怒涛の10日間、2日目
今回もいい感じのボリューム!
受験一週間前なので少しお休みするかも!受験終わったらどんどん書くよー!
さあ!夜が明けたぞ!この世界に来て2日目の朝、ちなみに緊張と興奮であんま寝てないです。そりゃそうだよね!
「さて、起きちまったは良いけど…………流石に早過ぎるな」
この世界にも時計があってよかった、無かったら生活リズムが狂っちゃうし。
今の時間は…………………朝の5時。
うん、早い。
「とりあえず暇だし、外に行ってみるか」
流石に誰も起きていないだろう、昨日手に入れた「暗躍」という魔法も試してみたい。とにかく庭に出よう。
そのまま俺は庭に出た。ん?誰か居る?まぁ、なんとなく誰か居るかもとは思ったよ?だってこういう家の息子や娘って、鍛錬を惜しまない系が多そうだし、つまりはそういう事である。
「おはよう、レオナ」
「っ!……なんだテルノブか、おどかせるなよ」
「勝手に驚いたんだろ?なんていうのも意地悪か、悪い」
それにしても、そういうリアクションもするんですねちょっとドキッとしました。
「朝から鍛錬か?真面目だなぁ」
「当たり前だ、戦士たるもの鍛錬あるのみだ」
うん、俺には分かんない!努力が嫌いなダメ人間には分からない!
「それで………お前はこんな朝早くにどうしたんだ?」
「あぁそれなんだけど、昨日魔法を手に入れてさ、試したて出てきた。早く起きちゃったのはたまたま」
「ほぉ、新しい魔法か………興味があるな、見せてくれないか?」
「あぁ、それは良いけど………魔法使うの初めてでさ、どう使うんだ?」
良くあるのは詠唱を唱えるとか、杖とかでなんかモーションをするというのが主流な気がするが…………
「それならスキルと同じで、その魔法の名前を唱えるんだ。ただ、スキルと違って魔力を消費する」
「スキルはなんのリスクもないのか?」
「あぁ、スキルは元々生まれた瞬間にその人に備わった特性だ。その人の才能と同じだ」
「へぇ、そうなのか」
それはまた有益な情報だ、そうなると少し気になることがある。それは、あのショタがそんなショボいものを俺に渡すかどうかだ。
元々備わった才能と同義であるスキルなら、どんなに強力なスキルでも目立つことはないだろう。君に合った力だとあいつは言った。それなら強力な「魔法」を与えた方がレア度も高い。俺より強力なものがあるかもしれない、又はこれから生まれてくるかもしれない「スキル」より、唯一無二の「魔法」の方が渡すにはふさわしいと思う。
つまり何が言いたいか?俺の考察的には、あいつが俺に渡した力は他にあるかもしれないということだ。
もちろん憶測に過ぎないが、こっちにきてからずっと気になっていたことだ。たまに見える様々な「オーラ」の様なもの、これは俺にしか見えていないのだ。もしかしたらこれがあのショタが言っていた力なんじゃないのか。
というかそう思った方がなんかカッコいいし、しばらくしたら俺の目についても調べるつもりだからそう思っておくことにしよう。
「考え事してる最中に悪いけど、そろそろ魔法を見せてくれなか?」
「ん?あぁ悪い、じゃあ使うぞ」
俺は早速初めての魔法を使ってみる。どうせなら炎魔法とか分かりやすいのが良かったが仕方がない、初めての魔法というだけでかなりワクワクする。
「暗躍」
瞬間、俺の体に魔力が流れるのを感じた。なるほど、こうゆう感覚なのか。
「てか、なんか変わった?」
「見た感じは変わっていないようだが……」
何?不発?ふざけんじゃないよマジで!!
「なんだよー、もしかしてアホみたいにしょぼい魔法なわけ!?」
期待外れすぎて俺はその場に座り込んだ。それはもうダイナミックに、ケツいてーーー!!
「ん?テルノブ、お前……」
「んぁ?何ぃ、今ちょっと悲しいんだけどー」
「いや………今、音がしなかったなと思って……」
音がしない?どうゆう事?とりあえず立ってみた。すると、立ち上がったのにも関わらず音が全くしない。試しに思いっきり手を鳴らしたが、手が痛いだけで音は無し。
「なるほどな、俺から発する音を消す魔法ね。だから暗躍か」
なかなかに実用性がありそうだ。強いかどうかは知らんけど…………
「なかなか面白い魔法じゃないか、でもなんだか………地味だな」
「それを言ったらおしまいよレオナさん」
言っちゃいけないでしょそれは、俺も思ってたけど言われると破壊力がすごいのなんの。
「そういや、今何時?」
「今は………6時だな」
レオナは懐中時計のような時計使っている。俺は腕時計より懐中時計の方がなんかかっこいいから好き。
「ゴートさん達は何時起き?」
「大体いつも7時だな」
健康的で結構、ちなみに俺はショートスリーパー体質なので夜更かししまくりでした。
「あと1時間か………レオナ、そういえば俺に型を教えるって言ってなかったっけ?」
「そういえば、そうだったな。忘れていた」
ちょっと?そこ忘れる?
「ではこの時間に教えておこう、簡単な型だからお前ならすぐ覚えるだろう」
そういうとレオナは剣を構えた。
「まずは基本の攻めの型、両手剣、片手剣問わず、自分と相手の間に常に刃を挟ませる。これは他の型に移行するときにも重要だから覚えろ」
次は違う構えをした。攻めの型より剣を少しゆるく持って重心を少し後ろに倒している。
「これは守りの型、いつでも後ろには引けるようにしておけ。剣をゆるく持っているのは手首を緩やかに動かすためだ、あくまで相手の攻撃をかわす、受け止めるための型だ」
そして次の型、次は守りとは対照的だ。剣を相手から見えないようにしているようで、重心も前のめりだ。
「これは速さ重視の型、基本の型の最後の型だ。駆け出すための重心のバランス、そして相手から間合いを悟らせないようにする剣の構え方が重要だ」
「へぇ、なんか思ったより単純だな」
「戦いに複雑性はいらないというのが家の考え方らしい、私はあまり好きではない」
「俺もあんまだな、脳筋の考えっぽい」
明らかに強キャラの考え方だ、まぁでもこの単純な型は結構利用できそうだ。俺の得意な理科で培った実験と考察の力を見せてやんよ!
「そろそろ父様達が起きるな、朝食をとったら後でお前にもやって貰おう」
「へーい」
やった!貴族の朝食だ!遠慮なんて無い、俺はそうゆう人間です。
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「おはよう2人とも、随分起きるのが早かったようだね」
「おはようございます、父様」
「おはようございます、ゴートさん」
間も無くしてレーナも来た。俺たちはメイドが作ってくれたらしい朝食を食べ始めた。
「ところで、2人で何をしていたんだい?」
「レオナに剣術の基本の型を教えてもらっていました」
「ほぉ、どうだったかな?」
「どうと言われましても、初めてなものでまだ良く分かりません……」
俺は素直な男の子なので思ったことを口に出す。でも、大体言ってから後悔することが多い。もう少しまともな感想言った方が良かったかな?
「そうか、まぁ少しずつ覚えるといい。まだ時間もあるし………そうだテルノブ君、君の剣はどうする?」
「剣、ですか?」
どうすると言われてもまず俺の剣って何?なんも知らないのだけど?
「王子と戦うときにそこらの量産品だと失礼だからね、レーナと話して君の剣を作ることにしたんだ」
「と、父様!?流石にそこまでしなくとも……」
「いやーでも、テルノブ君にはウルズ森林で助けてもらったんだろ?何か返すものがないかと思ってね」
そうゆうことか、確かにあれはレオナを助けた様なものだが俺は別にお礼を望んだわけじゃないから必要ない。
と言えればかっこいいだろう、でもね、俺は遠慮を知らん男なのだ。実はめっちゃ欲しい。
「そ、それは……そうですが」
「まぁとにかく、私がテルノブ君に何か渡したいのだよ。娘を救ってもらったお礼にね……受け取ってくれるかな?」
「え、えぇもちろん。そうゆうことなら受け取らせてください」
やったー!!!!!!!
「この後2人は何か予定はあるかな?」
「この後テルノブには教えた3つの型を実際にやらせてみようかと思っています」
「なら丁度いい、この後すぐに街に行って剣を用意しよう。ついでに街の案内も」
「気をつけてくださいね、あなた。最近は物騒ですから」
そんな会話をしているとあっという間に時間は過ぎた。いよいよ待ちに待った………異世界観光である。
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「うわぁ、すごっ!」
「プロミネスの王都だからな、いつ見ても壮観だ」
「2人とも、こっちだ」
俺たちはプロミネスの王都である「ホルス」に来ていた。この街はかなり有名で、名のある冒険者や戦士が武具を作りに来ることがあるらしい。
「それにしても……いいんですか?こんな立派な店で作ってもらっちゃって」
「いいんだよ、お礼も兼ねているし王子との模擬戦ともなればそれなりのものが必要だろう」
俺の目の前には、他の建物と比べてもかなり大きい武具店があった。いかにも金がある人が使いそうな店だ、有名なブランドかなんかかな?すると店から誰か出てきた。
「ゴートさん!待ってましたよ、そこの奴ですね?王子と模擬戦するって言う奴は」
出てきたのはガタイが良い若い男だ、多分年上だが成人しているかは微妙なとこだろう。
「やぁ、カムイ君。久しいな、急なお願いだったが受けてくれて助かったよ」
「いやいや、ゴートさんにゃよくしてもらってるから………レオナちゃんも久し振りだな!」
「ちゃんはやめてくれと言っただろう……全く」
どうやら知り合い同士らしい、いかにも近所の兄ちゃん感がある。しかもよく見ればそこそこイケメンだ、バスケやサッカー部の部長っぽい健康的なイケメン。俺の様な人種が苦手な奴である。
「よし、じゃあ早速始めるかね!お前!」
「お、俺?」
「そうだ、とりあえず初めましてだな。俺はカムイ・クロムウェルそこそこ有名な鍛治師だ、よろしく!」
予想通りの気持ちいい挨拶だ、転生前はこうゆうやつとは関わらない様にしてたから正面から挨拶するのは初めてだが、案外良い人かもな。
「俺は、天野照信です。よろしくお願いします」
「あぁ、よろしくなテルノブ!じゃあ入ってくれ」
店の中は予想通り色々な武具が置いてある。値段を見てみるが、そういえば俺ってこっちの字とか数字は知らないんだが大丈夫か?
「何々?5200クラン?……レオナ、これって高いの?」
「金貨5枚と少しか……まあまあだな」
「……ちなみに、金貨一枚ってどんぐらい?」
「普通の武具店だと、大体の品は銀貨3枚でそこそこ高いくらいだな、金貨1枚は銀貨10枚分だ」
めちゃめちゃ高かった。てことは、1000クランが金貨1枚で、100クランが銀貨1枚か………300クランでそこそこってどんだけ高いの!?一周回って頭おかしい!!
「テルノブ!これがお前の剣だ」
「………どうもっ!」
もはやこの店に俺がいてはいけないのではないかと思いながら剣を受け取る。
「う、うぉーなんかすごいのはわかる」
「お!分かるのか!?なかなか良い目を持ってるな!」
俺が受け取った剣は、外見はそこまで目立つデザインでは無さそうだ。真っ黒な鞘に少し感の装飾がある。柄の部分は鍔がなくて色は濃い赤、もはや赤黒い。
「おお!かっこいいじゃないかノブテル君!」
「まぁまぁ様にはなっているな」
コーネリアスお二人の反応もなかなかよろしい!
ゴートさんなんてめっちゃテンション上がってる。魔剣士時代は大の刀剣好きだったらしいのでその時の感が戻ったんだろう。レオナも父親ほどではないにしろ武具にはこだわりがあるらしく、かなり反応が良い。
「中々だな、これならレグス様と剣を交えても恥ずかしくねぇだろ!特別に魔剣にしといたぜ!」
魔剣!これまた良い響きだ、ぶっちゃけこの世界の魔剣が俺の思ってるやつかどうかは知らんけど、この剣にもオーラが見えるし特別なのは間違いない。オーラの色は綺麗な緑だ。
「魔剣って……カムイ君良いのかい?作るのにはかなり苦労しただろう?渡した金額では足りなかったのではないか?」
「いやいや大丈夫ですよ!自分で入手してしまえばタダみたいなもんですから」
ん?そういえば、この剣にもそりゃ金がかかる訳だけど、幾らぐらいしたんだ?
「あのー、こうゆうのあんま聞いちゃいけないかもなんですけど………この剣幾らぐらいですか?」
「ゴートさんからもらった金額で売るなら………12600クランぐれーかなぁ」
「がはっ!」
い、10000!?単位がおかしい、明らかにおかしいやばい金額だってのは分かる。う、急に剣が重く感じる。何だよ普通の武具店の42倍って!頭おかしいだろ!
「いやぁつい力が入っちまってなー、お前を見た時からなんか面白そうだなって思ってたんだよ!」
「さっき初めてお会いしたんじゃ?」
「実はお前が国王の前に連れてこられた時に、俺もあそこにいたんだよ。たまたまお呼ばれしててなー!」
そうなのか、でも何で俺を見て面白そうだと思ったんだ?別に顔だって普通よりちょい上くらいだしすげー特徴的でもないのに………
「俺は「魔眼」持ちだからな、一般人には見えないものが見えるんだよ」
「魔眼?」
これまた異世界にありがちな単語だ、破○の魔眼とかなら知ってるけど?
「持ってる奴は多くないが、色々な力の種類がある。俺の魔眼は見たやつの特徴を見れる」
「特徴、ですか」
「そう、お前の場合はこう王を前にしてもあまり動揺していなかったし気になって見てみたんだが………お前、ひねくれてんなぁ」
当たっとる、ドンピシャや。転生前から親にさえ、俺はひねくれてると言われていた。なんでもネガティブに考えてしまったり言葉やルールの隙を見つけては心の中で突っ込んでいる。嫌な奴と言われたもんだ、言っ奴むーかーつーくー!
「あんま見たことねぇ奴だったからよ、お前の剣を作ってくれって言われた時はワクワクしたんだ」
どうやらこの世界の魔眼は、戦いの能力と言うよりは生まれた時の副作用みたいなものなんだろう。運良く授かった神からの贈り物的な。
「ちなみにこの国の魔眼の所有者は、レグス様、レグス様の兄であるラエル様、カムイ、私の兄の4人だけだ」
レオナが丁寧に教えてくれた。なるほど、レグスが俺の魔力の色が綺麗とかなんとか言っていた理由がわかったぞ。
「じゃあレグスの魔眼は見た相手の魔力を色をつけて可視化する的な?」
「私も詳細は知らないが、今までの経験からしてそうだろう」
俺とレオナが会話をしていると、カムイがすげー目を見開いてこっちを見てきた。なんなの怖い!イケメンのそうゆう顔怖いからやめて!!
「おま、おまえ、レグス様を呼び捨てに……」
「あぁ、レグスにそうしてくれって言われたんすよ。俺もダメじゃね?って思ったんですけど……」
「……プッ……あははは!!やっぱおまえ面白いわ、第一王子に気に入られるなんてよ!あの人がそんな風にいうなんてな!」
そうなのか?なんかあいつは王子って感じがしないからよくわかんないんだけど………。
「おや、もう良い時間じゃないか、そろそろ帰ろうか。」
時計を見ると店に来てから1時間と少し話していた。案外時間は早く過ぎるもんだなとおもった。転生前は退屈な日々を無駄なことして生きていたから時間が過ぎるのが遅く感じられたから、なんだか新鮮だった。
「そうっすね、いやー久々にこんなに笑ったぜ!愉快な時間だった。模擬戦の日は俺も見に行くから頑張れよテルノブ!」
「はい、剣、ありがとうございました!」
「おう!あと敬語はやめてくれ、なんかムズムズするからな。俺もお前とレオナちゃんとは3つしか変わらんからタメ口で良い」
そう言われたなら遠慮なくそうさせてもらおう。前も言ったが、俺は遠慮を知らないタイプだ。許されれば何でもやるし俺自身、その姿勢を結構気に入っている。
「分かったよ、また来るからそん時はもっと気軽に話そう、カムイ」
「あぁ!待ってるぜ!」
こうして俺はまた、新しい出会いを果たし友達を作った。
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「よし、じゃあ早速鍛錬するぞ」
「………はーい」
帰ってきた瞬間これだよ、いやまあ良いんだけどさ、もうちょい一呼吸あっても良くない?
「これ、ほんとにもらって良いのか?」
「父様がいいと言ったんだ、受け取っておけ」
俺が言ってるのは剣のことじゃない、帰ってきた後にゴートがくれた服である。カムイが予想以上にいいものを作ってくれたから悔しくなったらしく、剣に合う色合いの服をくれたのだ。
「こんな高そうな服着たことないんだが?」
基本は黒をベースにしているが、襟のところに金のラインが入っていて、裏地が濃い青色のコートだ。何でも、剣の柄が赤いからそれを際立たせようとしたらしい。立ち絵があったらわかりやすいのにな、ごめんね?どんな服かは想像してね?と、誰かが思った気配がしたが気にしないでおく。
「基本の型は覚えているか?」
「まぁ大体は、ていうかさっきあなたやらせましたよね?」
帰ってきた時、レオナが早速俺に型をやってみろとか言うから少しずつ教えてもらいながらやっていたのだ。だから今は帰ってきたから30分ほど経っている。さっき帰ってきた瞬間と言ったが、ただ単に俺がめんどくさいだけである。
「とりあえず、こいつを倒してみろ」
「今日はなんかデカくね?」
「サラマンダーだ。お前と初めて会った時にいた奴の進化前、下位互換だな。確かにでかいしパワーはあるがそれだけだ」
あーなんか見たことあると思ったけど、あいつの進化前な。確かに面影あるわ。
「というか、毎度毎度どこから連れてくるの?」
「うちには腕の良いテイマーがいてな、そいつに頼んでいる」
「テイマーってモンスターとかを従える奴?」
「それだ」
この世界にはいろんな職業があるのね、ここまでくるとどんなゲームより職種は多いんじゃないかって思う。
「では、はじめ!!」
レオナがサラマンダーを放った。確かにある程度速いが、今の俺には遅すぎる。俺は型の練習をしながら、もらった魔剣のある能力を調べたのである。やはり魔剣っていうのは魔法みたいなやつを込めた剣だったことが分かった。そして、この剣は………………
「ウィンドスラスト」
風邪の斬撃、正確には強風を巻き起こす魔剣だ。振り方によって色々な風を起こせる。結構かっこいいし使い勝手も良い。
「っ!……………」
サラマンダーは、声を上げる間も無く両断された。
「ここまでくると、型を教えた意味を考えるな」
「いやー、俺もちょっと思った」
「だが、レグスには通じないぞ」
「まじかー、結構強いと思ったんだけどなー」
確かにこの力は知性が足りない魔物には有効だ、だが人間相手だと普通に対応されるっぽい。でもそれをどう利用するかを考えるのはなかなか楽しい。
「後8日、今のままだとレグスにふつーに負けるぞ?」
「だろうな、俺も何となくわかるよ。レグスのやつ、かなり強いだろうな」
国内の人と戦ってばかりでは仕方がないとレグスは言った。それはあいつが戦闘経験においてレオナを上回ることを意味する。
「さて、俺自身の実力はレオナにも全然勝てないレベル。まともに戦っても勝てない訳だけど……」
俺は既に、8日後に迫る模擬戦に勝つ「作戦」を組み立て始めている。
さあ、テルノブが描く勝つための作戦とは何でしょう!もう僕の中では展開が作ってあります。皆さんも考えてみてください!