表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放王妃は辺境で冷徹将軍と契約し、誰も知らない国を築く  作者: マルコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/10

第10話 誰も知らない国の始まり

夜明けを迎えた戦場は、血と炎と叫びに包まれていた。

隣国の兵は押し寄せ、城壁は破壊され、絶望が辺境を覆い尽くそうとしていた。


アリシアは負傷者の傍らに膝をつき、必死に包帯を巻く。

「諦めないで! 立ち上がれば、まだ戦える!」

その声に兵士が再び剣を握り、仲間たちが彼を支えた。


レオンは戦場の中央で大剣を振るい、兵を導いていた。

「退くな! この地は俺たちのものだ!」

血に濡れた彼の姿は、兵士たちにとって希望そのものだった。


敵軍の将が姿を現した。

黒鎧に身を包んだ隣国の武将が、高笑いを響かせる。

「寄せ集めの逆賊どもに、このアルヴェラの軍勢が負けるものか!」


レオンが剣を構え、前に出た。

「勝つのは数ではない。守るものがある者だ」


二人の剣が火花を散らし、戦場の視線が一点に集まる。

互角の剣戟。だが、背後でアリシアが領民と兵の声をまとめる。

「負けないで! 将軍様を信じて!」


その声は、兵たちの心を一つにした。


最後の一撃で、レオンの剣が敵将の鎧を打ち砕いた。

「これで終わりだ!」

敵将が倒れると同時に、隣国軍は崩れ落ちるように退いていった。


勝利の余韻に浸る間もなく、王都からの使者が再び現れた。

「王国はお前たちを逆賊と認める。今後一切の援助もなく、敵として扱う」


だが兵士も領民も、その言葉に怯えなかった。

「我らには王都はいらぬ!」

「アリシア様と将軍様がいれば、それで十分だ!」


レオンは使者に背を向け、アリシアの手を取った。

「聞いたな。……俺たちは、もう王国には属さない」


城の広場に人々が集まり、二人は壇上に立った。


アリシアは大きく息を吸い、声を張り上げた。

「私たちはもう王国の民ではありません!

この地に生き、この地を守り抜く新しい国の民です!」


レオンは剣を掲げた。

「今日より――ここに、我らの国を築く!」


歓声と涙が広がり、兵も領民もひとつになった。

誰も知らなかった辺境の大地に、新たな国が生まれた瞬間だった。


夜、静まり返った城の塔。

二人は並んで星空を仰いでいた。


アリシアは震える声で告げた。

「……契約婚ではなく、今度こそ本当の夫婦になってくれますか?」


レオンは無言で彼女の手を取り、灰色の瞳で真っ直ぐに見つめた。

「もう契約などではない。お前は俺の妻だ。国と共に、永遠に」


二人の唇が重なり、長い戦いの果てに初めて本当の愛を確かめ合った。


遠くで朝日が昇る。

燃え尽きた戦場の大地を照らし、新たな国の始まりを告げていた。


アリシアはレオンと共に立ち、未来を見つめる。

「愛も国も、自分の手で選んでみせる」


その言葉が、誰も知らない国の旗印となった。


物語はここで幕を閉じる。

だが、二人と新国家の物語は、まだ始まったばかりだった――。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

『追放王妃は辺境で冷徹将軍と契約し、誰も知らない国を築く』――

本作は、虐げられた一人の王妃が「ただの飾り」から「国を背負う存在」へと成長していく物語でした。


最初は契約婚として始まった二人の関係が、試練を経て少しずつ信頼に変わり、

やがて真実の愛と建国の誓いへとたどり着く……。

書きながら、主人公アリシアの強さと優しさに私自身も励まされる思いでした。


物語はここで一区切りですが、彼らの国づくりはまだ始まったばかり。

王都との確執、隣国の思惑、そして二人の未来には数多の試練が待ち受けていることでしょう。

もし読者の皆さまからの応援をいただければ、続編や外伝という形で「その後」も描いていきたいと思っています。


最後に――

この物語をここまで読んでくださった方へ、心より感謝を申し上げます。

ブックマークや感想、☆評価などをいただけると、次の執筆の大きな励みになります。


どうか、これからも二人と新たな国の行く末を見守っていただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ