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深い森1

友人とカラオケに遊びに来たはずなのに、扉を開けたら深い森の中でした。


ちょ、友人どこ行った!


あと、気になることがもう一つ。


「やべ、間違えた」


いったい何を・・・って。


いやいや、間違えすぎでしょぉぉぉぉ!!!





・・・そんなわけで、わたくし絶賛迷子です。

歩いても歩いても深い緑から抜けられる気がしません。

途中イノシシを凶悪にしたようなものに遭遇し、死んだフリしようかと思ったけどすごい勢いで突っ込んでこられたので落ちていた木の棒を死に物狂いで振り回して撃退する羽目になったり、古びた宝箱から変な鞄を手に入れたり。

これは・・・これじゃ、まるで・・・


「これなんてあーるぴーじー?」


そして、自分が発した声の意外な低さに更に驚愕した。

森に迷い込んだときに聞こえた「やべ、間違えた」っていう謎の声。


すみません、どなたかは存じませんが一言いいですか・・・


「間違えすぎだろ、ごるぁ・・・」


思わず口が悪くなってしまったが、声のせいで特に違和感はなかった。ちくしょう。

そんなこんなでこの森を抜けるべく木の棒片手に進んでいるわけでありますが。


一向に終わりが見えてきません。どういうこと。


多分魔物的な変な生き物に襲われるし、たまに囲まれるし、木の棒最強だし。

ついでに、いくらあーるぴーじーの世界とはいえ、お腹は空くわけで。

目の前には、見た目の凶悪さを除けばウサギにしか見えないものがいるわけで。


・・・。


背に腹は変えられん、ということで、本日何度目かわからないバトルに挑むのであった。


結果、勝った。なんなく。

でも、問題がある。どうやって捌けばいいのか。本当に食べられるのか。どう調理するのか。


この世界の不思議やっかいなところは、硬貨とか、鞄とかのアイテムはあるくせにナイフとかそういうものが一切見つからないということ。

まぁ、大方私と同じような迷子が先に拾ってしまっているのだろうけども・・・。

しばし途方に暮れたあと、先程手に入れた変な鞄の存在を思い出した。

変な鞄・・・何が変かというと、物を入れても重さが変わらない上に、どう見ても鞄より大きなものが入るのである。RPGには欠かせないアレのようなものだろうか・・・と無理矢理納得しておいた。

変な鞄と凶悪なウサギを見比べる。


神様、このクエストは現代っ子には酷です・・・


自棄になって、凶悪ウサギを鞄にぶち込んだ。もそり、と鞄が動いた気がする。

気のせいだ、きっと。


・・・しかし、ぶち込んでみたのはいいが、他のものは大丈夫なのか?いやでも、出すのも恐怖・・・いやでも・・・なんて、それはそれで気になりだしてしまったので、仕方なく取り出す。


「・・・どういうこと。」


出てきたのは、三つ。


・肉

・毛皮

つの


角って、おま・・・いや、確かに生えてたけど。

変な鞄の謎は深まるばかりであった。



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