“俺の親友がさ、キミの事が好きなんだって!” そう言いながらも俺の方がキミの事を好きなんだけどな。
“俺の親友がさ、キミの事が好きなんだって!”
そう、キミに言いながらも俺の方がキミの事を好きなんだけどな。
そう想いながら、俺はキミにそう言った。
なんか切ない。
俺の方が先に、キミの事を好きだったのにさ!
“キミは知ってた?”
そんな事も簡単に言葉にしてキミに伝えられない。
それにさ、キミに俺の親友が好きだなんて言ったら? キミは親友と
付き合うかもしれないのに、それでも俺はいいのか、、、?
あの時の俺の心は張り裂けそうな想いだった!
言ってはいけない言葉をキミに言ったような気がする。
そりゃ~親友の事は大事に想ってるよ。
でもさ、それとこれとは別じゃん!
“親友であっても、キミを誰にも取られたくない!”
そんな俺の想いに反して、キミは俺にこう言ったよね。
『“少し考えさせてほしいって、伝えててくれる?”』
『・・・あぁ、ううん、』
・・・キミの返事は、どっちなんだろうな?
アイツの事が嫌いなら、キッパリと断わるはずだろうし。
俺はキミの答えが知りたい、けど知ると辛くなるなら知りたくない!
少しは気になる存在なのか、“考えさせてほしい”なんて言い方曖昧で怖いよ。
ひょっとしたら? “アイツと付き合う可能性もあるって事だよな。”
まあ、俺が彼女にそう言ったんだけど。
なんか嫌だな。
“本当にアイツとキミが付き合ったらどうしよう?”
今更、後になって後悔するなんてさ。
カッコ悪いけど、あの時の俺はああするしかなかったんだ!
親友のアイツにキミが好きな事を訊いて、どうしても協力するしかなかった。
“俺がお前の代わりに、あの子にお前が好きな事! 伝えてやるよ!”
俺がアイツにそう言うと? 泣いて喜んだんだ!
正直、親友の俺の前でもなかなか泣いたところなんか見せない奴でさ、
あの時の俺はアイツに協力するしか考えられなかったんだ!
・・・だけど今は、物凄く後悔してる。
“俺さ、お前よりあの子の事が好きなんだよ”ってアイツに言えない!
俺はどうしたらいいんだろう?
俺の願いが叶うなら、“アイツとはせめて付き合ってほしくない!”
他の男なら、まだ我慢できる!
でもアイツはイヤだ。
親友だし、俺とは切っても切れない仲だし。
“キミと俺は、友達以上恋人未満。”
この先、アイツが居る限り! キミと付き合いたいという考えも捨てな
きゃなんないどろうしな!”
*
・・・キミの返事がどっちか分からず、悩んで眠れない俺の3日後。
キミは俺を呼び出し、こう言った。
『“なんで? 私の事! どうでもいいの?”』
『えぇ!?』
『“本当に私が、神坂君と付き合っていいの?”』
『・・・・・・』
『“鐸郎は私の事、どう想ってんの?”』
『・・・・・・』
『後悔しないんだよね! 私が神坂君と付き合っても!』
『やっぱりダメだ! アイツと付き合ってほしくない!』
『“じゃあー私にどうしてほしいの?”』
『“俺と付き合ってほしい!”』
『いいよ。』
『えぇ!?』
『最初っから、そう言ってほしかったな。』
『・・・あぁ、ご、ごめん。』
『別にいけど、神坂君には申し訳ないなって思う! 鐸郎から断っておいて!
それと、親友だからって彼に嘘とかつかないでね!』
『・・・あぁ、ううん。』
『じゃあ、また連絡する!』
『うん。』
俺にとっては、“最高の言葉を彼女からもらえた!”
でも? アイツに俺は何て言ったらいいんだろう、、、?
しょうがない! 正直にアイツに言うしかないな!
『“本当にすまない!”』
『えぇ!?』
『“お前の事、あの子に気持ちを伝えたんだけど、俺はその後凄く後悔してて
俺の方がお前よりあの子の事、好きだったからさ、だから、ずっと黙ってて”』
『“オレ? あの子に、フラれたんだな。”』
『・・・あぁ、』
『“そっか、お前ならいいよ! オレが好きになった子だけど仕方ないと
思うし! 諦めもつくわ!”』
『・・・ご、ごめん、』
『オマエもあの子の事、好きだったんだよな! 気づいてやれなくて、
オレの方こそゴメンな!』
『・・・な、なんでお前が謝んだよ! 俺の方こそゴメン。』
『“じゃあーこれで仲直りだ!”』
『あぁ!』
『オレも早く! 次の恋、探すわ!』
『うん。』
今の俺は、“大好きな彼女と親友と仲良くやっている!”
アイツは今は好きな女の子がデキたらしい。
俺は彼女と仲良くやってるよ。
これからも! “親友と好きな子を俺はどちらも大事にしていきたい!”
そんな想いをいつも持っているんだ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。