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生きたくない男、生かせたい女
不幸は平等に与えられ、幸せは不平等に与えられる。
そんなことを最後に思いながら屋上の縁に立っていた、男子高校生。
そんな中もうひとり屋上に来た女がいた。
「何をしているの」
見てわかりそうなものだがその女は俺に尋ねてきた。
「見てわかるだろ、死ぬんだよ今から。お前もそのために来たんだろう?」
しかし女から返ってきた言葉は意外なものだった。
「違う、あなたを止めに来た」
不思議に思った。なぜ見ず知らずの女に止められなければならないのか。不思議で仕方がなかった。
「そういうのは求めていないんだ、俺は決心したんだ見ず知らずのお前が止める権利はない。帰ってくれ。」
だがなぜか女は真っ直ぐな目で、
「それでも止める、しかも知らないかもだけど私あなたの隣の家だよ」
「は?」
そんな不思議な出会いから始まった二人の物語だ。




