夢のまた夢
ハッ!
僕は起きた、布団を被って普通に寝ていた。
どうやら朝のようだ。
僕はコロナ休暇で休みを満喫しているだけの学生だ、特筆すべき点なんてない、普通の学生だ。
僕は二階建ての家の二階にある二段ベッドの上でいつも窓を閉めて普通に寝ている。
至って普通に夜更かしし、勉強をサボり、なんとなく宿題やってるだけの普通な奴だ!!!
親だって普通にいるが、母と父だけの寂しい家。 大して何もない僻地住まいだ!!!
金持ちでも貧乏でもない、中間の......言ってて悲しくなってきた。
ところで起きたら1m超の窓が開いてたんだけど、どう思う?
おっかしいなー、家の窓は240度くらいにひん曲がる、網戸もなくてめっちゃ透き通って隙間風が入ってくる欠陥だらけのゴミじゃないハズなんだけどなーおかしいなー。
ん? っちょっと待って待って!!!
窓の向こうに見える景色がおかしい!!!
めちゃくちゃ綺麗に澄んで雄大な感じの湖見えるし、高度がおかしい!
高層ビルとかも建ってて、リゾート感がありすぎる!
しかも富士山もどきもある!!?
だけど結構低く見える? ということは......?
めちゃ高いところで寝てるよ僕!
ふぅ。 とりあえず体を起こして...... アレ、おかしくない?!
ベッドが傾いてきてる???
ヤバい、転げ落ちて窓に落ちそう!!!!
死ぬ、死ぬ、死んじゃう!
このベッド絶対殺意ある!
めっちゃ角度キツくなってきてる!!!
あぁ、アホみたいに高度あるところから落ちる!
とりあえず布団つかんで......
うわっ、布団ごと落ちる?!
なんでここだけ現実的なんだよ! 死んじゃう!
ギャー!!!!!
~~~~~~~~~~
ハッ!
夢か...... そりゃそうだよな。
ところでさ、さっき見た景色と全く同じ景色が見える気がする......
富士山に高層ビル、綺麗な湖......
あれ?!
またベッドが傾きはじめやがった?!
つまりさっき見た夢は......"予知夢"って事か!!
本当にあったのか! "予知夢"!
じゃあなんとかしてこの状況から脱出しないと!
ああ、ちょっと待てよ! 止まってくれよ殺意マシマシのベッドさん!
落ちるって!!
落ちちゃう!!
落ち、ん、ち、んんんんん!!?
ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――
~ただいま急降下中~
うわ、マジで落ちた!!
デジャブだよコレ!!
死んじまうよコレ、冗談じゃない!!!
ん? これ......
下が水だから数百メートル位だから落ちても助かる......?
(百メートル以上から着水したら人は余裕で死にます)
そうだ! 間違いない!
(間違いです)
よし、なら大丈夫!
(大丈夫な訳ない)
【激しい水しぶき】
ふぅ~。 全然大丈夫だった!
どこも痛くない!
ああ、でも。
周りに陸が無くてどこにもあがれない......
どうしよ......
ん?! あれは!?
よく分からん他人が別の超高い建物から落ちとる!!!
まずい!!
というかいつのまにか、さっきまで無かったハズの陸が出来上がっている!!
そしてそこにその誰かが落ちていっている!!
非常にまずい!!
僕と同じような目に合って窓から落ちているのだろうが、僕とは違って着地する場所が陸だから助からない!
どうしよう!!
でも僕には助けられない...... 嗚呼、神様、どうかあの人に救いを!!!
――その誰かはそのまま地面へ激突してしまい、亡くなってしまった。
いつの間にか出てきたそこらの一般人は咽び泣き、大いに悲しんだ。
湖に浸ったけど全く濡れていない、謎の少年もその場で号泣をしていた。
時と場所はこの悲惨な事故で無くなった者の葬式をしている最中に移り変わる。
誰もがこの訃報に嘆き、悲しんだ。
僕は............
自分と同じ状況に陥りながらも、死んでしまった少女と生き延びた自分を対比し、涙を流し続けていた。
僕が涙を流す理由は自分でも理解できなかった。
ただひたすらに、涙を流していた。
大粒の涙が床に零れていた。
このテーマでもう一本書く予定.....
まぁ、暇潰しにでもなったなら嬉しいですね。