はじめまして国王陛下
城内は青を基調としたシックなデザインだった。お城って青いの?私、白だと思ってたのに。
これまたお高そうな壺だの絵画だのが沢山あるものだ。何があったときは売ってしまおう。
「トレーヌ王国の王女様でしょうか」
「ええ」
「私、宰相のソレイユでございます。宜しくお願い致します。これから王女様には王へ謁見していただきます」
「わかったわ」
「侍女の方は別室にご案内しますのでこちらで案内の者をお待ち下さい」
そう言って歩き始めたソレイユ様に着いていく
いきなり話しかけられたのに、驚きを隠して王女らしい振る舞いをした私をだれか褒めてください。私、ちゃんとしようと思えば出来るじゃん。これが王女スペックか?あ、この花瓶、前に割っちゃったのに似てるわ~
「こちらでございます」
なんでこんなに扉が大きいの?王は巨人か?無駄に大きいのとか高い所が好きな人っているよね。ばかと、、
「陛下、トレーヌ王国の第一王女が到着されました」
「入りなさい」
扉が無音で開いた。さすがお城。これが貴族の屋敷だったらガタガタ音がなったりするのよね。
あ、入っていいんですね。
「顔をあげよ。長旅ご苦労であった。私が当カナリウム国国王のエルウィンだ。」
とりあえずやってみたお辞儀をやめると随分と高そうな衣装に身をつつんだ20代前半、身長180cm前後の男性がいた。高そうじゃなくて高いのか。
「お初にお目にかかります。トレーヌ王国第一王女でございます」
「名はなんと申す」
「、、ピグレットでございます」
名前を度忘れしてしまった。とりあえず王都で人気のキャラクターの名前を名乗ってみた。
「そうか。私たちの結婚は政略的なものだが、出来る限りお互いにとって有意義なものにしたいと思っている。何か要望はあるか」
「何を望んでも宜しいのでしょうか」
「ああ。出来る範囲であなたの望みを叶えたいと思っている」
「それでしたら遠慮なく申し上げます。第一に自室は狭くて良いのでどなたも入室なさらないで下さい。部屋の掃除は自分でします。食事は自分で用意するので食料のみ頂きたいです。侍女や護衛は必要ありません。そして私と会うのは必要最低限とし、面会の際は前日昼12時までに連絡の上、朝5時から夜の11時までとさせていただきます。公の行事がある際は1週間前までに連絡、ドレスや宝飾品の準備はこちらで行いますが、それに関しての費用は後に請求させていただきます。私の生活費はそちらでご負担頂くということで宜しいかと存じますのでその他諸々の生活費は毎月25日にお振込み下さい。それでは銀行の口座開設に行ってまいります。」
唖然とする国王とそのお仲間さんを脇目にそそくさと退室する。
焦ったような声が聞こえたが気のせいだろう。
さあ、王都はどちらかしら。