魔族の商人 一
その後、私はエレガーティス侯爵領で、塩入りの美肌入浴剤を含む各種商品を、お試し販売する約束を取り付けた。
店の販路が広がりそうな予感がして嬉しい。
ルフェイ領から侯爵領まで、王都へ行くより短い日数で着く。侯爵様は「領内の長期滞在も許可しよう」と言ってくれた。先程の令嬢への対応といい、とても良い方だ。
心からお礼を述べると、侯爵様は「前男爵夫人にくれぐれもよろしく」と、笑顔で言った。
あ、侯爵様もルルディア様贔屓でしたか。
私が侯爵様と商売の話をしている間、クリスは子爵令嬢に軽く謝罪まじりに話しかけられて、渋々お相手をしていた。
商談が終わって、ふと気付いたときには、いつの間にやら他のお嬢様達も、クリスと子爵令嬢の周りに群がっていた。
エレガーティス侯爵の動きを見て、流行りに乗りたいと考えた、令嬢の自称友人達だ。
女性に囲まれたクリスの口元は笑みを作っているが、一人一人令嬢を確認している目は、品定めのようだった。
その後、擦り寄って来るご友人達に気を良くした子爵令嬢は、ずっとご機嫌に笑い声を上げていた。
やれやれ、楽しそうで良かったこと、と皮肉な気持ちになった。
少しして、庭に入ってくる人の流れが一段落した。広間の方では準備が整い、テーブルの上に皿が並んでいる。
やがて、王家の皆様が広間へ姿を現した。
昨日とはまた違う、豪華な赤と金色の衣装っぽいが、広間の奥に立っていらっしゃるので遠くてよく分からない。お揃いのようなのは察せられたが。
国王陛下が片手を上げて、何か仰せになった。多分、よく来たとか楽しめとかいうことだろう。わっと喝采を浴びて満足そうだ。
酒宴の始まりである。
国王一家の皆様が、一番良いテーブルの目立つ席へ腰掛けると、係の者の誘導で高位貴族から順番に席へ着いていく。
王室の皆様のテーブルが最も良い場所だ。特別席という感じで美しく整えられ、料理の他にも花が飾ってある。
そのすぐ隣の一番のテーブルは、王家に連なる方々のテーブルだ。婿入りした王子がいる公爵家がお使いになる。
特別席と一番テーブルは、お料理も大量で、鹿だか牛だか分からないが大きな塊肉を焼いたものとか、鳥らしき肉の丸焼きとか、派手で大変豪華なものばかりが盛られた、高そうな銀皿が乗っていた。そこに添えてある美しい金の壺と、配られた銀の杯が目立つ。
二番のテーブルは高位貴族達、こちらも一番のテーブルと似たような高級食材のお料理が並んでいる。また銀杯と金の壺もあった。でも、派手な感じは若干薄れる。
三番、四番、と順に貴族の位が下がっていき、合わせたように料理の質もそれなりになっていく。普通程度に大きな塊肉、丸焼きが串焼きに、陶製の壺と陶製の杯に変わる。
私達は末席に近いテーブルに案内された。身分差が明らかで、面白いと思う。
食事の方式は、各テーブルに給仕係がいて、各々が大皿にある欲しい物を注文し、取ってもらうやり方だ。
飲み物はワインか果実水。このワインの質等も、テーブルごとにおそらく違っているのだろう。こんな所でも階級が物をいう。
各テーブルにある壺の中身は、細かく砕いた塩だ。ルフェイ男爵領が献上した上質の岩塩だと思う。位の高い人から順に好きなだけ取っていく。
食事の作法は貴族教育で習った。
薔薇水の入った器と手拭きが用意されていて、これで手を清めながら料理をつまんでいただく。
基本は、とにかく見て不快になるような行為は禁止。音を立てずがっつかず、汚さず優雅に。
酒宴が始まってすぐ、貴族達は暗黙の了解の順番に従って国王陛下にご挨拶しに行き、ご招待のお礼を申し上げ始めた。
それらへ対応しながら、優雅に酒杯を傾ける王族の皆様。
私達の順番が来るまでかなり時間がありそうなので、その間に料理をいただいた。
私はフォスアンティピナが(いい匂い)と言った物を、順番に給仕係に取ってもらった。炙った塊肉や、串に刺さった鳥っぽい何かの他に、燻製肉、腸詰め肉。彩りよく豊かな果実類。
何というか、お料理は全体的に香辛料が利いていて、とにかく肉が多い。野菜は少なく、美味しいけれど、くどくて味が濃い。
よく、田舎料理は調理が単調で味付けが薄く、えぐみがあって雑だと言われる。が、王宮の料理はどうやって調理したのかと思うような複雑な風味で、こってりしっかりめの味付けだ。一つ食べて次の料理へ進むために、一度舌を休ませて飲み物が欲しくなる。
もう少し香辛料は控え目で良いのに。オストアルゴの料理の方が好きな味だ。こっそり果実水の入った自分の杯へ滋養液を垂らし、一気に飲み干した。
周囲をうかがえば、同じテーブルの人達はみんな喜んで料理を食べている。はっきりした味が王都の貴族達の好みなのかも。
……今度、侯爵領向けに王都風の調味塩を調合してみようか。
後追い商品上等だ。うちの店の入浴剤だって物真似が出ている。より良い物を考えることは大事だ。
しばらくして、クリスがそっと手で合図したので共に席を立ち、国王陛下がいる一番上座のテーブルへ向かった。まあまあ腹が満たされたので、丁度良い頃合いだろう。
国王陛下が座る席の横に、王太子夫妻がゆったり腰掛けていた。反対隣には王妃様が座っている。幼い王孫達は酒宴に出ていないようだ。
やはり皆様、装いを揃えたようで、金の装飾品と濃い赤に染めた生地に、豪華な金の刺繍と袖が広がった衣装だ。国王陛下は頭の上に略冠を被り、王妃様も結い上げた髪の上へ小さめの冠を乗せている。
そのテーブルの近くで、あの異国の香炉が微かに細く白い煙を出していて、遠慮がちながらも燃焼臭を放っていた。夏の虫除けだろうか。
(……臭い匂い。不味そう。これ嫌い)
フォスアンティピナがこぼす。
私達夫婦がご挨拶にうかがうと、まず美貌のクリスへ貴い方々の視線が注がれた。次いで私をちょっと見た。緊張する。
型通りのお礼を言い深く頭を下げた私達へ、陛下は口元に薄い微笑を浮かべると「楽しんでいくが良い」と仰った。笑顔っぽいが目が笑っていない。
王族は内心を悟られぬよう、感情を顔に出すことがないとか。流石、国の天辺に座する方々だ。何を思ったのかさっぱり推し量れない。
(ちょっと分かる。疲れたときの匂い)
そうなのか。確かに、大勢から次々と寄せられる挨拶に受け答えするのは疲れそうだ。
国王陛下は、目当てのルルディア様がいなかったせいか、鷹揚にうなずいて私達をすぐ解放してくれたので、予定通り早々と退出した。
宿へ帰り着くと、クリスが褒めてくれた。
「お疲れさま。エレガーティス子爵令嬢には腹を立てただろうに、よく我慢したね。偉いよ。それにしても、ティーは良い個体を引き寄せる。あの子は集まった中でもかなりいい匂いがしていた」
(うん、すごく美味しい予感。でもあの個体は駄目。我慢する。それより、ティシアの仕事ができた)
「ああ、そうね。ありがとう。クリスのお陰で良い商売になりそう」
「どういたしまして。どちらかと言えば侯爵のおかげかな」
「そう言えばお声がけいただいたけれど、侯爵様と、前の男爵様とルルディア様は、お親しかったの?」
聞くと、クリスは意味深な微笑を浮かべた。
「ちょっとね。昔、ルフェイ家がまだ塩を手にしてなくて、凄く貧乏だった頃、エレガーティス家から借金をしていてね。そのどうしようもない時期に、男爵が夫人のルルディアと一緒に返済の猶予を願いに行って、その時彼と初めて会ったんだ。それからずっと、彼はルルディアを気に入っていたよ。
その後で塩を見つけて、ルフェイ領はどうにか持ち直しただけど、エレガーティス侯爵の父君は色々あって、ルフェイ家が借金返済後、急逝した。現侯爵の彼は、まだしも良識ある男だったから、後を継ぐことになったんだ」
「まあ。その話、家庭教師は教えてくれなかったわ」
「大貴族の前エレガーティス領主の逝去はともかく、小物のルフェイ男爵家の借金なんて、話題にもならなかったよ。良くある話のひとつだ。普通の教師は知らないと思うよ。それに、二十何年も昔のことさ。
さあ、荷物は馬車に積んであるから、急いで帰ろうか」
私達はとうに出立準備を済ませてあったので、宿の主人に「また四年後も頼みます」と言い置いて、その日の内に王都を後にした。
かなり後日になって知ったが、帰路についた後で、私達が泊まった宿へ手紙を持った使いが何人か来たそうだ。いくつかの貴族から食事やお茶のお誘いがあったらしい。
もし、それに応じていたら、まだまだ帰れなくなっていたかも知れない。
けれど、帰途中の私の頭は商売のことで一杯で、知る由もなかった。
行きと同じ道筋をたどって王宮から帰れば、ルフェイ領は夏の終わりにさしかかっていた。
エクディキシ商店のルフェイ領本店は、私の最初の店だ。ハーブ入り調味塩を作り、塩入り入浴剤を作って販売を始めたところ。
この店舗は実は小さめで、取り扱う塩関連の商品を一通り置いているが、あまり量は多くない。しかし、近くに作業場と倉庫があり、そちらで商品の制作と管理、保管をしている。
店先にあまり商品を置かず、どうやって稼いでいるかというと、本店で直接客に小売りするよりも他へ卸している方が多い。
商品の主な販売先は、領内の食品店や日用品店などだ。
だから、本店へ来る客の半分が小売り店主等の商人だ。彼等は買い付けとたまに出る新商品の確認にやって来て、注文と配達日を決めて用が済んだら手ぶらで帰る。
私は本店で、新しい大口のお客様となりそうな、エレガーティス領へ持ち込む商品を選び、あちらで商品を売る手筈を整えていた。
しかし……人手が足りない。売り子が少ないのだ。
本店にいるのは必要最低限の人数で、皆仕事をよく分かっている。上客に対する態度も教育済みだ。が、少数精鋭で仕事をしているので、現場に欠かせない。支払う賃金も高めだ。従って、動かせない。
他の、調味料や入浴剤の制作方法を知る作業員なんかは、もっと絶対に余所へ出せない。調合に関する情報を外に漏らさないよう、誓約書を交わしているほどだ。
そういう訳で、エレガーティス領へ派遣するのが難しい。
ひとまずカシィコン領の支店で希望を募ってみたが、地元で働きたいという要望が多く、出張してみたいという人は少なかった。
これから寒い季節になるというのも良くなかった。特別手当てを出すと言ったら手を上げた人が二、三人いたけれど、冬前に戻るのが前提ならと言う。困ってしまった。
それで、クリスに相談した。すっかり彼に頼る癖がついてしまっているなあと思ったが、他に相談先もないのだ。
「エレガーティス領での売り子の人手が足りなくて。店員の何人かはあちらの領へ行っても良いと言ってくれたんだけれど、みんな寒くなる前に戻りたいようなの。それであまり長くあちらに置いておけないから、どうしたら良いかと悩んでいるんだけど……」
「じゃあ、森の館に声をかけて、誰か商売をやってみたい者を集めてみようか」
すると、あっさりそう言って、すぐにクリスは魔族を数人用意してくれた。
その中に見たことのある顔があった。
陽気そうな雰囲気と赤茶けた髪色の男性型魔族だ。
「お久しぶりです、男爵夫人。私のことはどうぞオラニオとお呼び下さい」
そうだ、昨年クリスと同じ婚姻の儀式に参加していた魔族の、オラニオトクスだ。
オラニオトクスは、手伝ってくれるという他の魔族と一緒に本店へやって来た。本店の店員達が美形の魔族達に少しざわめく。
「では、オラニオさんとお呼びします。それにしても、ルフェイ領にいらしていたのですか。知りませんでした」
「たまたま森の館へ立ち寄って、お世話になっていました。他領でのお仕事と聞いています。良い機会なので、是非お手伝いさせて下さい」
「ありがとうございます。そう、エレガーティス領になります。クリスの紹介ですし、即戦力になると期待しています。皆さんを雇用致しましょう。私のことは店主と呼んで下さい」
「かしこまりました店主様。念のため、あちらでの注意事項はありますか?」
少し考えて情報を伝えた。
「そうですね……。ご領主のエレガーティス侯爵様は、穏やかで良き人です。ルルディア様を気に掛けていらっしゃいました。侯爵様の弟君がエレガーティス子爵で、その御令嬢が入浴剤をお求めでした。
……これは独り言ですが、御令嬢は大変お若く女神信徒で貴族主義です。また、流行りものがお好きで噂好き、御気性は激しいとお見受けました。お知り合いは高位貴族にも多そうですから、気を付けて上手く立ち回る必要があるかと思います」
(あの個体、美味しそうだった。でも食べたら駄目。後が面倒臭いから。我慢した)
お節介かもと思うが忠告しておく。私の中でフォスアンティピナが感想をつぶやいた。
「おお。貴重なご助言ありがとうございます。ご期待に添えるよう努めます」
「こちらこそ、手伝ってもらえると助かります。皆さん、よろしくお願いします」
オラニオはにっこり笑顔で答え、他の魔族らもまた、笑顔で請け負った。
エクディキシ商店エレガーティス領出張斑の店主代行は、オラニオが担ってくれることになった。
彼はもともと商隊の一員だったので、商売ごとに強いという。
そして彼は、死んだ契約者ターシーの代わりになり得る、新しい『揺りかご』を探していた。
ひと月して、早くもオラニオから連絡があった。エレガーティス侯爵領で仮の場所を用意してもらって、露店で商売したり、時々裕福な客の屋敷へ呼ばれて商品を持って行ったりしていたが、かなり評判が良いので、正式に支店を設けないかという話だった。
内容を聞いて、こめかみに手を当てた。
普通は周囲の競合店の様子をうかがったり、土地の雰囲気を見たりして、もっとじっくり検討してから出店を決めるものだ。軽く支店を、などと言ってよこすのは、あまりに判断が早すぎる。
私が渋い顔をしていると、連絡を持ってきた男性型の魔族は、なんだか楽しそうに言った。
「そんなに考え無しな話でもないのですよ。例の子爵家が熱心に勧誘してきまして。どの商品も人気があるのは本当ですし、仮でなくちゃんと店舗を置かないのか、と客にも何度か聞かれています。
また、それとは別に、『揺りかご』候補がいくつか見つかったので、腰を据えて見極めたいと何人かから意見が出ています」
「あぁ。そういうことですか……」
「はい。長の契約者で『揺りかご』のティピナ様。我々一族のためにご協力いただければ、嬉しく思います」
私が契約者であることを持ち出すのは、ちょっとずるいと思う。魔族の言い方には、断りにくい感じがあった。
即答を避け、慎重に返答した。
「……お話はわかりました。一度クリスと話してから決めます」
その夜、クリスに事情を伝え、未だ人間の人手があまり集まっていないまま、エレガーティス領に支店を作っても大丈夫だろうか、と相談した。
話を聞き終えたクリスは、簡単に「あちらの領から出た要望だし、かまわないと思うよ」と言った。
「じゃあ、ちゃんとエレガーティス領支店で店員を雇って体制が整うまで、魔族の皆に引き続き手伝ってもらうことになっても良いかしら」
「うん。手伝わせてやって欲しい。君の好きに働かせてかまわない」
「そう。……まだ続けてもらえるなら、ありがたいわ」
「いや。我々にも『揺りかご』探しの範囲が広がるという利点がある。ルフェイ領近隣だけでは、どうしても片寄ってしまうからね」
機嫌良くクリスは「何なら、更に魔族を送り込んで欲しい」とまで言った。
魔族達が色々と優秀なのは分かっているが、新たな狩り場にするためだろうかと思うと、どうもためらってしまう。
それでも私は、追加の商品や開店資金と共に、クリスが選んだ魔族を何人か送って、人間の帰郷希望者と入れ替えた。
なぜなら、『揺りかご』の私に許されている自由は、一族の繁栄を妨げないことが前提だったからだ。
私の意思で魔族達を拒むことも出来る。だが、現状を考えれば、結局人手が足りないのだ。するとやっぱり魔族を頼って送り込むしかなく、彼等に協力したことになってしまう。
だったら開き直った方がましだ。優秀な彼等に期待しよう。
私は新たにいくつか条件を付け加えた上で、魔族の店員達へ出店の準備を始めると連絡した。
そうして冬の間、私はルフェイ領の本邸で、エレガーティス領での商売を案じながら過ごした。
寒い時期に遠方へ視察に行くのを、クリスが心配したため、遠出が出来なかったのだ。そういうところはやっぱり過保護である。
仕方がないので、王都風の調味塩を色々と試作した。
塩味強めで辛味も強めだ。他に、干した茸類を粉末にして入れてみたりもした。
また領内の飲食店でお試ししてもらい、感想を聞こうと思う。
後日、商品補充の際に届いた報告によると、見目も良く優秀な魔族で固めた出張販売は、当然のように上々の成果を出し続けているようだ。
なんと、王都近辺からも買いに来る客がいるという。繁盛振りが逆に怖い。
次の報告では、支店の店舗用にちょうど良い現地の居抜き物件を手に入れた、と連絡があった。
素早い。優秀にも程がある。とんとん拍子過ぎる。
そこで早速、カシィコン領支店をお手本に店内を整えたいとのこと。幸いカシィコン領はルフェイ領よりもエレガーティス領に近いので、支店を見学しに行きたいとあった。
クリスが、カシィコン領の支店なら隣領だし、まあ、行っても良いだろう、と私の外出を了承した。それで私と都合を合わせ、オラニオがカシィコン支店へ来ることとなった。
私はいつものように、護衛と侍女付きで支店へ向かった。
黒っぽい外套と手袋でしっかり防寒する。
ルフェイ家の本邸を出たときは少し晴れ間が見えていたが、どんどん曇り空になって肌寒い日になっていた。
支店に着くと、先にオラニオがたった一人でやって来ていた。自ら小さめの荷馬車で乗り付けて、ついでに色々商品を搬送するつもりらしい。身軽で行動が早い。
「店主様、お時間頂戴しまして、ありがとうございます」
にっこりと明るく言う様子に、カシィコン支店の女性店員達が色めき立つ。
気持ちはわかる。魔族は美しい。赤茶色の髪に澄んだ緑の目、陽気そうな雰囲気と、革の外套の上からも分かる、ほどよく引き締まった体つき。女性客に人気が出そうだ。
「ようこそカシィコン領支店へ。わざわざ来てくれたのだから、どうぞ好きなだけ見ていって下さい。質問があれば遠慮しないで聞いて下さい」
彼を支店長に紹介し、商品の説明をしながら私が店を案内した。
なんとなく彼の相手は人間の店員にさせたくないと思った。獲物に認定されそうな気がして。




