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2016年/短編まとめ

とあるカップルの年越し蕎麦

作者: 文崎 美生

年越し蕎麦を茹でながら、紅白でもガキ使でもなく、ジャニーズのカウントダウンを流している私に、彼は文句も言わずにテレビを眺めていた。

炬燵に潜り込んで、パーカーを羽織りながらみかんを剥いてるが、そんなんで蕎麦が食べられるのか。


「おもちいるー?」


「海老のかき揚げがいい」


「ワガママだなぁ」


去年はおもちじゃなきゃ嫌だって言っていたのに、と思いながら冷蔵庫を漁る。

年末の買い物で冷蔵庫は異常に食料品で溢れ返っていて、しばらく買い物行かなくていいなぁ、と思わせた。


海老のかき揚げを二つ取り出して、汁でぐずぐずにするべきか聞いてみたが、やめろ、とバッサリ切り捨てられる。

私はぐずぐずになったのも、美味しいと思う。


丼に蕎麦の麺とお汁をぶち込んで、彼リクエストの海老のかき揚げを置く。

はい、完成。

ぶっちゃけ、晩ご飯も結構食べたので全部食べられるか不安なのだが。


「あんがとー」


「どういたしましてー」


彼と色違いのパーカーを羽織って、私も炬燵に潜り込む。

ぬくぬく、と言いながら箸を手に取る。

テレビの中では相変わらず、若々しく瑞々しい年齢を感じさない男の子達が歌っていた。


何で毎年これだけは必ず見るのって、イケメンは目の保養になるから以外の何ものでもない。

彼は興味なさげに蕎麦を啜っているが、今更なので私も何も言わずにテレビを見ながら、蕎麦を啜った。


「あ、今年もお世話になりました」


「こちらこそ、来年もよろしくね」


「宜しくな」

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