これから始まる物語⭐
皆さまごきげんよう。こちら馬車の中でございます。目の前に座る女性ににらまれています。ただいま混乱しております。えと、何が起こったのでしょうか。よし、一旦落ち着こう。まず今起こったことを整理しよう。
1、お城に入った。
2、国王に会った
3、結婚することになった
ん?んんっ!?結婚ですか!?
信じられない。私結婚するの?無理無理無理無理。意味わからない。大体誰と?
国王との面会の後、いきなり馬車に連行され、誰かが用意したらしい荷物と共に気付いたら出発していた。馬車には私の新しい侍女と思われる女性が1人。馬車に乗ってから1時間程経つが彼女は何も話さないし睨んでいる。私、何かしましたか?まあ今までも私との会話は最低限でってことになっていたし、私は上手い会話なんてできないからいいけどさ。
「姫様、あなたは王女として幸せに育てられた方です。トレーヌの悪態をついたり密告するようなことは許されませんよ」
話しかけられた~!侍女さんは冷たい声をしていた。
幸せだって。幸せってなんだろう。べ、別に今幸せよ?私。強がってなんてないんだから。だって生きてるし、…あとは……何もないけど別にいいもん。
というか私の今までの生活バレたら困るのならもう少し、ましな育て方はなかったのかしら。お城には入れてもらいたかったよね。一回入れたからいいか。でも、ボロは出ると思いますよ?私まともな教育受けてないし。全部最低限だし、マナーや話し方の教育があったのは何年も前までだし。幸せに育ったお姫様とは違うと思いますけどね。
私、これからどうなるのかしら?
どんな人と結婚するのかな?
やっぱり王子様だろうなぁ。どうしよう隠居されたはげてる王族だったら。私、髪はある方が好みなんですけど。まあカツラ被ってたらいいけど。でも、ダンスとか踊っている時にカツラが、ずれちゃったらドキドキするからなあ。みんなが知っていてもヅラバレは最悪だよね。
将来に思いを馳せていると、到着を知らせる声がした。
私の戦いはこれからだっ!って感じですかね。