4話 隣人の正体
風呂場の扉には、小柄な男が立っていた。その男の顔は、酷く焼けただれて、痛々しかった。私は、思わず目をそむけた。
「ヤット アエタネ オヤツサン・・・イヤ サエサン ダッタネ」
私のハンドルネームを知っている・・・やっぱり、この男がネオなのだろう。それにしても、やけに機械的な声だった。インターネットでは、やさしい文書で私を和ませてくれていた人物は、私の勝手な理想像を跡形もなく粉砕した。
「キミノ コトハ ズットキニナッテ イロイロシラベテタンダ デモ マサカ オレノ トナリニヒッコシテ クルナンテ ウンメイダネ」
隣に引っ越す?まさか、今まで私は隣人とメールのやりとりをしていたというのだろうか?そして、こともあろうに・・・こんな男の隣の部屋で・・・1ヶ月も過ごしてたなんて・・・
「私をどうするつもりなの?殺すつもりなの」
恐怖する心とは裏腹に私の口調は冷静な言葉を発した。
男はゆっくりと私に近づくとおもむろに、私の体を洗い出した。すごく気持ちが悪かった。でも、私の体は脳から発する命令を無視して、男の腕の中に身をまかせていた。男の腕の感触が、神経を伝って、私の脳に送られてくる。嫌だった。でも、薬か何か飲まされたのか、体を動かすことすらできなかった。
「コレカラ キミト オレハ ヒトツニナルンダ」
その言葉を聞いたとたんに一つの望みが湧いた。ヒトツになるということは、この男に犯されるということであろう。犯すということは、殺すということにはつながらない。でも、犯されるということは、私たち女性にとって殺されると同義語である。女性にとって、最大の屈辱だ。よく、レイプ魔の話を聞くが、その話を聞くたびに怒りを抑えられない。
それでも・・・・赤ちゃんが助かるのなら、私はどんな屈辱だって我慢できるだろう。この男だって人間である。体が目的ならば、お腹の赤ちゃんのことを話せば、解放してくれるかもしれない。
男は、私をお湯から出し、体を丹念にタオルで拭いた。そして、私を風呂場から出すと、部屋に連れていった。
その部屋には・・・巨大なバーナーと、巨大な鍋が置かれていた。
「オレハ キミヲ タベテ ヒトツニナルンダ コレデ ボクト キミハ エイエンニ ヒトツダヨ」
つづく・・・




