再会
飛行機で10時間。
そして、車で2時間ほど進んだところにリードヒッへ家の本家、つまり私の母の実家はあります。
お尻が痛いというより腰が痛いです。
空港にリードヒッへ家の車が迎えに来てたので、緊張しすぎていたのでしょう。
私は、あまり実家というものには行ったことはありません。
両親たちがあまり連れて行くのが好きではないみたいです。
恋のエスコートで車から降りて、伸びをしようとして腕を上げたら
「ようこそ、おいでくださいました、琴葉様。」
「!?」
「腕を下ろす早さがすごかったですね」
「そこ、関心するところじゃない!ただ、驚いただけだもん」
そう言って恋をキッと睨むと恋は我知らずという顔をして前に進んでしまいました。
だって、メイドさんが出迎えてるなんて知りませんよ。
普通の家で暮らしている人なら思いつかなくって当たり前です。
そう、自分で言い聞かせます。
「何しているんですか?」
「今行きます」
慌てて恋の後ろを追いかけて、屋敷の中に入ります。
屋敷は品の良い調度品がたくさんありました。
高そう・・・
壺やら、絵の中にひとつだけオルゴールがありました。
なんとなく、オルゴールに導かれて近寄って見てました。
「なんだろう。見たことあるような気がする・・・」
「え、覚えているのですか?」
「覚えてるっていってもなんとなく」
そうですか、と恋は言って、それでは、行きましょうと言って歩き始めた。
なんとなく恋の言い方が気になったが気にしないことにした。
恋の後ろを付いて歩いていると一つの扉の前で止まりました。
「おじい様の部屋ですよ」
「ここが、おじい様の部屋ですか」
「そうです。先にお母様がいると思います」
そういって恋は木製の扉を開けました。
「琴葉ぁ。元気だった?」
「うぎゅっ」
「心配だったのよぉ」
「離して。苦しい、苦しい」
「あら、ごめん」
「あらじゃないよ。窒息するから」
「だから、ごめんって謝ったのよ」
そういってケラケラと笑うのは私の母です。
母はとてもきれいな人です。
そして、私と真逆な体型です。
悲しい・・・。
「おじい様、こんにちは」
「あぁ、遠いところからよく来たね。疲れてると思うけど、さっそく話をしなくてはならないんだ」
そういって、おじい様は深刻そうな顔をして話を始めました。