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セストエレメント  作者: EXTANSIA
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SEST ELEMENT

振り返りたくなかった。草木が燃えている。迎えに来たのだと思った,けれど彼等は私を殺そうとした。イリーナはどうなっただろうか。振り返りたくなかった。木々の間を駆け抜けていく。まるで鼠のようにしなやかに。暗い闇に包まれた森は侵入者に刃を向けるが,少女にとってはそれではない。少女は右眼を抑えている。開かれた左眼は紅い光を放ち,それは貪欲に蠢く。森のすべてが見えていた。色のない黒の濃淡で表された単調な森はシンプルな印象を与える。普段は色に埋もれていた繊細な木肌模様が浮き立つようにして見える。少女は息を切らさない。素足が滑るように地面を捉え,滑らかに蹴る。ぽたり,と雫が落ちた。抑えている右眼から涙のように液体が零れ落ちている。右手が熱かった。驚いて少女は右手を離し,右眼を開こうとするが,それは接着でもされているかのように貼りあわされていた。抑えていた右手を見ると,掌に広がった水色が,白黒の世界で異彩を放っていた。


気が付くと一人だった。薄暗い森の奥に一人で枝に上って眺めていた。視界は歪みつづけ,いつも通りの風景に有りもしない波紋を広げて色彩を変化させている。左眼を閉じると掻き消えてしまうそれはいったい何であるのかわからなかった。鳥たちが集まってくる。肩に留まった一羽が囁くように口を寄せた。吹き抜けた風に髪を抑える。バサバサとした髪は白くたなびいた。はるか遠くには鈍色に光る塔が立ち並び,月光を眩しく反射させている。雲が月を遮ると同時に視界が戻る。少女は木から飛び降りた。薄暗い森の単調な色彩。水たまりに映った少女の右眼は紅に輝いていた。ふと視線を落として自分の顔を見つめた彼女はゆっくりと瞳を閉じる。開いた時にそれは薄い蒼へと輝きを移していた。ふと空を見上げた。左眼につけていた眼帯がするりと流れ落ち,現われた瞳が夜の帳の中で紅を灯す。黒一色だった背景がカラフルな水彩絵の具を広げたように色彩を帯びる。遠い空の上で流れ星が糸を引き,エメラルド色の光を残して消えた。大きく息を吐いた。水たまりに映る一対の瞳はそれぞれが異なる色を湛え,闇の中でひときわ輝いている。木々が騒めき,驚いた鳥たちが夜空に羽搏く。煌々と灯る人の灯りにかき消されることを拒んだ月が再び雲に隠され,浮き上がるように光り始めた星たちがここぞとばかりに瞬きを繰り返す。まるで何かの意思を伝えてくるような瞬きに向けて,少女は眼差しを向けた。再び顔を出した月が彼女の髪を白く輝かせ,木々の間を抜けた風が息を吹きかける。それは何かの囁きだったのかもしれない。


夜空を見上げている。右眼だけだと白黒に見える星空は,左眼を開くと途端に色の奔流になる。自分に見えているものを少女は理解していなかった。することがなくなるとこうして木に登って夜空を眺める。どこか神秘的なものを感じさせるその光景がアリスティナは好きだった。梟が傍らに留まって首を傾げている。どうした,と尋ねても言葉を返してこなかった。いつまでもこうして夜空を眺めていられる。傍らの彼が翼を広げ,得意げに鼠を捕まえて戻ってくる。それを見てアリスティナは空腹を思いだした。梟に別れを告げ,木から飛び降りる。ふんわりとした腐葉土。緩やかに足を付けた。目の前の大木の根をくぐれば,家はそこにある。自然の作り出した下り坂。オレンジ色の光が,坂を上っている。

「あ,おかえんなさい」

造りの簡素な机に腰かけた小さな人影。

「うん」

「相変わらず素っ気ないですね」

彼女がくるりと身を翻すと忽ちにアリスティナと変わらないほどの大きさになった。

「ご飯何にします」

「アイヴィの好きなものでいいよ」

大して興味もない,とアリスティナはそそくさと階段を下りる。地下は小さな書庫になっている。それはどのようなものが読みたいかを想うだけで幾冊もの本が揃えられる本棚で,時間を持て余していたアリスティナにとっては良い暇つぶしになっていた。アーノルド・ヴェーシスという人が著したセストエレメントという表題の6冊を探す。この世界に住まう6つの種族が互いに利を分かち合い,自然と栄枯を共にした時代が記されている。ここに登場するうちのトゥー・ピューイサンがアリスティナの祖先であり,獣と人の両方の姿を併せ持つラフゥリュールと共に自然にその生を委ねていた。トゥー・ピューイサンはかつて,今現在の世の理を担っている人間達の祖先であるアンスロポスに術の補助をさせていた。自然と共に生きる彼等はアンスロポスをよき友として扱い,共に地上で慎ましく暮らしていた。だが,このアンスロポスは天上に住まうエィルの下にもおり,そこでは奴隷として扱われていた。エィルは階級制を用いた統治をおこなっており,才によって選り分けられていた。もとより何の特質も持ち合わせなかったアンスロポスは蔑まれ,ところによっては家畜と同じ扱いを受けていたのだという。

「アリスティナ」

アイヴィが呼びに来た。アリスティナは本を閉じ,棚に戻す。それらは音もなく闇に吸われて消えた。

「好きですね,それ」

「うん」

「古代史に興味でもあるんですか」

アリスティナが少し顔を上げた。

「私達ファータは生まれおちた時に記憶を引き継ぐんですよ。だから当時のことも私は知っています。何があったのかも,私達が何をしてきたのかも」

アイヴィは目を伏せた。記憶を引き継ぐがゆえに知りたくなかったことを知らされているアイヴィは過去というものが嫌いだった。だから過去を思い出させる史物を嫌う。

「本に書いてあることは本当なのか」

「すべてがそう,というわけではないです」

ただ,過去を語るのは嫌いではなかった。自らの種が犯して来た過ちを知ってほしくて彼女は語る。

「私達は作られた存在。エィルが使役するために生み出した人形です。だから私達には止められなかった」

アイヴィは書棚から日記のようなものを取り出し,ページを捲った。

「永遠という言葉は悠久に等しい。命を持つものは悠久の時の中で生き,そしてその果てしない刻の流れの中に朽ちていく。それぞれがただひたすらに,思いつきもしないままに,科された役割を果たしていく。生命を持つのであれば,生きたいという意思を持ち,その生を終えるはずだった。それが生きるということだと意識していようといなかろうと識っているから。自らの意思と疑うことなく命を終う彼等は確かに生きていた。望み,生きていくのだ。そうして生きてきたのだ。人が為し,すべてを意思のままにした行いもまた,命なのだ。人という種は,そうやってしか生き残る術を持たなかったのだろう。ある者は自然と融和したままの古来の生き方を選び,ある者は備わった才により自然を統べ,ある者は変異した肉体を存分に使役して天に根差した。そして何も持ち得なかった人はただ彼等に従い,仕えた。この地上に与えた物達は,いつの間にか自然を使役していた。理を外れても,気付かないままに。獣と共に暮らすものは生きる物を,才のある者は天象を,そして天上に住まうものは輝く星々を。遥か,神話として語られる時代には世界は保たれ,繁栄していた。そしてそのまま人という命は果てていくように思えた。人が知恵を手にするまでは。繁栄は衰退に変わった」

アイヴィは大きく息を吐いた。それは溜息だったかもしれない。

「意図しない未来を,我々は生きていることになるんですよ」

「ファータと一緒にしないで欲しい。知識量が違う」

「ごめんなさい」

一つ謝るとアイヴィはもう一冊の本を取り出してきた。

「カヴィリ...エィラ」

薄汚れた金文字でそう書かれてある。線形文字で,何処の言語なのかはわからないが知っている読み方ではそうなる。ちん,とアイヴィが夕食の支度をしていたであろう階上から音が立った。慌てたようにアイヴィは本を押し付け,一段抜かしで段を上がっていく。行ってしまうまで眺めておいて,そっと本を開いた。擦れた頁の霞んだ文字は意味を為さない線形の図形だった。


気怠そうに地についてしまうほどの蒼い長髪を靡かせる少女は苔むした倒木に腰かけている。なにも捉えていないような瞳が中空を見つめている。そしてしばらく耳を傾けるように瞼を伏せ,声を上げて笑った。倒木の作った間隙から差し込む陽の光が少女の髪を蒼く輝かせる。

「過ぎたことだろう」

そしてまた沈黙。

「そうか」

如何にも愉快だというように少女は身を揺すって笑う。足を揺すると,縋りつくようにしている足環がかちゃかちゃと擦れ合う。それはフラフープのように踝のあたりでくるくると回りもした。

「カヴィリエーラ カヴィリエーラ」

少女は歌い始めた。

「貴女はどこから来たの 貴女はどこから来たの 貴女はどこへ行くの 貴女はどこへ行くの」

木々が騒めき,風が唸る。

「カヴィリエーラ カヴィリエーラ 貴女はふとした時からそこにいる ふとした時にはいない」

森の奥で獣が声を上げる。

「そして私達は気づく。もうそこに私達もいないのだと」

少女の姿は消え,しんと響き渡る歌声だけが陽の光に暖められている森の一角に木魂していた。


時々ふと夢の中で思い出すことがある。木々に渡したハンモックに乗りこんだアリスティナは息を吐いた。昔のことはあまり思い出したくない。小さくなったアイヴィが珍しくアリスティナのハンモックにやってきて彼女の胸元でうずくまる。暫く気付かないふりをして空想に耽った。アリスティナには姉がいた。優しい姉だった。奇眼を持つアリスティナに冷たくあり続けた両親とは違って優しく愛してくれた。

「イリーナさんのことですか」

「うん..」

またアリスティナは息を吐いた。

「ときどき寝言で呼んでますよ」

「そう...」

そうしてまたアリスティナは息を吐いた。

「だめですよ。むかしっからため息を吐くと幸せがにげていくって」

ぴくりとも動かないアリスティナの表情に呆れるようにアイヴィもため息を吐く。両の手で頬杖をついて足をパタパタとさせる。

「幸せかぁ」

なんだろうな,と思う。イリーナと森で暮らしていたころが一番幸せだったのかもしれない。思い返すと自然なまでに微笑が漏れた。アリスティナが目覚めるとすぐに森の動物たちが集まって少女の周りで寛ぎだした。そんな獣たちの毛を整えてやっていると大きく手を振りながらイリーナがやってくる。眩しい銀髪が大きく弧を描いてきらきらと輝いていた。捧げ持ったバケットにはサンドイッチと飲み物が入っていた。2人は穏やかに瞼を伏せる獣たちを眺めたり撫でたりしながらささやかなピクニックを楽しむ。イリーナは獣を怖がっていたが,次第にアリスティナのように接することができるようになった。初めてイリーナが獣に触れた時のことを今でもはっきりと覚えている。おずおずと伸ばした手が鬣に触れると彼はぴくりと耳を動かし,ただ一声唸って片目を開けてイリーナを認めた。少し首を傾げて触りやすいように体をずらした。するとイリーナは嬉しくなって彼の鬣をめちゃくちゃに弄り回してしまったが,いやそうな顔一つせずに彼は身を任せていた。ただ,名前を付けようとすると誰しも彼しもが嫌がったっけ。

「あれ,寝ちゃったんですか」

遠く声が聞こえた。いつしかアリスティナは夢の中にいた。毎日のように催されていた小さなお茶会の席に。そこは木立の隙間から暖かな陽光の差し込む窪地。たくさんの獣が一人の少女に集い,思い思いに身を伸ばしている。少女はゆったりと苔の生した大木に背を預け,微かに小さな頭を俯けていた。結ばれていた髪が解け,さらりと銀が流れる。少女の髪が鼻先にかかった鹿がくすぐったそうに首を振るい,くしゃみをした。驚いた小鳥たちが騒ぎ,そのざわめきで獣達も次々と目を覚ます。当の少女は柔らかく小さな寝息を立て続けていた。その様子に安心したのか獣たちもまたゆっくりと眠りに誘われていく。すべてが滲んだ輪郭に包まれているように感じられる,そこはまるでおとぎ話の世界だった。陽が陰り始める頃になると獣たちは耳を立てはじめる。少女の姉がやってくるのだ。彼女はいつも昼下がりにやって来る。今日も彼女はゆっくりとした足取りでやってくる。小鳥たちが出迎え,そして少女に知らせる。夢の縁でうすぼんやりとしながらも少女は閉じていた瞼を開けた。その双眸は右眼が淡い青,左眼が深い紅だった。緑の木々,そして思い思いに寛ぐ獣達。少女は微笑んだ。遠くから少女を呼ぶ声がする。

「アリスティナ」

空に太陽が昇っていた。晴れ渡る青空には雲がひとつも浮かんでいない。左眼に圧迫を感じる。手を伸ばすとざらざらとした革の感触。視線を落とすと小さな人影が胸のあたりに浮かんでいた。

「アイヴィ」

「やっとおきてくれましたか,もう」

くるっと身を翻して人の背丈に戻る。優しそうだが鋭さの残る瞳。

「寝坊ってほどでもない。やることもないわけだし」

「生活習慣は」

寝ぼけ眼を擦るアリスティナをアイヴィが叱る。

「しっかり身に付けておかないと,いざという時にどうしようもありませんから」

「はいはい」

ふいっとアリスティナは顔を背けて水瓶に向かう。何もすることない一日がまた始まる。ただ起きて,ただ食べて,ただ寝るだけの一日。どうしようもない倦怠感はいつごろから感じていただろうか。

「ねぇアイヴィ」

「なんです」

「この森の外の世界は,物語に書かれてあるような世界なのか」

アイヴィはしばらく何かを考えているように目を伏せた。それは何かを躊躇っているようにも見えた。

「アイヴィ」

「ご自分の眼で確かめてみたいのですか」

しっかりとアイヴィはアリスティナの眼を見据えた。悪戯のような雰囲気を残していたが,その実,覚悟を求めるようでもあった。暫くアリスティナをじっと見つめる。

「なにかそうする必要がある気がするの」

アイヴィは驚いたように口を開きかけるが,やがてふっと笑みをこぼした。

「いきましょうか」

そう言った。


数多の人の生き様を見た。死に様を見た。それは文明や文化だった。

「幾度もそうだった」

一人心地た。ただ自分が繋いだ人の命の可能性を信じるのだ。今回も,そしてこれからも。

「そうでなければ,どうして私に生きていけというのか」

空は澄んでいる。空から見下ろす台地はほとんど一面が緑で蔽われている。その覆いの下には数多の命が息づいている。

「不思議なものだな」

人という種族がどれだけ影響力を持つようになっても,いまだに空から窺い知ることはできない。遥かに続く大地。人がどれだけ都市を築いたところでぽつりぽつりとまるで虫が食ったように開けた穴のようだ。

「...なぜ起こした」

答えてくれる者はいない。少女は青い髪をなびかせ,空から地上を見下ろしている。躰が陽光を受けて煌めく。それはカットしたダイヤに光を差し入れたようだった。まるで少女を包むクリスタルがあるかのように。

  

そうと決めるとアイヴィはまるで初めからそのつもりだったかのように瞬く間に身支度を整えてしまった。アリスティナは渡された大きなコートを着せられて仏頂面である。洒落っ気のない真っ黒なコートは当然飾りもなく,ただ身を包むだけの,まさに服だった。丈は踝ほどもあり,アリスティナの躰をすっぽりと覆っている。

「いいでしょ,新しい服」

これで生地が固かったら最悪だが,幸い柔らかかった。かなりゆったりとした造りなのはいいが,膝から下にもスカートが続いているのは邪魔でしかなかった。むくれているとアイヴィに袋を渡された。中にはほとんど何も入っていなかったが,なぜか藁が底のほうに敷かれていた。首を傾げているとアイヴィがするりとその中に入ってしまう。

「お願いしますね」

思いっきり袋の口を絞めてやった。中でもごもごと動く小さなアイヴィをつつき,しばらく堪能した後に出してやる。

「なにするんですか」

今度はアイヴィが仏頂面だ。

「もう」

アイヴィを引っ張り出して掌に載せる。つんつんと突いているとアイヴィは頬を膨らました。人並みの大きさの時はお姉さんのようでありながら,こうして小さくなっているとまるで妹のように感じられる。耐えかねたアイヴィが袋の中に逃げ込む。さらに追撃と悪戯をする手を止めない。ふと風が立った。アリスティナは髪を押さえ,アイヴィは顔を出した。鳥たちのざわめきが聞こえてくる。

「人が落ちてきた」

きょとんとするアイヴィを後目に森の奥へ。くすんだ臭いがする。硝子のような破片がそこらかしこに散らばっていた。横薙に薙がれた低木が痛々しく続いている。臭いのする下へ。そこには少女がいた。青い髪。伏せられた睫毛は長く,反りがあった。その少女の周りの土が液状化している。だが,その白い肢体には泥跳ねの一つもなかった。手を引いて助け起こす。少女は力なく言葉を発した。

「メイトリスか。苦労を掛けるな」

力無く躰を擡げてくる。冷たかった。

「アイヴィ。この子を」

ようやく追いついてきたアイヴィに少女を任せ,するすると木によじ登る。見上げた空はいつもと変わらなかった。陽の光も木々も風も生き物たちも。下からアイヴィの声がした。

「どうした」

少女の体には衣がかけられていた。アイヴィの腕の中で薄ぼんやりと開いた瞳がこちらを捉えた気がした。ゆっくりと手を持ち上げ誘うように動かす。近づいていくと,少女はアリスティナの眼帯を解いた。

「意味があるとするならば,それはお前か」

現れた紅の眼を少女は指さす。アリスティナは少女の体に纏わりつくようにしている透明な何かを見た。生々しい形をしているが,生き物ではない。あちこちに欠けた部分があるのだろうか,不細工なガラス細工のようなそれは,少女が瞼を伏せると滲むように消えてしまった。

「帰ろう」


初めまして,EXTANSIAと申します.構想10年ほどの夢小説がようやく足がかりができたので投稿させていただきました.楽しんでいただければ幸いです.完全オリジナルということで,世界設定はさることながら,物理や生物に関しても様々な要素を加えており,限りなく現実に近い異世界ファンタジーを理想に取り組んでいきたいと考えています.人生とは自分ではない何者かに定められたRPGなのか,それとも自分で作りだしていくTRPGなのか.セストエレメントとはそんな小説です.創世期に地上につかわされた超常の存在から生み出された6種類の人間達が,思い思いに暮らしている世界が主な舞台です.物理現象に自由に干渉できるトゥー・ピューイサンや,雲の上に超文明を築いたが現在は衰退してしまっている有翼族アンジュ(エィル).その他に,アンジュ(エィル)によって創造されたファータ,獣と人間の姿を自由に入れ替えられるラフゥリュール,狩猟民族のファレ,知恵を唯一の武器とするアンスロポス(ヴァイスハイト)が存在します.大陸はパンゲアのように一つにつながっており,各種族の交流も盛んにおこなわれていましたが,近年ではある種族の台頭と共に軋轢が起こっています.そんな中,左右で瞳の色の違う少女がピューイサンに生まれました.彼女はすぐに魔導士としての頭角を現しますが,それを恐れた一族によって放逐されてしまいます.親しかった姉とも別れ,一人で森の中に暮らしていたところをファータ族の少女に発見された後から物語は始まります.

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