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無職のおっさんはRPG世界で生きて行けるか!?Refine  作者: 田島久護
第一章・引きこもり旅立つ!
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第13話 引きこもり、ギルドに登録する!

「じゃあここに記入して頂戴。夕食前だから冒険者の人たちは少ないけど、もうそろそろ増えてくるはずだから」

「あ、ど、どうも」


 俺はぎこちなくカウンターに近付き記入しようとしたが、ファニーがまたもや俺を追い越しカウンターに行き、さっさと記入してしまった。


「はい、どうも。これで貴方達はこの街、エルツの冒険者ギルドに所属することになりました。ギルド証を二つお渡しします。無くさないようにね。初回は無料だけど、紛失すると発行するのに銅貨百枚は掛かるから」

「は、はい」


 貨幣価値が全く解らないが恐らく安いと気軽に無くす人もいるだろうから安くはないんだろうなと言うのは分かる。


「二人とも前に並んでくれる?一応貴方達の力とかを測らせてもらうから。仕事を回すのに目安が無いと困るし」


 俺はファニーの横に立つ。何故かファニーに肘で脇腹を強めに突かれ一瞬顔が歪んだ。


「……貴方達以前はどこのギルドに居たの?」


 ミレーユさんは怪訝そうな顔をして俺達を見た。まぁ確かに俺もファニーもこの世界の一般とはかけ離れているだろうからそう言われるとは思っていた。


「いえ森で狩りをしつつ生計を立ててたんですがゴブリンが増えてしまって。それで冒険者ギルドに登録して資金をためて、ゴブリンを追い出そうと思いまして」


 俺は面倒になる前に適当な話をでっち上げた。ただ流石引きこもって居ただけあって早口で捲し立てるようになってしまった。自然にしようとして失敗したパターンである。


「なるほどね。貴方の場合は力と魔力が突出しているだけで後は平均以下だから一応納得しておくわ。御隣の娘に関しては悪い雰囲気はしないし低めにして二人に仕事を回すわね。この街は初めてみたいだし、仕事始めは簡単なものにしましょう」

「あ、有難う御座います……」


 どうもミレーユさんの前だと引きこもり体質が顔を出してきて上手く喋れない。ミレーユさんはそんな俺を置いて用紙をカウンターの下から取り出した後、カードを二枚出した。


「これが初めの仕事の詳細が書いてあるものでこのカードがギルド証。ギルドに関しての決まりごとは、仕事の詳細が書いてある紙と一緒に渡しておくから読んでおいて頂戴ね。違反すると最悪ギルドから追われるから気を付けて」


 怖い事をサラッと言うので俺は戸惑うがそれを見透かしたのか


「大丈夫。一般常識的なものがほとんどだから。それにギルドに追われる様な事になったら大体兵隊にも追われるてるだろうし」


 と安心させるように言われ俺は黙って頷いた。何だろうこのミレーユさんの安心感と言うか何があっても相手を落ち着かせてしまう力と言うか。


ミレーユさんのような女性が窓口の役割を担ってくれて居るととても有り難いし助かる。俺みたいなのは特に人と話すのが苦手だし。


「説明有難う。で、この近くに根城に出来そうなところは無いか?」


 ファニーは俺がもう少し聞きたい事があったのを手で制止しミレーユさんにそう尋ねた。


これからお世話になるしまた改めて尋ねよう。ファニーの機嫌が悪い方が今は問題だ。


「それならうちの二階を使って頂戴。あいにく部屋の数が少ないから別々の部屋という訳にはいかないけれど、それでも良ければ」

「大いに結構。案内して頂こう」


 ファニーはミレーユさんが話し終わるか終わらないか位でそう言った。俺は一人あわあわしつつそれを見守る他無い。


何だかファニーはここに来てからずっとツンツンしてて怖い感じがする。冒険者ギルドに何か嫌な思い出とかあるのだろうか。


知り合ったばかりだからご機嫌を取る方法も思いつかないしここはファニーのしたいようにさせて何か失礼があれば謝っておこう。


「はいはい、じゃあ二人ともこっちへどうぞ」


 ミレーユさんは目を閉じ小さく笑いながらしょうがないわねと言った感じでファニーの態度を受け流してくれた。


そして後ろにあった棚からカギを取るとカウンターを出て俺たちの後ろを通り過ぎて少し先のところで左に曲がった。

すぐにそれを追おうとするがまたファニーに押しのけられてしまう。


 トントン拍子に今日の宿も決まり野宿をせずに安堵しつつも何だか落ち着かない心地のまま、ミレーユさんに案内された部屋へ入るのだった。

読んで下さって有難うございます。宜しければ感想や評価を頂ければ嬉しいです。

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