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榊原研究室  作者: 青砥緑
第二章 夏
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合宿へ行こう-4

 次にやってきたのはバイクを並べた赤桐と猿君だった。赤桐が乗っているのは最上との共同研究で作成したもので、これでもまだ研究を私物化していないと言い張るのかと犬丸と言い争いながら入ってきた。夏休みに入って猿君の頭はスキンヘッドになっている。どうも暑いらしい。

「おお、猿君がそういう髪型にすると迫力あるね。」

 初めて坊主頭をみた大木が感想を述べると、猿君は頭を撫でて照れた様子だ。


「髪がなくても髪型っていうんですか?」


 克也は万年スキンヘッドの針生に向けて聞いた。


「・・・ゼロも数字だろ。」


 針生は憮然と答えた。答えになっているか微妙なところだったので克也は考え込み、結果として静かになった。



 赤桐はバイク用の服からパレオのワンピースに着替えてきて、早速海辺へ行く気満々である。克也がみたことのない服に興味を持ってじっとみていると、赤桐が「かわいい?」と聞いてきた。克也は素直なので「いつもと違う」と答えた。

 傍にいた他の人は赤桐が機嫌を悪くするかと思ったが、杞憂だった。

「そりゃ、旅行だもん」

 合宿という単語は赤桐の中では旅行と同義である。

「旅行だといつもと違うんですか?」

「そうだよ。非日常を楽しむのが旅行のいいところなんだから。」

 そう言われて克也は今朝から見かけた、いつもと違うことは全て旅行だからだったのだと理解した。

 いつもと違うことをして楽しい。これが旅行というものか。


「いつもと違うのも楽しいですね。」

 克也がそういうと、赤桐は克也に飛びついて喜んだ。教授を説得して合宿という名の旅行を計画した甲斐があったというものだ。

 赤桐は隙あらば克也を抱きしめるので、皆も無反応に二人を放置した。ただし赤桐が去って行ったあとで、最上はいつもと違う女性のいでたちを見たら、とりあえず褒めるようにと克也に教育的指導を行った。


スキンヘッドは髪型なのか否か。だって、スキンっていっちゃてるんだよ?

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