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阿紫上敦也の日常  作者: 唯月逆音
1章
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一日目 坂田璃子

◆坂田璃子◆

「だから人の画像フォルダ勝手に見るなって言ったでしょっ!!」


私、坂田璃子は《《スマホに向かって》》叫んだ。

これだけ聞くと何叫んでるんだ、と思うかもしれない。しかし許してほしい。誰しも見られたくない画像の一つや二つ持っているものだ。


「この前も言ったでしょっ!」


私はもう一度《《スマホの中に》》いる彼(?)に叫んだ。


「大丈夫、第一位の画像とかは一切見てない。」


「それは見たやつの発言じゃないっ!どこが大丈夫なのよっ!」


逆にそれ以外に見られたくない画像は入れてない。

この趣味はできるだけ知られたくないのだ。


「璃子の趣味はこの前見たからもう知ってる。」


ほんとにこいつはたまに人の心を読んでいるかのような発言をする。


私が「こいつ」と言っているのはもちろん幼馴染の阿紫上敦也のことだ。基本的私のスマホに入っており、本人曰く外にいるのが面倒くさいとのことだ。


極まれに外にいるとき(私は見たことがない)身長180cmで体重50kgらしい。スマホにいるときは身長10cmで体重2MBだ。


星座は天秤座で9/23生まれ、食事しているところも寝ているところも見たことがない。本人曰くそれも楽で私のスマホにいるらしい。こちらとしては迷惑千万だが、いつの間にか入ってくるし仕方がない。


「学校」もそれでOKしているのだから驚きだ。

「学校」といったが、能力開発学校のことだ。

能力について学んだり、自分の能力を伸ばすのが能力開発学校だ。

種類や範囲、能力の強さに差はあれど、大部分の人が能力を持っている。この世界で「学校」は大きな意味を持つ。


この都市では能力の強さや利用しやすさにより、全員がランク付けされている。

まず、能力がない《ゼロ》、

あってもあまり効果がない《レベル1》、

日常生活であったら便利な程度の《レベル2》、

素手でもも拳銃などを持った者に勝利できる程度の《レベル3》、

戦争で戦車数台分の働きをする《レベル4》、

一人いるだけで通常の国家間の戦争に勝利でき、生物兵器とも呼ばれる《レベル5》という感じだ。


私はレベル2の能力者で、触れたものをなおせる修理御手リペアハンドを持っている。割れたマグカップからちょっとした切り傷までならなんとかなる、意外と便利な能力だ。


さっき話に出た第一位というのは十三人しかいないレベル5の内最強の人で、世界で最強の能力者とも言える。十三人という数字に因果を感じるが、おいておこう。

このレベルまで来ると能力が暴発したときの反動で大変なことになるので演算してから能力を使うらしい。そのときに背後に後光のような演算環をだす。それが円に近いほど演算が正確で、中の円の本数ぶん並立暗算をしている。

第三位以上はいくつもの能力を操るので別格の強さだ。特に第一位はほぼレベル6と言ってもいい。


敦也は学校ですらスマホから出ないので、能力の実技テストをしているところを見たことがない。

スマホに出入りしているのもなにかの能力だと思うがどうだろうか。


最初、性別が?といったのには理由がある。

そう、敦也はスマホの中では女子の姿でいるのだ。それも、そこらへんの女子よりはるかに可愛い。

髪は青色、ジャージも青色、目は緑色、両側で長さの同じツインテール。男だと知っていても可愛いと思ってしまう。


…閑話休題。


「第一パスワードでロックしてるフォルダどうやって開けたのよ。」


「パスワードなんてないも同然だよ。ちょっといじればすぐ解ける。」


こいつはみんなから“昼行灯”とか“アシ”とか呼ばれてるのにこういう技術は高い。昼行灯はそのままの意味で、アシは苗字の最初とアシスタントをかけている。どちらもちゃんとした仕事をしてないってことだ。


「にしてもそんなに好きなの第一位。フォルダいっぱいあったけど。」


そりゃもちろん。反射で頷きかけて踏みとどまる。

あれを全部見たのかと思うと顔が赤くなる。


「どこが好きなの?」


もう好きなことで話が進んでる。


「青髪のとことか、目が赤いとことか、能力いくつも使えるのもかっこいいし、……」


「ん”ん”んっ」


何?

私が不審な目で見つめると、頬を少し染めていた。


「どうかしたの?」


「何でもない。」


これは私と幼馴染の阿紫上敦也の非日常的な日常の物語。

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