王都探索!
「すみませ~ん!お店を出したいのですが」
「お嬢ちゃんが?」
「はい!引っ越してきたばかりで勝手がわからないのですが」
「引っ越しか。家族は?何かあったのか?」
伏し目がちに悲しそうな表情をする
「両親は亡くなりました。私が小さいときに。前にお世話になった孤児院が経営難でつぶれてしまって」
「それは大変だったな。じゃあそこの角曲がったところが運営だからそこで届けだしな。すぐ許可もらえるよ。12時までだから急ぎな」
「ありがとうございます!」
「ただなあ、姉ちゃん、そんなに商売は甘くないよ。困ったことがあったら俺に言いな」
「頑張ります!よろしくお願いしますね!」
ニコッと微笑むと、健気な少女に微笑み返すおじさん。さて、私の生活をかけた戦いがはじまる。王都で店を出して成功する方法、それはただひとつ、周囲を仲間にいれることだ。
今の私は幼い頃に両親を亡くして孤児院で育った10代の女の子。努力家だけど少し抜けてる。頑張ってますオーラが大切ね。
「すみませ~ん!こちらが運営さんですか?」
「そうだよ。どうしたの?」
「お店を出したいんです」
「あなたが?」
うなずくと、運営のおばさまが棚から書類を出して渡してくれた。書類と地図を指しながら話し出した。
「ここに名前を書いてくれればいいから。どんなお店を開くの?」
「はい!飲食店です。お持ち帰り専門の」
「じゃあここでいいわね。あなたいくつ?ご家族は?」
「17です。両親はいなくて、以前いた孤児院がなくなってしまったので引っ越してきたんです」
「それは大変ね。困ったことがあれば私に言ってね」
「ありがとうございます」
ここの王都の人達はいい人が多いのかもしれない。ラッキー!
地図を見ながらたどり着いた場所はまあまあ良い立地だった。
よし、朝までお店の準備だ。