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深い森2

とりあえず自分で捌くという事態は避けられたけれども、さすがに生で食べる勇気は無い。

肉だけでは心許ないので、他に食べられそうなものがないか探しながら歩く。

途中で葉っぱなんかを食してみたりなんぞしてみたが、その中で、食べるとどうやら体力が回復するらしいものがあることに気が付いた。


「なんていうか、もう、本当にありえない・・・」


恐ろしきかなファンタジーの世界。

多分、女のままだったら途中で行き倒れていただろう。


・・・そう、今まで触れないようにしてきたが、私はもともと女性である。


ひいらぎ はるか、23歳。ごくごく普通の社会人。

性別は女であるが、男顔でわりと身長が高いゆえによく間違えられていたが。


「まさか本当に・・・」


いや、まだ確かめたわけではないのだが、確認するのが怖すぎる。

暫くは気づかなかったことにしておこう。


さて、あちこち歩き回るうちに食べられそうな食材がかなり集まり、嬉しいことに水場も発見したわけだが。


「火がないよ、火が・・・」


とりあえず、薪になりそうな枝やら葉っぱをかき集めてみたが、肝心の火種がないのである。

日も暮れてきたらしく、辺りはだんだん闇に包まれてきた。

怖い。結構怖い。自分、案外怖がりなのである。


「RPGなら、魔法とか使えないかな。」


っていうか、使えてくれ!じゃなきゃ困るよ!

暗くなる風景に焦りながら必死で炎をイメージする。

もちろん、火は点かない。


「なんだよう・・・いて座って火の属性じゃんか。火ぐらい燃やせたっていいじゃないさ・・・って言うか、『燃えろ』!」


ゴォッ!!


「うわ!?」


あ り が ち ! ! !

あと、星座関係ないとか言わない。


それにしても、なんというお約束なパターン・・・いやでも、そのお約束も今はとってもありがたい。

これでなんとか夜を明かせ・・・


「ない。無理だよこれ・・・怖すぎるし遠吠え聞こえるし。」


そういう効果音いらないから!!!


びくびくしながら手に入れた肉をおこした火で炙り、もそもそと食す。

うん、不味くはない。美味しくもないけど。


「さーて、これからどうすればいいのか・・・」


お腹も膨れ、ごろんと寝転びながら一人ごちる。先程の一件でなんとなく魔法とやらの使い方を知り、火を出す練習なんぞしてみたりしながらぼんやりと思考を巡らせる。


「あの子も来てるのかなぁ・・・」


一緒にいた友人の顔が浮かび、少し寂しくなってしまった。


「・・・いやいや、感傷に浸っている場合じゃないぞ自分。」


多分、彼女も来ているだろう。

どこかで、そんな確信めいた予感がしていた。

朝になったら探しに行こう。きっとどこかで逢えるはずだから。


「・・・でも、森じゃなきゃいいな。」


願わくば、どこかで保護されていると思いたい。


がばっ、と身を起こし、悩んだ挙句火は始末した。そして、登れそうな木を探してよじ登り、途中で手に入れたマントのような布に身を包み、夜明けを待った。



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