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趣味

等サイズに切り取られた魔希鉱レンガにセメントをつけ積む。

その上にまたセメントを塗り、レンガを積んでいく。

これをひたすら繰り返し、形作っていく。


今日は訓練のない完全に自由な日だ。

こんな日まで家にこもっているのは、何か嫌だったので、最近はそういう日は外での活動にしている。


 私は今、"教会"を作っている!

まあ、まだ教会の本体には全く手がついてないけどね。

一番外側の城壁ともうひとつ手前の城壁の基盤が完成した、程度にしか進んでいない。

今は城壁の強化や見た目の修正をしているところだ。


初めは要塞でも作ろうかなと思っていたが、教会に変えた。

頑丈な要塞はありきたりだが、強固すぎる教会ならば、面白い気がした。

城壁が二重にある巨大な教会。ありとあらゆる攻撃を無効化し、内部への潜入も不可能。絶対無敵の教会。

絶対カッコいいし面白いと思う。うん。

住む気もないので、好き勝手に作るつもりだ。


ある程度に積み上げたところで、城壁に向け爆裂魔法を放つ。この程度で崩れるような教会ではダメなのだ。

今回は崩れず、砂埃が少し着いているだけで形は綺麗なまま健在だ。

周囲の土は吹っ飛んだがそれは気にしない。あとで土魔法で直せばすむ話だし。


前回はこの爆裂魔法により、全壊した。

魔法をうった直後に、城壁がバランスを崩し、一気に倒壊した。

そのときは、レンガの切れ目を綺麗に揃えておいていた。

その切れ目に合わせ、どんどん崩れていった。

今回はその反省をいかし、レンガとレンガの繋ぎ目が一直線にならないよう、ずらしてずらして組み上げた。

うまくいったようで何よりだ。


砂埃を風魔法で吹き飛ばし、もう一度組み立てに戻る。


陽気に鼻歌でも口ずさみながら、城壁をどんどん強固にしていく。

明るく照らす太陽が、陽気な気分を増長させてくれる。


黙々と積み上げていけば、材料のレンガもすぐになくなる。


「よいしょっと。材料集めにいきますか!」


私特製のレンガを採取しに行く。


目指す先は"海"だ。


この魔希鉱レンガはある魔物のからだの一部を切り取っただけのものだ。

その魔物さえ捕まえれれば材料採取は楽々なのだ。

海岸に着いたところで、早速目的の魔物を誘き出す。

長い棒の先に、昨日の余りのメシスシャークの切り身をつけ、異質な程に黒い岩石の前にそっと出す。


他人から見れば、岩に何かしている変なやつだろう。

しかし、しばらくすると、岩が少し餌に向けて動き出す。

とられないよう、手前に手前に少しずつ引いていく。

相手のスピードに合わせる必要があるため、とにかく根気がいる。

なんせ相手は遅い。

いや、ほんとマジで遅い。もう少し速く動いてほしい。

カタツムリより遅いんじゃないか?

やっとのことで目標を水中から引きずり出し、全身を魔鋼糸でがんじがらめに固定する。


「ふぅー。」


これは、"パルセノシェル"という貝の魔物だ。

全長8メートル近くの貝殻を持つが、本体は1.5メートルほどと結構小さい。世界各地の浅瀬に生息するらしく、意外と有名な魔物なのだそうだ。


私のお目当てはこいつの殻だ。

一言で言うと、この魔物はとにかく固い。この世で右に出るものもなく、破壊できるものもいないと言われる程の固さだそうだ。

だからこそ、最強の教会の素材にはもってこいなのだ。


そんなあり得ないほど固い奴相手に私には裏技がある!

そう!固有能力(ユニークスキル)『変形作成』だ。

このスキルは名前の通り純物質ならば、何でも変形させることができる。

あいにくなことに、相手はただの魔希鉱石の塊なので、変形させることは楽々だ。


魔鋼糸から逃れようともぞもぞしているところを、スキルにより、どんどん切り裂いていく。

殺すことはせずに上の殻だけを切り取る。


それと平行し、切った時に一瞬できる隙間に大量の魔鋼糸を絶えず敷き詰めていく。


上半分を両断できたところで、魔鋼糸を回転させる。

それに合わせ、重力軽減の魔法もかけ続ける。

びくともしないはずの魔希鉱石の殻が少しずつ横にずれていく。


1時間もすれば、切った部分は地面に落ちる。地面に巨大なクレーターを作るというおまけ付きで……。

超魔希鉱石の塊が崩れ落ち、砂煙が辺りを埋めつくす。


砂埃が消えたところで、魔鋼糸を解除し、用のなくなった貝を海に返してやる。

連れ出したときより、ずいぶん速く、海に帰っていった。

行きもそれぐらい速く進め。こん畜生め!


素材は手に入れたので、目的は達成。これを教会まで、どう運ぶかだが、それは簡単だ。


「第31階位 転送(ゲート)!」


目の前の黒い塊が一瞬で消え、遠くで地面の抉れる音が聞こえてくる。


「やべ、変な所に落ちてなきゃいいけど。」


海岸にできた砂のクレーターを綺麗に埋めてから、転移で教会まで戻る。


魔希鉱石は城壁すれすれの所に落ちていた。

あと少し座標がずれていたら、せっかく作った城壁が粉々だっただろう。


この岩を持ち運ぶことは不可能だ。

レンガ状に小さくし、身体強化を自分にかけ、重力軽減魔法をレンガにかける。これでやっと、ヒナが2つレンガを運べるくらいだ。

それぐらいに重い。

重いし、固い。ある意味無敵である。

いったいあの魔物はどうやって移動しているのか。

ユーリンに聞いたことがあるがユーリンでもわからないそうだ。

神獣のじいちゃんは、まあ、あれだ。絶対知らないと思うし聞いていない。


塊をまず綺麗な長方形に切り出す。出てきたカスはまた別のことに使うとしよう。


そこから、レンガ状に切り分け、教会の材料の補充は完了だ。


「はあー、疲れた…。」


材料の準備だけに三時間ぐらいはかかる。普通に比べれば大分速いだろうが、ヒナにとっては長い。

特にあいつを引っ張り出す時のあの時間が苦痛で仕方がない。

私は短気なのだよ。


材料の準備もできたところで、また組み立てに入る。


基本はこれの繰り返しだ。

積み上げて、爆破して、修正。材料を補充しまた積み上げる。

単純作業だが、形ができていくに連れて、どんどん楽しくなる。


私の毎日は修行か教会作りか、漫画を書くか、何かと忙しく充実した毎日だ。




















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