男子は、高校の段階で一旦。

他の学校に行かなければならない、(いびつ)な状況であった。


 そんな訳で、当然、学園関係者の悲願は。

何としても、高校を共学にする事だった。


 だけど、下手に女子高として長い歴史を有していた為。

生徒だけでなく、父兄やOGに至るまで、共学化に激しく抵抗していた。


 つい最近まで、そう言う状況が長く続いていたが。

それが昨今(さっこん)の少子化で、生徒数も徐々に減ってゆき、そう言う事も言っていられなくなったのである。


 そのような状況を見計らい、学園上層部は今年、ようやく長年の悲願を達成する事が出来たのだ。




 ********************




 入学式から一ヶ月経った、ある日の夕方。



 高校にある、校長室で二人の男がソファーに座っていた。





 「しかし理事長、まさか、男子が誰も来ないとは・・・」




 髪が薄い、中年の男が右手で頭を抱えていた。




 「希望者が、女子だらけなのを避けるなんて。

よもや、考えてもみなかった・・・」




 白髪頭の、初老の男が腕を組みながら、唸っていた。


 お互い向き合いながら、ため息を付いている二人は。

この学園の理事長と、高等部の校長である。


 ようやく、長年の悲願が達成し、今年から共学になったが。

肝心の男子が、全く来なかった。


 二人は、考え方が古いので。

元女子校に、下心を持った男が、大量になだれ込むと思っていたのだが。

実際は、多くの男子が敬遠したのだ。


 現代の女子高生が、集団になった時の凶悪さ。

また男子達が、それを熟知していると言う事を、知らなかった訳である。


 共学化したら、すぐに男子が集まると楽観的で居たのが、見事に当てが外れてしまった。




 「今年度は仕方ありませんが、とりあえずは共学化したと言う体裁だけは整えないと・・・。

転入生を待つしかありませんが、数人程度では、対外的なアナウンスにはなりませんし。

その数人すら現状では、転入して来る見込みが立たないんですよ・・・」




 そう言って、髪が薄い校長が頭を抱えたままで項垂(うなだ)れてしまう。




 「う〜ん〜」




 その校長の言葉を聞いた理事長が、腕を組んだまま、ソファーに深く体を沈めて(うめ)いた。




 「少ない人数でも、対外的にインパクトがある様にするのか・・・」




 ソファーに体を沈めると、そう言って理事長が(つぶや)いた。



 ・・・




 ********************




 それから、数分後。



 ソファーに座ったままで、しばらくの間、二人は固まっていたのだが。




 「あ、そう言えば!」




 突然、理事長がそう言った。




 「? どうしたんですか、理事長?」


 「小学部に、天才少年がいたな」


 「はい? 確か、”百年に一度の神童”とも言われて、マスコミにも取り上げられていた子がいますね」


 「それに、余りの天才ぶりに、教師達が持て余しぎみだと、小学部の校長がボヤいていたな」


 「そうですね、確かに何かにつけ、いつもそうボヤいていましたね」


 「その子を飛び級で、高等部に編入させようか」


 「はあ?」


 「普通の生徒だと、数人程度では対外的なアナウンスにはならないが。

マスコミに取り上げられる位の天才少年なら、一人でも、かなりの宣伝効果はあるぞ」


 「良いんですか・・・」


 「他に、何か良い方法でもあるのかね?」


 「・・・ありません」




 若干、引っ掛かる物がありそうな校長であったが。

他に対案が無い校長は、理事長の提案を渋々了承するしかなかった。


 こうして、無責任な大人達の行き当たりばったりの結果。

ある少年が、甘い受難を受ける事になったのである。



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