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榊原研究室  作者: 青砥緑
第二章 夏
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海辺の面々-3

 克也は海の家も初体験だ。赤桐と猿君は何軒かの海の家の前を通り過ぎながらメニューの説明をしてやる。

 犬丸も途中までついてきていたが、いつの間にかはぐれた。たぶんラーメンを食べているはずだ。海の家で食べるラーメンは特別美味い。


 適当な店の前で止まって食事を仕入れる。

「焼きソバ3つ、いか焼き2つ、フランクフルト2つ、お好み焼き1つ、フライドポテト2つ、唐揚げ2つ」

 猿君が淡々と注文していく。売り子の若者は圧倒されながら間違いなく全てを袋に詰めて渡してくれた。

「あ、ビール3つ」

 飲み物を忘れたと猿君はビールも注文する。どうせ今日は誰ももう運転しないので飲み放題だ。ビールまで含めても会計は最上からのお駄賃5000円におさまっている。

「克也は何飲む?」

「うーん、ラムネって飲めるの?」

 克也はジュースの中にラムネの文字を見つけて目を引かれた。克也の知っているラムネは白い小さいタブレット状のお菓子である。液体になったらどうなるのだろう。

「克也飲んだことないの?ダメだよ、飲まなきゃ。お兄さんラムネ一つ!」

 赤桐は克也の返事も聞かずに注文した。


 大荷物を猿君に預けて、砂浜を戻って行く。赤桐は克也にラムネを飲ませて感想を求める。克也は美味しいと判定した。瓶の中にビー玉が入っているのもカラカラと音がして面白い。

「気にいった?夏はこれだよ。」

 赤桐は克也のラムネも常のごとく横取りして自分も一口飲んで満足げだ。飲み物を回し飲みする習慣のない克也は何度もボトルをとったりやったりするやり取りがちょっとしりとりみたいだなと思った。そういうと赤桐は「じゃ、ラムネ。」といって本当にボトルと一緒にしりとりを始めた。

「ネッシー。」

 克也が答えると、赤桐と猿君はちょっと変な顔をして「それ、誰に教わったの?」と聞いた。

「針生さんです。」

 二人は顔を見合わせた。針生のものを教える基準がますます分からない。


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