一日目 阿紫上敦也
「だから人の画像フォルダ勝手に見るなって言ったでしょっ!!」
まったく、そんなに怒ったらすぐ老けるぞ。思っていても口には出さないが。
「この前も言ったでしょっ!」
そういえばそうかもしれない。
「大丈夫、第一位の画像とかは一切見てない。」
まぁもちろん見たが。
「それは見たやつの発言じゃないっ!どこが大丈夫なのよっ!」
おっとバレたか。
「璃子の趣味はこの前見たからもう知ってる。」
璃子はこの趣味がバレたくないからフォルダにパスワードをかけているが、パスワードなんてスマホに入って暮らしている俺にとってないも同義だ。そもそも演算が生死に直結する俺にとって二進法などほぼ母国語だ。
そう思いつつ璃子の心を読むと、なんだか懐古厨に入っている。いよいよ老けてきたかと思いつつ、
「にしてもそんなに好きなの第一位。フォルダいっぱいあったけど。」
というと、堪えたらしく顔を赤くしていた。
「どこが好きなの?」
と聞くと、
「青髪のとことか、目が赤いとことか、能力いくつも使えるのもかっこいいし、……」
とか列挙し始めた。俺は頬が赤くなるのを感じた。
「ん”ん”んっ」
流石にそろそろ恥ずかしくなってきた。
何を隠そう、俺がその《《第一位》》なのだ。
純度100%の好意にあてられて顔が赤くなる。
「どうかしたの?」
璃子が不審そうな目で見てくる。
それもそうか。
「何でもない。」
どうにかしてるとすごい言いたいが堪えてそう答える。
これは第一位の俺とそれを知らない幼馴染の坂田璃子との非日常的な日常の物語。