表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
苦虫  作者: 青山 黒美
5/12

苦虫(5)

僕は辺りを見回した。


遠くの方で農作業をしている人が見えるくらいで、人の影はそれくらいだ。

古い家と、まだ新しい感じの家がいくつか見える。それらは対照的に見せ、時の流れを感じさせた。

あの頃からあったであろう家と僕の知らない間に建てられた家。


元々この辺は家が少なかった。

小学校の向こう側あたりに住んでいる人が多かったから。

僕ら三人の家は、此処よりも小学校から離れてる場所に在って、このすぐ目の前の横道を三人で歩いて通学していた。


何を話していたんだろ?

学校終わったら何して遊ぶとか、今日の給食何だっけとか、テレビアニメ…そんな話をしていた。

三人の中では大輔が一番よく喋って、僕はそれを面白く聞きながら歩いていた。

千里も笑っていた。


始めて、あの山に入ろうと言ったのも大輔の言い出した事だった。あの山の川で釣りをしている人を見たことがあるから、何か釣れるかもしれない。

僕は先生や親に、川へは近づいてはいけないと言われていた事を思い出しながらも、僕は大輔の好奇心に一緒になって、そんな注意を無視して楽しそうだと思った。

千里も行くと言った。

小学四年の夏休み間近の事だった。



僕は横道まで来て、立ち止まった。

あの山の登り坂が近くに見える。


僕は躊躇せず、登り坂に向かって歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ